西野神社 社務日誌

札幌市西区の西野・平和・福井の三地区の鎮守(氏神様)であり、縁結び・安産・勝運上昇等の御神徳でも知られる西野神社の、公式ブログです。

当社では人形・ぬいぐるみ等を「処分」しているわけではありません

今月10日(日曜日)に当社参集殿で斎行される人形供養祭で御供養(お焚上げに先立って清祓い)される人形・ぬいぐるみ等が、受付を開始した先月15日以降、続々と当社に集まってきています。以下の写真は、10日の人形供養祭に向けて参集殿の祭壇に並べられている各種人形類です。道外など遠方から郵送されてくるものも多いので、10日まではまだまだ増えそうです。

人形供養祭の祭壇

人形供養祭の祭壇

人形供養祭の祭壇

人形供養祭は今月10日の午前11時から斎行されます。当日まで受付しておりますので、神社に納めたい人形・ぬいぐるみ等がある場合は、10日までに当社に直接お持ち戴くか、もしくはお送り下さい。宜しくお願い致します。


ところで、3日前、当社ホームページ電子掲示板(BBS)に、当社が執り行う人形供養についてのクレームとして、以下の投稿がありました。『先日3日のことです、小さな人形1体ですが、中々処分することができずに困っていたところ、西野神社の人形供養を知り、早速3日、持っていったところ、1体でも、袋一杯に詰めても同じ1回3千ですと言われ、結局止めました。有料なのは納得しますが、3千円でも良ければ引き取りますという態度はなんでしょうか? 産業廃棄業者でも、そんなことは言いません。 誠意も感じませんでした。

人形供養の初穂料は、あくまでもその方の「お気持ち」として納めて戴いているのですが(商売として行っている訳ではないので定価はありません)、しかし神社側が単に「お気持ちとして納めて戴けますか」と言っても、ほとんどの方は「お気持ちっていくらですか。具体的な金額を教えて下さい」と訊いてこられるので、そのため当社としては、一応の目安として、「45リットルのビニール袋1袋に収まる程度の量までで3千円」という基準を示させて戴いております。人形・ぬいぐるみ等の数や大きさに関係なく、45リットルのビニール袋に入る量であれば、1体だけであっても何十体であろうとも3千円、という事(あくまでも目安であり厳密に決めている訳ではありません)です。以上の事を踏まえ、私はこの方の投稿に対して以下のように返信させて頂きました。

おはようございます。当社の神職から誠意を感じられなかったとの事、失礼致しました。以後、参拝者の方々からそのように感じられる事のないよう、職員一同徹底するように致します。

ただ、「処分」や「産業廃棄業者でも」といった言葉を使っておられるので、もしかして当社が執り行っている人形供養に対して誤解をされているのかな、という気もしたのですが、当社では、お預かりした人形を「処分」しているという感覚は全くありません。産業廃棄業者のように、ただお預かりしてゴミとして処分しているわけでは決してないのです。

当社が執り行う人形供養というのは、神社に納められた人形・ぬいぐるみ等に対して、祖霊殿の御前にて神職がお祓いをし、その上で、その人形・ぬいぐるみ等に粛々と感謝の言葉を奏上し、更に、その人形・ぬいぐるみ等に宿っている御霊(みたま)が神様の御許へと召される事を祈願し、それらの神事を終えた後、境内にて神聖な忌火を以ってお焚き上げをするという、厳然たる「宗教行為」として斎行しており、単なるゴミとして「処分」しているわけでなければ「商売」としてやっているわけでもありません。

ですから3000円というのは、人形の処分料ではなく、人形供養という神事に対しての初穂料(神様に対してお気持ちとして納めるお金)と御理解戴ければ幸いです。宜しくお願い致します。

もし、単なるゴミとして「処分」をするという感覚であるなら、人形1体で3千円という金額は確かに高いかもしれません。通常の家庭ゴミとして処分すれば、その人形を入れるゴミ袋の値段だけ(実質ほぼ無料)で済むのですから。しかし、繰り返して言わせて頂きますが、当社ではゴミとして人形・ぬいぐるみ等を「処分」している訳ではありません。ですから、他の神社仏閣が行う人形供養の神事・仏事等に比べて金額が高いと言われるのであればまだしも(もっとも、もしそう思うのであれば「お気持ち」として御自分の納得する金額を払って戴ければそれで良い事ですが)、産業廃棄業者と比べてしまうというのは、私としては根本的に何か違うのではないかなと思ってしまうのです。

また、この投稿とは関係ありませんが、改めて指摘されるまでもなく「供養」という言葉は、そもそも仏教用語です。ですから、神社の立場としては、本来であれば人形供養祭には別の名称(例えば「人形感謝祭並びに人形清祓い」など)を充てるべきなのかもしれませんが、ただ、供養という言葉は一般に広く世に浸透しており、感謝祭や清祓いという名にするよりは供養祭という名にしたほうが直ぐに祭典の趣旨を理解して戴ける事から、当社ではあえて人形供養祭という名を用いています。

以上の事、皆様方には是非御理解・御了承を戴きたく思います。宜しくお願い致します。


(田頭)

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