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西野神社 社務日誌

2008-12-13 神宮大麻

神宮大麻

三重県伊勢市には、「神宮」という名の、日本人全員の心の故郷(ふるさと)とも言うべき大変尊いお宮があります。世間一般では俗に「伊勢神宮」と称されるお宮です(正式名称はあくまでも漢字2文字で「神宮」です)。

神宮は、内宮(ないくう)と称される「皇大神宮」と、外宮(げくう)と称される「豊受大神宮」の2つの本宮を中心に、14の別宮と109の摂社・末社・所管社など合わせて125のお社から成り立っている大規模なお宮なのですが(境内地は一箇所にまとまっている訳ではなく多くの飛び地を抱えています)、神宮を構成するそれらの各お社のなかでも最大の信仰の中心となっているのは、皇室の祖神であり日本人全員の総氏神様であられる天照大御神(あまてらすおおみかみ)様をお祀りしている「皇大神宮」です。

そして、その皇大神宮の御神札(おふだ)の事を「神宮大麻」(じんぐうたいま)といい、当社では、西野神社の御神札とは別に神宮大麻も授与させて頂いております。西野神社に限らず、神宮大麻は全国のほとんどの神社で扱っており(神宮大麻の頒布は、神宮の社務所に相当する神宮司庁から、神社本庁に全面委託されているため、神社本庁包括下の神社であれば原則として全ての神社で神宮大麻を扱っております)、そのため直接神宮に行く事ができない人でも、神宮大麻は最寄の神社からお受けする事ができます。しかも、神宮大麻は単に各神社の社頭(社務所や授与所など)で扱っているだけではなく、各神社の神職、総代、その他(頒布奉仕者)の皆さん方が氏子区域内の家々を個別に訪問して積極的な頒布活動も行っています。

私達神職にとってはこれは極めて当たり前の事なのですが、しかし神社に馴染みのない人にとっては、これ(他所の神社の御神札を扱っている事)を奇異に感じる人もいるようです。確かに、一般の会社に置き換えて考えてみると、例えばA社という会社が、同業他社であるB社の商品を扱うという事は、A社がB社の子会社であるか、あるいは何らかの特別な事情がなければ普通はまずありえず、ましてやA社が、同業他社であるB社の商品を広めるため積極的に個別訪問までして営業活動を行うなど(例えばホンダの社員がトヨタ車を売り込む、NECの社員がIBM製のPCを売り込むなど)絶対に考えられません。

では、なぜ各神社では自社の御神札とは別に神宮大麻も扱っているのかというと、歴史的な経緯(皇大神宮は第11代垂仁天皇の御世・西暦紀元前4年に、豊受大神宮は第21代雄略天皇の御世・西暦478年にそれぞれお鎮まりになられました)や由緒(皇大神宮では天照大御神から授けられた、皇位の象徴である三種の神器のうちの一つの八咫鏡を御霊代としています)などから、伊勢の神宮は神社神道最大の聖地且つ信仰の中心地であり、全国の神社の中でも特に尊いお宮、国民全体で護持すべきお宮とされているからです(神社本庁では伊勢の神宮を「本宗」と定めています)。

こういった事から、遍く世界を照らし万物の生成に欠く事のできない太陽のように最も素晴らしい御存在であり、日本人全員の総氏神様でもあられる天照大御神を篤く御崇敬申し上げるため、私達日本人は、天照大御神をお祀りする皇大神宮の御神札(神宮大麻)を天照大御神の標章と仰ぎ、天照大御神の御神恩に奉謝すべき表象として、神棚に神宮大麻をお祀り申し上げるのです。

ですから、私はいつも断定的な言い方はなるべく避けるよう留意してこのブログの文章を書くようにしているのですが、この件に関してだけははっきりと断言させて頂きます。「神宮大麻はなるべく神棚にお祀りした方が良いお札」ではなく、「必ず神棚にお祀りしなければいけないお札」です。もし御家庭の神棚に神宮大麻がお祀りされていない場合は、最寄の神社から神宮大麻を受けて必ずお祀りしましょう!立派な神棚をお祀りしている家でも、神棚には自分の信仰している神社もしくは最寄の神社のお札しかお祀りしていないという事例が少なからず見受けられるのですが、神棚には最低限、神宮大麻と氏神様の2体の御神札をお祀りする事が日本人としての神様に対しての礼儀であり、神様に対して誠の心を示す事になるのです。

なお、先月まで、当社では神宮大麻は1種類しか扱っていませんでしたが、今月からは3種類の神宮大麻を扱わせて頂いております(今日の記事に貼付の写真参照)。但し、これらの神宮大麻はいずれも大きさが異なるだけで、神宮大麻としての意義や趣旨、あるいは御神威などについては何らの差異もありません。貼付の写真に写っている3体の神宮大麻のうち、左側の御神札が従来から扱わせて頂いている「神宮大麻」(縦24.5cm×横6.8cm×厚さ2mm、初穂料800円)、そして、中央の御神札が今月から扱わせて頂いている「神宮中大麻」(縦25.2cm×横7.5cm×厚さ5mm、初穂料1,200円)、右側の御神札も今月から扱わせて頂いているもので、これは「神宮大大麻」(縦30.3cm×横10.5cm×厚さ9mm×初穂料2,000円)です。

これら3種の神宮大麻はそれぞれ初穂料が異なっており、お受けする方の奉賛のお気持ちによりそれぞれ頒布されるものと御理解下さい(繰り返しますが御神威には全く差はありません)。但し、神宮中大麻や神宮大大麻は、ホームセンターで売られている安価な神棚や、あるいは、高級な神棚であっても比較的小型の神棚などでは、宮形の中には納まりきらない事もありますので、神宮中大麻や神宮大大麻をお受けする方は、必ず事前に御家庭の神棚の宮形のサイズを御確認下さい。

(田頭)

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だいすけだいすけ 2008/12/15 22:17 田頭様

本日は今年最後の15日ですので、今日の日供は特に念入りに御供えしました。
そして神棚を見上げながらしみじみ思ったのです、「来年こそ御札の整理をしなくては!」と。

私の考えた来年からの御札の御祀りの仕方は次の通りです。
1.神宮大麻(父が私の名前を決める際お伺いを立てたI神宮で授かる予定です)。
2.氏神様(I神社)の御札。
3.私の崇敬する鎌倉のS稲荷神社の御札。
この3枚の御札を御宮に納めます。そして他にも、
4.父の崇敬していたS國一ノ宮S神社の大祓祈祷札。
5.氏神様の大祭の後に配られる御札。
の2枚を神棚上の御宮の横に御祀りする予定です。

何だか色々と思い入れのある御札ばかりでしたので、上記の様に思い切るには随分と苦労しました。
田頭さんの様な神職の方は御自宅の神棚に御祀りする御札はどのように決めていらっしゃるのですか?。

まさかずまさかず 2008/12/16 23:33 だいすけ様

日々の大神様へのご奉仕ご苦労様です。
私の場合は、神宮大麻、氏神様、そして北海道に住まわせて頂き、日々の天恵のお陰を頂戴し、その報恩感謝の意味をこめて北海道神宮の御神札を奉祭してます。又、日本全国の神様に「ご挨拶」の意味をこめて、自分が手書きし奉製した「八百万大神」の神札をお祀りしております。

田頭田頭 2008/12/17 05:10 >だいすけ様・まさかず様

私は、神宮大麻・氏神様・崇敬神社の御神札をそれぞれ神棚にお祀りしており、崇敬神社としては毎年靖國神社と北海道神宮をお祀りしています。
学生として京都にいた頃は、関西の有名な神社を参拝する毎に御神札を受けていたため膨大な数の御神札をお祀りしていましたが(笑)、当時に比べると今はかなりすっきりしています。
勿論、毎日お世話になっている西野神社の御神札もお祀りしています。

だいすけだいすけ 2008/12/17 13:00 まさかず様・田頭様

年末の繁忙期の御奉仕、御疲れ様です。

神道系の教団には特定の神様ではなく「八百万大神」として御祀りしている教団が多くある様ですね。
先日私が避難器具の設置で御邪魔した東京の某教団もそうでした。
余談ですがそこには立派な白木の御陵鳥居が建っていました。一目見て思わず「カッコイイ!」と声を漏らしてしまったところ、教師の方に目を丸くされてしまいました。

神宮大麻や氏神様の御札は悩む事もないのですが、崇敬神社の御札は数多ある神社の中から御神縁を感じられる神社の御札を御祀りしています。
私の場合高校生の時、現地集合・現地解散という少々乱暴な遠足がありまして、その時に見えない力で引き寄せられて御邪魔したS稲荷神社の御札を御祀りしています。
以来、通常の参拝だけでなく、例えば悪戯で壊されてしまった狐像を修復するなど、積極的に御奉仕させて頂く事で心安らかに過ごさせて頂いています。

田頭田頭 2008/12/20 16:53 >だいすけ様

確かに教派神道系の諸教団では、特定の数柱の神様ではなく、八百万の神々全てをお祀りしている事が多いように感じられます。教団によっては、それらの神様の中でも特定の神様を主祭神として扱っているという事はあるようですが。

ちなみに、江戸時代まで全国の神社の神職の任免権を持ち神社界に大きな権威を持っていた事で知られる、京都市左京区に鎮座する吉田神社では、末社の大元宮に於いて「天神地祇八百万神」を御祭神としてお祀りしている事から、その大元宮の御神札を吉田神社から受けてお祀りすれば、御家庭の神棚でも八百万の神々をお祀りする事ができます。郵送での頒布も行っているそうです。

だいすけだいすけ 2008/12/20 21:44 田頭様

本当にこのブログはためになります、有難い事です。
吉田神社については、藤原氏が春日大社より勧請した事等は知っていましたが、大元宮の事は詳しくは知りませんでした。

現在でも多くの紙垂や御幣が吉田流の形で作られている事からも、江戸時代に吉田神社が持っていた影響力の大きさが窺えますね。