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西野神社 社務日誌

2008-02-14 祝詞を書く

安産祈願の祝詞

私の場合、社殿での御祈祷や外祭で奏上する祝詞(のりと)など、日頃使っている祝詞を書き直す時は、一々下書きを作成せずに直接奉書紙(縦39cm×横54cmサイズの祝詞用紙)に墨書しますが、新規に祝詞を作成する時は、まず祝詞の例文集などを参照しながらPCで祝詞の文章(下書き)を作成し、それを印刷して、印刷された文書全体を見て奉書に書く際のバランス配分を考えてから、奉書に墨書します。バランス配分を考えるのは、八折に折った奉書のうち両端の各一折を除く六折に祝詞を書くため、下書きとして作成した祝詞の文章全体がほぼ均等に六等分されるよう配慮する必要があるからです。

今日は正午から、当社氏子区域内の某施設に於いて、改築工事に先立つ安全祈願祭が執り行われ、私が斎主として御奉仕させて頂いたのですが、その際に奏上する祝詞の下書きは、昨日の夕方頃、社務をあがる直前に社務所PCで作成し、奉書への墨書は、今日の早朝(午前5時半頃)ウチで行いました。祝詞の前半部には、今回の改築工事の対象となる施設の名称とその管理者名(施主)、その施設が地域に貢献してきた事柄、改築工事を行なう事由などを入れ、後半部には、改築工事を担当する業者(施工)名と、その業者が神様の御加護の下無事安全に速やかに工事を成し遂げられますようにという願意、そして、その施設が、すぐ近くを流れる清流「琴似発寒川の流れと共に絶ゆる事無く」いつまでも栄えますようにという趣旨の願意の文章を、それぞれ書かせて頂きました。

ちなみに、安全祈願祭を終えて神社に戻った後は、地鎮祭と安産祈願の祝詞もそれぞれ書き直しました(写真参照)。一日に3本もの祝詞を書くのは私にとっては珍しい事でしたが、祝詞を書いたりそれを奏上したりする事は神職の仕事(奉仕)の本分(いわばド真中)ですから、たまにはこういう日があってもいいかも(笑)、なんて思いました。これからは、今まで以上にもっと積極的に祝詞を書くようにしようと思います。

(田頭)

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かもりかもり 2008/02/16 13:59 ところで、以前どこかで神職の方が「素人が祝詞を奏上して
はいかん」というようなことを言っていたようですが、一般
的にはどうなんでしょうか。いろいろな意見があるとは思い
ますが・・・。

#私も祝詞を作文できるようになりたいなぁ。

田頭田頭 2008/02/17 18:23 >かもりさん

神職でない方が祝詞を奏上する事に問題があるとは私は思いません。
ただ、同じ願意・奉告・感謝の祝詞であっても、本殿の大前で神職が奏上する祝詞と、家庭の神棚の前で奏上する祝詞とでは、奏上する場所・状況の違いなどから、祝詞の内容や構成は同一なものにはならないと思いますが。
なお、神社によっては、「神拝詞」という蛇腹上の祝詞を一般の方に配布していますが、その神拝詞に載っている「神棚拝詞」という祝詞は、家庭の神棚の前で奏上する事を前提とした祝詞です。

まさかずまさかず 2008/02/17 22:12 一般の方でも、祝詞を奏上する方はたくさんいますよ!
祖母は毎朝ご神前で「大祓詞」を奏上してました。田頭権禰宜様の仰る通り、「神拝詞」という蛇腹になったコンパクトサイズの祝詞を頒布(札幌市内でしたら北海道神宮の授与所にあり)している神社もあります。仏具店でも販売してます。

かもりかもり 2008/02/18 22:24 いつもアドバイスありがとうございます!
そうでしたか。実は質問してから、もしかして神職の方の
間でも意見が分かれていて答えにくい質問をしてしまった
のではと心配してしまいました。
私は神社でも神棚でも、身禊大祓→大祓詞と奏上して、龍
神さんの場合は龍神祝詞も奏上しているといった感じです。
他にも、通常奏上するのにお勧めのものがあったら教えて
ください。

ところで龍神祝詞というのは、なんとなく文体が新しい感
じがするんですけど、いつごろからあるのでしょうか。

田頭田頭 2008/02/20 06:41 >かもりさん

通常社頭もしくは神棚で奏上するものとしては、まずは神社本庁発行の蛇腹状の祝詞「神拝詞」に載っている祓詞、略祓詞、神社拝詞、神棚拝詞、祖霊拝詞、略拝詞、大祓詞などが基本かなと個人的には思っています(別にこれらを全部奏上する必要はないですが)。あくまでも私がそう思っているだけですけど。
あとは、これは通常奏上する祝詞ではありませんが、神社本庁研修所発行の蛇腹状の祝詞「石上神宮神拝行事次第」に載っている十種祓詞、ひふみ祓詞なども個人的には好きです。

龍神祝詞というのは、私は見た事も奏上した事もありませんでしたが、今回ネットで検索して初めてその全文を読んでみました。確かに、延喜式の祝詞などに比べるとかなり新しい印象を受けますね。
祝詞によっては(例えば延喜式など)いつ頃成立したのか、ある程度の年代の特定は可能ですが、しかし本来祝詞は奏上する人が自分で作文するものですから、実際の所、この龍神祝詞も含めて大多数の祝詞は、誰がいつ作成したのか、そこまでは特定できません。

かもりかもり 2008/02/20 19:50 龍神祝詞は、龍神様を熱心に信仰している人や、修験道の
方では結構奏上されている祝詞です。
しかし、田頭さんがご存知なかったということは、神社で
は、龍神様を祀っているところでも奏上されていないので
しょうか。神社本庁非公認みたいな感じでしょうか(^^;)。

私の勝手な想像だと、龍神祝詞というのは江戸時代あたり
からの復古神道の流れで生まれたものかもしれませんね。
他のメジャーな神様は専用の祝詞があったりするのに、龍神様の祝詞が古くからないのだとしたら、それは龍神様が
眷属さんとして少し下の扱いになってしまっているからな
のかもしれませんね。
#全く根拠のない想像ですけど(^^;)。
#「宇宙」っていう言葉はいつごろからあるのだろ(~~;)

田頭田頭 2008/02/21 03:25 >かもりさん

はっきりと「神社本庁公認」と銘打っている祝詞や、逆に「非公認」とか「不許可」とされているような祝詞は多分ないと思いますが、しかし、古神道や修験道ではよく奏上される一般的な祝詞でも、神社においてはあまり一般的ではないという祝詞は確かにあると思います(例えば六根清浄祝詞とか)。
しかし、前回のコメントでも述べましたが、祝詞は本来は自分で作文するものなので、同じ神様の前でも人によって奏上する祝詞が異なるという事は、当然あってもいいと思います。
龍神祝詞も、状況に合わせて自分で一部を勝手に書き換えたとしても、それが祝詞作文の文法に従ったもので且つ流麗で荘重な言い回しを用いているのであれば、別に構わないと思います(書き換える事を勧めている訳ではありませんが)。