Hatena::ブログ(Diary)

西野神社 社務日誌

2013-05-15 神職を志す方へ

「神主の資格を取りたい」「神主を養成する学校に入りたい」「神主として神社で働きたい」といった方から、時々、Eメール当社の電子掲示板(BBS)への投稿、このブログコメント欄への書き込み等で、問い合わせや質問を受けるのですが、はっきり言って、そういった問い合わせや質問の多くは、このブログの過去の記事を読んで戴ければ明確な回答として述べられている事ばかりなので、そういった“回答済み”の質問を受ける度に、私としては正直言って、げんなりとします…。

ですから、ちょっとキツイ言い方になりますが、階位取得や神職養成機関に関して当社や私に質問をしようとしている方に対して、あえてはっきりと言わせて頂きます。まずは、このブログの各記事をキチンと読んで下さい!
以下が、階位取得や神職養成機関等について今まで私が解説をしてきた記事です。これらの各記事の本文や、記事本文の後に付けられているコメント(質問者と私のやりとり)を読んで戴ければ、だいたいの事は、概ね御理解戴けるのではないかなと思います。

▼ 神主になる方法
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20060506

▼ 養成機関別奉職状況
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20060523

▼ 神主を目指す学生が勉強する科目
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20070217

▼ 階位取得に関してのお問い合わせ
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20070424

▼ 階位取得に関する誤解に対して
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20070828

▼ どの課程でどの階位が取得できるのか
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20070829

▼ 階位取得や神職養成等に関するQ&A(その3)
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20071105

▼ 階位取得や神職養成等に関するQ&A(その4)
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20090214

▼ 示板やメール等で寄せられた質問(神職養成編)
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20100422

▼ 宮司になるにはどうすればいいのか?という質問の回答を検証
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20100612

▼ 神職養成機関 専修・普通・通信教育各課程の入学案内
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20121210


2年制の神職養成所(神職養成機関普通課程)での日々の生活や行事等については、以下の各記事で解説させて頂きました。國學院大學もしくは皇學館大学への進学を希望されている方や、階位検定講習会での階位取得を目指している方にはあまり関係ありませんが、養成所への入学を検討されている方は、これらの記事も是非御一読下さい。

▼ 神職養成所での学生の一日
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20070320

京都國學院 普通課程 年間行事
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20070410

▼ 大社國學館 普通課程 年間行事
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20070411

▼ 某神職養成所の学生寮の規則
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20070712

▼ 平成19年度 京都國學院 年間行事報告
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20080331


最近は、女性で神職を志す方も増えてきておりますが、女子神職については以下の各記事で解説をさせて頂きました。女性で神職を志す方は、記事の後に付けられたコメントも含め、こららの記事も是非御一読下さい。

▼ 女子神職
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20060411

▼ 再び女子神職について
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20070324


スピリチュアルな感性から神職を志すという方、逆に、特殊な能力(霊感等)が無いと神職としてやっていけないのではないかと不安に感じておられる方は、以下の各記事もお読み下さい。

▼ 神職と霊能力
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20060826

▼ 神職と霊能力(その2)
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20120209

▼ 宗教者としての聖と俗のバランス
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20130503


「神社庁長の推薦状はどうやったら貰えるのでしょうか」「社家の出身でなくても神職養成機関に入学できますか」「神職養成機関の入学試験の内容やレベルを教えて下さい」「神職養成機関に入学する前に何か勉強しておいたほうがいい事ってありますか」「私は女性なのですが私でも神主になれますか」「神社に奉職してから、別の神社に異動になるといった事はあるのですか」など、質問される内容はだいたい毎回同じで、これらの質問には、上に列記した各記事で既に回答済みです。
別のページに書いてある事ならまだしも、なかには、同一ページで既に回答している事について、そのページのコメント欄で質問をされる事もあり、そういった場合は、さすがに私もムッときます。

なお、階位取得や神社への奉職等に関しては、京都市北区に鎮座する出雲大社紫野教会さんのサイト内(下記URL)でも詳しく解説されておりますので、そちらのほうも是非御参照下さい(有難い事に、こちらのページではこのブログ「西野神社 社務日誌」も紹介されています)。
「奉職活動で多少不利な人」「神職の待遇」「神職に向いていない人」「神道を学びたい、のが主な理由の人」「神道界の役に立つには」といった、このブログではあまり詳しく触れなかった事項に関しての項目も立てられており、かなり参考になると思います。

http://www.izumo-murasakino.jp/shinto-014.html

専攻科については、札幌市北区に鎮座する新川皇大神社のブログの、以下の各記事で詳細に説明されています。國大もしくは皇大の専攻科への進学を希望される方は、以下の各記事も併せて御一読下さい。

http://ameblo.jp/shinkawa-koutai/theme9-10010812783.html
http://ameblo.jp/shinkawa-koutai/theme8-10010812783.html
http://ameblo.jp/shinkawa-koutai/theme7-10010812783.html
http://ameblo.jp/shinkawa-koutai/theme6-10010812783.html
http://ameblo.jp/shinkawa-koutai/theme5-10010812783.html
http://ameblo.jp/shinkawa-koutai/theme4-10010812783.html


ちなみに、私が今までで最もムッときたのは、「神主になりたいので、何かアドバイスを下さい」というコメントです。
例えば、「自分は大学卒業しているので國大もしくは皇大の専攻科に出願する資格もあるのですが、養成所にも興味があります。どちらのほうがいいのでしょうか」とか、「階位検定講習会を受講したいので、その受講申込みの方法を教えて下さい」とか、「修了時にどちらも明階検定合格となるらしい専攻科と専修科の具体的な違いがいまいちよくわからないので教えて下さい」などといった具体的な質問であるならば、私も自分の知っている範囲である程度明確に回答する事が出来ますが(但し、今、例として挙げたこれら3つの質問には、既にこのブログの中で回答しています)、単に「アドバイスを下さい」ではアドバイスのしようがないですし、人格が出来ていないまだまだ未熟な私としては、そういった抽象的なアドバイスを求められると、「他人に質問をする前に、まず礼儀として、最低限の事は予め自分で調べなさい。ネットで調べたら、家にいながらでもその場ですぐに分かる事なんだから!」と思ってしまうのです。

そういえば、このブログのコメント欄で、「神職の月給について詳しく教えてください」といった、唖然とするような問い合わせを受けた事もありました。そういった事が気になるのであれば、そもそも神職に限らず、まず宗教者には向いていないような気がします(具体的な金額など明示しようがないですが、一応、回答はしましたけど)。

私は今まで何度も、神職になりたいと希望する方々の相談に応じてきました。私も外部からこの世界に入った人間ですから、当初はそういった人達をかつての自分と重ね合わせて、可能な限り丁寧に対応してきました。
しかし、何度も質問に答えたり直接会って話し合うなどしていても、ある日突然音信普通になってしまう、というのはよくある事で、時には、とても意欲に燃えていたはずなのに実際に神職養成機関に入学すると一年も経たずに退学してしまったり(しかも1人ではなく複数いました)、また、神職になる事を希望する青年をある神職に紹介してその神社で実習をして貰った所突然何の連絡も無しに失踪してしまい結果的にその神社さんにも多大な迷惑をかけてしまったり(これも2例ありました)と、正直、かなり失望せざるを得なかった事も多々あり、そのため、自分自身もちょっと感情移入し過ぎだったり性急過ぎた所もあったかもしれない、と今は反省をしており、近年は、私に相談をする方には努めて冷静に対応し、ちょっと距離を置いたり、時にはかなり厳しい事も言うようにしています。


私の友人である、関東地方の某神職も、私に対して以下のように言っておりました。SNSに投稿した私の日記に対して付けられた、その友人のコメントの一部を、以下に転載します。
これから氏神様(最寄りの神社)に行ってそこの神主さんに話を聞きに行こうと思っている方には、ちょっと酷な話かもしれませんが、今まで何度も失望を繰り返してきた私には、この意見や姿勢には共感・同意できる所が多々あります。

必要以上に丁寧に世話する必要なし! 私も痛い目にあいました。
本当に、自力で神職になる人は、ネットでも図書館で神道辞典を見るなどして神社本庁(神社庁)なり国大なり皇大なり各養成所なりを調べだして、どこだったら可能性があるのかを見いだしてくるでしょう。
(中略)私も、20代の頃はそれなりに親身に対応していたつもりです。私は、社家外には講習会は絶対に賛成しませんので、基本的には國學院大學の神道学科(当時)のみの紹介でした。相談に乗っても、仕事があるから大学には行けないとか、家を離れることが出来ないとか、学費を工面できないとか、親を説得できないとか、だれもかれも同じ理由ばかり。正直うんざりしました。社家外から希望してくる人って、講習会の推薦を貰って短期間で神職の階位を取得したいと考えている人がかなり多いと知りました。社家外だからこそ、短期養成は避けるべきだと思うのですが、全く反対のことを考えるんですね。
(中略)ここ数年で、神職になりたいという相談を数件ほど門前払いしてきました。安易に神主になりたいという人が増えすぎていることも大きな原因だと思います。


例えば、私の身近にいる某神職は、初めて神職になりたいと思った時、まず初めに近くの神社に相談に行ったそうですが、やはり型通りの説明をされただけで、どちらかというと適当にあしらわれた感じだったそうです。しかし、その後、神道系某大学の科目等履修生になり、神職実習生として改めて神社に相談に行くと、神社からは「部外者ではなく、こっち側の人」と受け止められたようで、かなり丁寧に対応をしてくれ、具体的なアドバイスも貰えたそうです。
積極的にこういった方法を勧める訳ではありませんが、この事例にように、まずはこの世界に一歩足を踏み入れてから神社にアプローチする、というのも、一つの有効な手段ではあるかなと思います。何度も嫌な思いをしてきた神職のなかには、「行動に移せて、初めてきちんと相談を聞いてもいいかな」と思っている人もいますから。


(田頭)

人気blogランキングへ

田頭田頭 2013/05/21 13:24 近年、神職になりたいという人が増えている要因には、昨今の神社ブームやスピリチュアルブームの影響も勿論あるのでしょうが、神職に対して、何となく楽そうな仕事、といった誤解が生じているためではないかなという気もしています。

神職になりたいという人が多分想い描いているであろう、雅な装束を着て大前で祝詞を奏上したり、参拝者に大麻を振ったりしている神職の姿は、あくまでも神職の一面であり、その姿が神職の全てという訳では決してありません。しかし、そうは思われていない方が意外と少なくない気がするのです。
実際の神職は(大規模な神社の宮司クラスは別かもしれませんが)、掃除・事務・力仕事などの雑用が、日々のメイン業務です。

神社によっては、コスト削減のため、本来であれば明らかにそれ専門の外部の業者に委託すべきような仕事(境内の整備・修繕等に関する土木工事など)まで神職にさせている所もありますし、そのため、中には自分の事を「神主って何でも屋だよ(笑)」と自嘲気味に言う神職もいるくらいです。
また、神職が宮司一人、もしくは極少数しか在籍していない神社(特に神職が境内の職舎や神社近隣で暮らしている場合など)では、時間配分に明確な公私の別がついていない場合もあり、その時の状況によっては深夜や早朝でも参拝者に対応したり、事実上休みはほとんど無いという事も有り得ます。

これはどんな仕事に対しても言える事ですが、神職も、単なる“憧れ”だけでは続けられない仕事です。

渡辺渡辺 2013/05/22 14:23 田頭先生のご意見に同意する立場から、神道系大學神職課程、昨年度卒業生の一意見を申しあげさせていただきます。

昨年、学部教授から伺ったお話なのですが、ここ最近の入試面接時に、「スピチュアリストになりたいので入学したいです!」と言う方がおられるとのことで、教授は「うちはそんなところ(スピリチュアリスト養成所)じゃないのにね…」とおっしゃられておりました。

また、神務実習時に某先生は、「最近は資格マニア等安易な理由で神職資格を取得したいと考えている方が増加していて困っている。こちらとしては神職として奉職する方を求めているので、はっきりいって迷惑だから軽い気持ちや一時の感情で取得を目指すのは止めていただきたい。」と実習生に向けておっしゃられておりました。

個人的に神職課程を経験するなかで実感したことは、「奉職」と「労働」の区別をしていない方が少なからずおられるように見受けられました。自身は課程を経験して、奉職することはたいへんな責務であることを実感しておりますので、なりたいという安易な気持ちで出来る職業ではないと思います。

田頭田頭 2013/05/28 03:31 >渡辺様

御意見、ありがとうございます。
やはり大学側も、そういった入学生や入学希望者には迷惑しているようですね。
階位検定講習会の受講要件が昔よりかなり厳しくなったのも、安易に階位を取得しようとする者が多かったからと聞いています。

渡辺渡辺 2013/06/03 16:02 田頭先生

ご返信ありがとうございます。
講習会の要件については存じませんでしたので、お話を伺って納得いたしました。中央実習時に、次回より2つの神務実習は奉職後に行っていただくことになるので、我々が最後の学生実習生だと言われました。その理由も今回の話のようなケースの増加が要因であるようです。

sherrysherry 2013/06/05 21:55 田頭様
おひさしぶりです^^ 北海道も桜が咲き散る時期になりましたね
この記事を読んだら、ちょっと思い出したが
国大の神道学科はやはり私以後(2004)、ほとんど留学生が入学していないらしい。
でも私のHPに過去に何人が意見を聞きにきた人がいて、結局本当に入学試験をチャレンジした人はひとりもいなかった…

田頭田頭 2013/06/09 07:43 >渡辺様

階位検定講習会は、今は直階、権正階、正階と順番に受講していかなければならなくなりましたが、昔はいきなり上位の階位からでも受講できたそうですし、受講要件も甘かったため、建築業者などが地鎮祭奉仕用に自社の職員を受講させるような事例もあったと聞いています。

田頭田頭 2013/06/09 07:44 >sherry様

お久しぶりです!
失礼ながら、一瞬どちら様だろう、と思ってしまったのですが、リンク先HPの「神道生徒」というタイトルを見て思い出しました。お元気でしたか?
札幌は、八重桜がようやくほぼ全て散ったかな、という感じです。

海外からの神道学科への留学生はなかなかいないのですね。
やはり理想と現実は違いますからねぇ…。

くまくま野郎くまくま野郎 2013/09/25 08:11 こちらの記事にもコメント…
以前、ある地方都市の神社に詣でた際、
宮司さんとその奥さんと話をする機会がありまして。
宮司さん、昨今のスピリチュアルブームだの、
パワースポットの話だのにあまり感心しておりませんでした。

田頭田頭 2013/09/28 16:25 >くまくま野郎様

スピリチュアルブームとかパワースポットブームとか、そういったものを全面的に受け入れ、手放しで喜んでいるという神社は、やはり少ないと思います。
パワースポット巡りをしている参拝者は、その神社の境内にある、パワースポットとされる木とか岩とか池とかをお参りしても、肝心の本殿の神様にはお参りせずに帰ってしまう、といった話しもよく聞きますから、神社としてはそういったブームには全面的には賛意は示せないでしょうね。

とはいえ、理由はどうあれ人々が癒しを求めて神社に来てくれるのは有り難い事であり、そのへんの対応が少し難しいところではあります。
ただ、ブームはあくまでもブームであり、所詮一過性のものに過ぎず、いずれは終わるものですから、ブームが去った後どうするか、という事も各神社としては当然考えている事と思います。

儺追人儺追人 2015/07/21 11:49 記事を拝見しました。
「神主のblog」でググると今でもかなり上に出てくる記事ですが、相当以前の内容への感想となり失礼します。

ハンドルネーム通り 愛知県生まれなので、国府宮儺追神事は毎年出場してます。
僕は祭礼行事参加好きですが、たった1日 僕達裸男は裸にならない観客に「なおいぎれ」を渡し 神男は僕達裸男(と観客)の厄を背負うだけでも あれほど命がけでつとめてます。

神職になれば 「おつとめのカタチは違っても」基本的にはそれが一生。「玉せせり」など比較的荒っぽい祭の出場が好きな僕でも、そんな覚悟はできません。
今後も それとは異なる立場だけど カラダを鍛えて 国府宮含め神社とその祭礼を守り伝えていきたいです。

田頭田頭 2015/07/22 15:50 >儺追人様

丁寧な自己紹介、ありがとうございます。
神社の祭礼行事に一生懸命御奉仕されている様子が、熱く伝わってきました!

simasima 2015/12/29 20:49 現在中学生女子です。非社家であり、つてやコネなどもなく、更には現在通っている学校が基本的に成績だけを重視するので、女性神職になるという夢があっても心が折れそうになりましたが、西野神社様のブログを読んで、今まで見えていなかったことも見えてきました。前よりむしろ神職を目指したいという気持ちが大きくなり、めげずに頑張りたいと思います。
…ひとまず、記紀など書物の内容を含めた歴史の勉強ですかね(^^;

田頭田頭 2016/02/05 23:23 >sima様

コメントありがとうございます。レスが遅くて申し訳ありません。
この記事では、神職を志す方々に対してちょっと辛辣な言い方をしているのですが、しかしそれを読んで「自分には無理かも…」と凹むどころか、前よりむしろ神職を目指したいという気持ちが大きくなった、との事ですから、その前向きな気持ちを忘れずに、是非頑張って戴きたいです!