Hatena::ブログ(Diary)

西野神社 社務日誌

2015-11-16 西野神社で2時間、神道についての講義をしました

公益財団法人札幌市生涯学習振興財団により「さっぽろ市民カレッジ」として年間300以上開催されている各種講座のひとつとして、今月7日(土曜日)と、翌週・14日(土曜日)の2回に亘って、「憧れの御朱印デビュー♪ 〜これであなたも神社ガール!?〜」というタイトルの、神道・神社に関する基礎講座が開かれました。
1回目の講座は、今月7日付の記事で詳述したように、西区宮の沢にある「札幌市生涯学習総合センター ちえりあ」という公共施設内にある教室で開講されましたが、2回目にして最終回となる今回の講座は、当社にて開講されました。

今日の記事では、一昨日(14日)の午前10時から2時間に亘って当社にて行われた、その2回目の講座の内容(あくまでも講師である私からの視点ですが)を詳しく紹介致します。
以下の写真はいずれも、一昨日のその講座で撮影されたもので、2回目の講座はこのような感じで進行させて頂きました。

講座「憧れの御朱印デビュー♪ 〜これであなたも神社ガール!?〜」(

講座「憧れの御朱印デビュー♪ 〜これであなたも神社ガール!?〜」(

講座「憧れの御朱印デビュー♪ 〜これであなたも神社ガール!?〜」(

講座「憧れの御朱印デビュー♪ 〜これであなたも神社ガール!?〜」(


前回(7日)の講義では、前半の1時間は、スピリチュアルパワースポットに関する事や、神様とはいかなる御存在なのか、神社参拝時の心構えについて等を、そして後半の1時間は、古事記(上巻)で語られている神話の内容について、主にお話しさせて頂きましたが、今回の2回目の講座は、具体的には、以下の内容で進めさせて頂きました。

【1】 当社の参集殿にて講義を開始。まず手水の作法を説明。
当社の手水舎で私が撮影した動画(「ちえりあ」からお借りしたプロジェクターを使って参集殿で上映)を見て貰ってから、実際に柄杓を使いながらその作法を説明しました。

【2】 拝礼作法の説明。
当社の拝殿向拝で撮影した二拝二拍手一拝の動画や、拝殿内で撮影した玉串拝礼の動画等を見て貰ってから、実際に私が実演してその作法を説明しました。また、一部の神社で一社の故実として採られている、二拝二拍手一拝以外の拝礼作法についても、実演して紹介しました。

【3】 参集殿から外に出て貰い、境内を案内。
創祀百二十年記念碑授与所の前を通って一旦境外に出てから、全員で改めて鳥居をくぐって境内に入って貰いました。鳥居、社号標、狛犬などについても、現物の前で解説しました。

【4】 神輿殿(みこしでん)を案内。
神輿殿に奉安されている3基の御神輿を実際に見て貰い、それらの御神輿や、当社の神輿殿について解説しました。

【5】 手水舎手水の作法を行って貰ってから、拝殿前にて全員で拝礼。
私が先導者となって、全員揃って二拝二拍手一拝の作法にて拝礼を行いました。

【6】 正式参拝。
全員に拝殿内に昇殿して貰い、正式参拝(修祓、玉串拝礼)をして戴きました。時間の都合上、玉串拝礼は受講生の一人に代表して行って貰い、他の受講生は、その代表の方に合わせてその場で列拝して貰いました。

【7】 正式参拝の後、拝殿内を案内・解説。
本殿・幣殿・拝殿の違い、当社の社殿内に装飾されている各木彫(本殿外陣御扉両横の随神本殿外陣御扉上の牡丹と獅子拝殿梁の十二支由緒彫刻額など)について、威儀物や調度品の一部(四神旛神楽鈴など)について等、解説しました。

【8】 再び参集殿に戻り、座学の講義を再開。
西野神社の歴史や、その他の札幌市内一部神社の歴史を紹介しました。

【9】 御朱印について説明。
御朱印の歴史等を説明した上で、西野神社の御朱印プロジェクターで表示し、その御朱印について詳しく解説しました。また、北海道神社庁札幌支部管内神社のうち34社、道外の神社41社の御朱印についても、解説しました。

【10】 神様の数について説明。
前回(7日)の講義後に受講生の皆さん方が書いて下さったアンケートの「質問」の項に、「日本の神様は何神いるのですか?」という質問があったので、その質問(何柱いらっしゃるのか)に答える形で説明しました。
日本の神様は、天体・自然・動物などが神格化したもの、山・岩・川といった地形に宿る神性をお祀りしたもの、農耕・学問・商売・航海といった文化的な活動の守護神としてお祀りされるもの、英雄や非業の死を遂げた者など、神様としての性質は多岐に亘っており、一言でまとめると「日本という風土に潜む霊性を神格化した存在」であり、そもそも具体的に数えられるものではない事を説明した上で、補足として、古事記に登場する神様の具体的な総数や、靖國神社護国神社でお祀りされている御祭神の数などについても説明しました。

【11】 記紀以外の神話に登場する神様についても説明。
前項の説明(古事記に登場する神様)に関連して、著名な神社(旧官幣大社など)の御祭神の中には、記紀には登場せず風土記にのみ登場する神様もいらっしゃるため、その具体的な実例と関連する神話を紹介しました。

【12】 神道と仏教がお互いに与えた影響について。
神像や仏像、本殿の御扉が原則として常に閉められている事、数十年に一度だけ御開帳される秘仏などを例にとりながら、神道が仏教に与えた影響や、仏教が神道に与えて影響について説明しました。

【13】 神社建築について説明。
社殿の建築様式は大別すると、平入り系と妻入り系に分かれ、メインは平入り系で、その中でも、全国の神社の半数以上は流れ造りで、その次に多いのは神明造りである事などを、イラストを用いて説明しました。また、「石狩管内神社ガイドマップ」という冊子を用いて、その写真を見て貰いながら、道内の神社は神明造りが多い事なども紹介しました。千木と鰹木などについても説明しました。

【14】 旧社格について説明。
昭和39年、札幌神社が明治天皇の御増祀と共に北海道神宮へと社名が変更された事例を紹介しながら、「神社」と「神宮」の違いを説明しました。また、明治期から終戦まで定められていた近代の社格制度について(官社と諸社の違い、西野神社の旧社格である村社についてなど)も解説しました。

【15】 神使について説明。
よく知られている、稲荷神社は狐、天満宮は牛、といった事例以外にも、多数の組み合わせがある事を具体例を紹介しながら説明しました。

【16】 稲荷信仰について説明。
前項(神使の説明)に関連して、世間では「お稲荷様という神様はキツネである」と誤解している人が多い事を指摘し、その上で、稲荷大神(伏見稲荷)や、仏教系稲荷(豊川稲荷)についての概要を説明しました。

【17】 前回の講義後に受講生の皆さん方が書いて下さったアンケートの「質問」の項に、「神社でのお葬式の場合、お骨はどうするのですか」という質問があったので、その質問に答える形で、宗教により異なる埋葬(火葬・土葬)について、神葬祭では一般に五十日祭の前後に納骨を行う事が多い実態などを説明しました。


前回の講座は、最後は時間が足りなくなってしまい、後半の神話の内容説明では、本当は神武天皇御即位までお話ししたかったのですが、実際には出雲の国譲りまでしかお話しが出来ず、「せめてあと15分は欲しかったなぁ!」と思ったのでしたが、今回はその時以上に全く時間が足りず、私が話したかった事を一通り話すためには「少なくともあと1時間は必要だったかも!」という感じでした。
各2時間の講座だったため、私としては、時間が余る事の無いようそれぞれ2時間分の講義の内容を事前に準備したつもりでいたのですが、実際には、今回については3時間強くらいの内容を用意してしまっていたという事で、つまり、講師として時間の配分設定にミスがあったという事で、結果的に講義の後半以降はかなり駆け足となり、最後は“尻切れトンボ”で終わってしまった感は拒めず、これは私のとって大いに反省すべき点でした…。
ちなみに、今回の講座で話し切れなかった内容(当初は話す予定だった事)は、以下の事です。

日本で神社の社殿が創建された由来。仏教(寺院)との比較から、こういった事も説明したいなと思っていました。
一般的な神社でよく見られる、境内の主要な社殿・施設等について。これを説明するための資料(境内のイラスト)を、講座開始時に皆さん方に配布していたのですが、結局その資料は使えませんでした。
古事記や、日本書紀の本伝には登場しないものの、日本書紀の「一書」にのみ登場する神様の具体例について。
大明神」や「大権現」などの称号について。
氏神・産土神・鎮守神や、氏神神社・崇敬神社の違いについて。これは神道を学ぶ上ではかなり基本的な事なので、今回これを具体的に説明出来なかったのは、私としては少々心残りです。
おふだやお守りについて。参拝者からよく訊かれる「お守りっていつまで持っていればいいんですか?」「違う神社のお守りを同時に持つと、そのお守りの神様同士がケンカするって本当ですか?」等の質問についても、その回答を提示したいなと思っていました。
破魔矢や絵馬について。それに関連して、弓・矢などを用いた神事(鳴弦の儀、蟇目の神事など)についても説明したいなと思っていました。
神社本庁について。本庁の組織や仕組みについてではなく、「GHQによる神道指令」と「神社国有地払い下げ」という二つの出来事を中心に、全国の神社が団結して本庁が設立されるに至った経緯を説明したいなと思っていました。
教派神道について。神社神道と教派神道の、共通点と相違点なども説明したいと思っていました。
お賽銭について。
参拝の際に鳴らす鈴の意味について。
金品をお供えする時の表書きの書き方について。
占いやおみくじについて。
厄祓いと厄年について。
神道の他界観について。これは、今回の2回の講座では全く触れられませんでしたが、本当は、仏教やキリスト教の他界観と比較しながら、時間をかけてじっくりと説明したかったです。
伊勢の神宮について。神宮御鎮座の由緒伊勢の神宮と全国の神社の関係、お参りする順序(必ず外宮から参拝しなければならないというような事は無いという事)についてなども説明したかったです。
皇室と神社の関係について。皇室祭祀や宮中三殿、三種の神器についてなども説明したかったです。


初めて講師として臨んだ、この度の全2回の講座を終えて、改めて振り返ってみると、当然の事ながら自分としてはいくつも反省すべき点や改善すべき点はあるのですが、2回目の講座終了時に受講生の皆さん方が書いて下さったアンケートを読む限りでは、幸いにして私やこの講座に対しての罵詈雑言は無かったので(笑)、正直な所とりあえずはホッとしております。
ちなみに、アンケートには、「やっと面白くなってきたところで終了は残念」「同じ講座をもう一度お願いします」「もう少し回数があったほうが良かった」「しっかり学ぶには2回では足りない」等の御意見が書かれていたので、講義の後半以降が駆け足となってしまった事や、時間が足りなくて最後は中途半端な感じで終わってしまった事は、やはり受講生の皆さん方も感じておられたようです。申し訳ありませんでした…。

各2時間を2回、計4時間という長時間の講座で講師を務めるのは私にとって初めての経験で、やはり若干の緊張はしましたが、その割には意外に私自身も講義を楽しむ事が出来(講義の時間配分は失敗しましたが…)、とても良い経験になりました。
機会があれば、また同種の講座で講師をやってみたいです。


なお、この度の講座の様子を写した写真は、「西野神社アルバム」の平成27年11月「札幌市生涯学習振興財団主催講座「憧れの御朱印デビュー♪」(第2回)」のページ(以下のURL)にも掲載させて頂きましたので、宜しければこちらも是非御覧下さい。

http://f.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/271114%20%E6%9C%B1%E5%8D%B0%E7%AD%89%E8%AC%9B%E5%BA%A7/?sort=old


受講生の方々が、この講座についての記事やツイートをアップしておられるので、最後にそれらの投稿も、以下に紹介させて頂きます。受講生の皆様方も、大変お疲れ様でした!

▼ 1回目(7日)の講座について
http://ameblo.jp/f1017mayu/entry-12092904821.html
https://twitter.com/t_minato_04/status/662793086594973696
https://twitter.com/t_minato_04/status/662834135782719488

▼ 2回目(14日)の講座について
http://ameblo.jp/f1017mayu/entry-12095715073.html
https://twitter.com/t_minato_04/status/665392183214669824
https://twitter.com/t_minato_04/status/665394819439661056
https://twitter.com/t_minato_04/status/665395214513754113
https://twitter.com/f1017mayu/status/666578160230666240


(田頭)

人気blogランキングへ