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西野神社 社務日誌

2015-12-28 西野神社の鏡餅

今日は、拝殿社務所を連絡する渡り廊下の棚(屋内手水すぐ横の棚)にお供えする鏡餅を飾り付けました。下の写真がその鏡餅です。

鏡餅

鏡餅とは、よく知られているように、丸くて平たい大小2つのお餅を重ねてお正月の飾り付けを施したもので、大晦日の夜に恵方(吉方)より各家庭を訪れてその家に一年間の健康幸福を授けて下さると云われている歳神様(としがみさま)にお供えするために飾ります。
また、お餅は長く伸びて切れない事から、長寿を願う意味も含まれていると云われています。ちなみに、昔の銅鏡のような丸い形をしている事が、その名前(鏡餅)の由来です。

鏡餅を飾り付ける場合、一般には、三方の上に白もしくは赤色あるいは紅白の紙を敷いて、月(陰)と日(陽)を表しているとも云われている二重ねのお餅をお供えします。その際には、以下のものなども一緒に飾り付けます。

【扇】 風を起こして涼を取るための道具である事から、邪気を祓い、福を呼び込む縁起物とされています。また、扇の形は、先に行くにしたがって広がっていく「末広がり」のため、次第に栄えていく事にも通じ、子孫繁栄や商売繁盛などを願って正月飾りだけではなくお祝いの席などでもよく用いられます。

【橙】 ダイダイといい、実が熟しても枝から落ち難く、また、ダイダイという語呂が子孫が絶える事なく「代々」繁栄していく事に通じる事から、古来より縁起が良いとされています。他の柑橘類ミカンなど)での代用も可能です。

【稲穂】 稲穂は豊作の印であり、収穫への感謝と五穀豊穣への願いを込めて飾ります。その土地の特産物を飾っても良いとされています。なお、今日飾り付けた鏡餅では、先月23日付の記事で紹介させて頂いた、当社の松澤権禰宜が当別町にある500坪程の水田で自作した稲穂の一部を使いました。

【譲葉】 ユズリ葉といい、秋になると広葉樹の多くは枯れますが、譲葉は新しい葉が成長した後で古い葉が落ちるので、生命の永続性や、子が親より先立たない事などの象徴とされ、一家繁繁栄の縁起物として使用されます。

【裏白】 ウラジロという、常緑のシタ植物で、古い葉と共に新しい葉が次第に裏になって伸びていく事から、久しく栄える縁起を担ぐものとされています。その名の通り葉の裏が白い事から、夫婦が共に白髪まで生きる事や、後ろ暗い事がないように生きる事などの象徴ともされます。「心、明白にして、うしろ暗きなき事を寿ぐ」とも云われています。

【昆布】 奈良時代以前から朝廷に献上されていたと伝わる縁起物で、コンブという語呂は「喜ぶ」に通じる事から古来より縁起が良いとされてきました。「養老昆布」と書いて「よろこぶ」と読ませる事もあります。


ウラジロ
▲ 鏡餅に使う裏白(ウラジロ)

ユズリ葉
▲ 鏡餅に使う譲葉(ユズリ葉)

鏡餅
▲ これより鏡餅を飾り付けます
(但しこの写真を撮った直後に、紙垂は金色のものから紅白のものに変更しました)

鏡餅
▲ 来年の鏡餅が完成しました


鏡餅には歳神様の神霊が宿るため、元旦にお迎えした歳神様がお還りになった後(地域によっても異なりますが、一般的には、歳神様は1月7日まで各家庭にいらっしゃるとされています)、鏡餅を下げて家族皆で食べると、新たな生命力を神様から戴く事になります。
ちなみに、鏡餅は、「望」に通じる事から満月の意味を表すとも、円満具足を表すとも云われ、また、皇位の象徴である三種の神器との深い関わりを指摘する方もおられます(鏡餅は三種の神器のひとつである八咫鏡を模って作られたものとも云われているそうです)。

鏡餅やお正月の注連飾り等はなるべく余裕を持って早めに飾るのが望ましく、お正月直前の12月31日に飾るのは一夜飾りと云われ、葬儀前夜の慌しい準備を連想させるので不吉とされ、歳神様を迎えるのに一夜だけの準備では誠意に欠ける等の理由からもあまり好ましくはないとされています。
また、12月29日も、9が苦しみに通じるという語呂(二重苦)から、縁起を担いでその日に飾り付けをするのは避ける人が多く(29日は「苦餅=クモチ」と云って嫌がられ、餅つきを行わないとする風習も残っています)、そのため実際には、今日(12月28日)や12月30日に鏡餅や注連飾り等を飾る人が多いようです。
但し、最近は29日をフクビ(福日)と捉えて、かえって縁起が良い日と解釈する場合もあるようです。


以下の写真5枚は、いずれも私が過去に当社で飾り付けた鏡餅です。毎年常に同じというわけではなく、その時に入手出来る飾り物の内容によって、鏡餅は微妙に変化しております。

平成26年12月 西野神社の鏡餅
平成26年12月に飾り付けた鏡餅

平成25年 年末の西野神社(鏡餅)
▲ 平成25年12月に飾り付けた鏡餅

西野神社の鏡餅
▲ 平成23年12月に飾り付けた鏡餅

西野神社の鏡餅
▲ 平成19年12月に飾り付けた鏡餅

西野神社の鏡餅
▲ 平成17年12月に飾り付けた鏡餅


ところで、「そういえば、皆さん方はどういうふうに鏡餅を飾っておられるのだろう」とふと思って、先程ネットで調べてみたら、西野神社の鏡餅(数年前に私が飾り付けた鏡餅)の写真が現れて、ちょっとびっくりしました(笑)。
以下のURLがそのページで、このページに載っている鏡餅は、平成19年に私が飾り付けたものです。

http://matome.naver.jp/odai/2125895463988269727?&page=1


なお、当社では今日、鏡餅よりもさらに小さな大小2重ねのお餅に輪ジメ(輪状に結んだ注連縄に紙垂を1枚だけ付けた、簡略化された注連飾り)を付けたお餅を、祖霊殿、社務所の台所男子トイレ・女子トイレ授与所の台所とトイレ神楽殿神輿殿、拝殿と社務所との渡り廊下に設置されている手水など、計9箇所にお供えしました。

輪ジメを付けた大小2重ねのお餅

輪ジメ

輪ジメ

最近は、一般の家庭ではあまり行われなくなってきましたが、鏡餅とは別に、水周り・火回りや家の要所などの各所に小さな二重ねのお餅をお供えするというこの風習も、古来から続く日本の正月独特の伝統的な習慣の一つです。


(田頭)

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