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西野神社 社務日誌

2018-06-18 大阪府北部を震源とする地震の報に接し心よりお見舞いを申し上げます

大阪府北部を震源とする地震で被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。


丁度朝の通勤・通学の時間帯であった、本日午前7時58分頃、大阪府北部地方震源とする、暫定値マグニチュード6.1の大地震(現時点では気象庁はまだ今回の地震名を命名していません)が発生しました。
大阪市北区高槻市枚方市茨木市箕面市の大阪府内5市区で震度6弱を、京都市中京区・京都市伏見区・京都市西京区亀岡市長岡京市八幡市など京都府内6市区を含む18の市区町村で震度5強を観測した他、近畿地方を中心に、関東地方から九州地方の一部にかけての広い地域で震度6弱〜1の揺れが観測されました。

大阪府北部地方を震源とする地震の震度一覧

この地震により、大変残念な事に本日午後5時現在、倒壊した壁や挟まれたり倒壊したブロック塀に頭を打つなどして3人の方の死亡が確認されました。
また、総務省消防庁の発表によると、本日午後5時現在のこの地震による怪我人は307名に及び(内訳は、大阪府260人、兵庫県26人、京都府15人、滋賀県2人、三重県2人、奈良県2人)、避難所に避難されている方は、本日午後3時現在、最も被害が大きかった大阪府内で1,136人に及んでいます(大阪以外の府県での避難者数はまだ発表されていません)。

阪神淡路大震災東日本大震災の規模に匹敵する程の未曾有の被害が確認されていない事や、東日本大震災の時のような津波原子力事故等が発生していない事は、辛うじて“不幸中の幸い”と言えるかもしれませんが、それでも、非常に激しい揺れだった事には違いなく、先程報道番組で放送されていた現地の人達へのインタビューなどから察すると、ほぼ同じ場所(阪神地区など)で阪神淡路大震災を経験した人達の多くは、やはり、23年前の同震災の激しい揺れやそれに伴う火災などが頭を過ったようです…。

当社神職一同、天神地祇八百万の大神様達のお導きと御加護のもと、救援や支援の各種活動が迅速に進みます事を、これ以上被害が拡大する事無く被災地が一日も早く復旧されます事を、そして、犠牲となられた方々の御霊の安らかなる事を、心よりお祈り申し上げます。
また、現地もしくは後方で、今も精力的な活動をされている消防・自衛隊・警察自治体医療機関赤十字・その他関係者の皆様方には、心から敬意を表します。


総務省消防庁の発表によると、今回の地震発生を受けて、消防庁では地震が発生した同時刻(午前7時58分)、直ちに、消防庁長官を長とする消防庁災害対策本部を設置し、8時03分、震度5弱以上を観測した府県に対して適切な対応と被害報告を要請し、8時38分には京都府消防ヘリが、8時40分 大阪市消防ヘリが、情報収集のためそれぞれ出動しました。
9時25分には兵庫県大隊(航空小隊)が、10時30分には京都府大隊(航空小隊)が、最も被害の大きかった大阪府に向けそれぞれ出動し、12時00分、消防庁は京都府及び兵庫県の航空小隊を除く緊急消防援助隊の出動準備を解除しました。

大阪市消防局のヘリコプター

また、防衛省の発表によると、今回の地震発生を受けて防衛省では午前8時00分、災害対策室を設置し、8時04分には、防衛大臣から「関係府省庁及び自治体と緊密に連携し、情報収集に努めること」「被害が発生した場合に備え、万全な準備態勢を確立すること」「今後の状況の推移に的確に対応し、災害対応に万全を期すこと」等の指示が出されました。
そして、8時14分には海自第23航空隊舞鶴航空基地)のヘリコプターが1機、8時15分には空自第6航空団(小松基地)の戦闘機が2機、同時刻に海自第24航空隊小松島航空基地)のヘリコプターが1機、8時21分には陸自中部方面航空隊八尾駐屯地)の映像伝送機が1機、8時23分には同じく中部方面航空隊の映像伝送機が1機、8時35分には海自第24航空隊のヘリコプターが1機、8時37分には陸自中部方面航空隊のヘリコプターが1機、8時44分には空自小松救難隊小松基地)のヘリコプターが1機、8時46分には空自小松救難隊の飛行機が1機、8時48分には海自徳島教育航空群徳島航空基地)の飛行機が1機、それぞれ被災地に向けて離陸し、10時05分には、陸自第36普通科連隊FAST-Force(人員約30名)が駐屯地を出発し高槻市に向かいました。

12時00分には、大阪府知事より、陸自第3師団長(千僧)に対して給水支援に係る災害派遣要請があり、これを受けて13時00分、第36普通科連隊の給水部隊(人員約40名、車両約10両)が大阪府吹田市国立循環器病研究センターに向け駐屯地を出発し、到着後直ちに、当該施設に対して給水支援を実施しました。
ちなみに、下の写真は、第36普通科連隊による、一昨年の熊本地震での給水支援活動の様子です。

陸上自衛隊による被災地での給水支援活動


総務省消防庁や防衛省以外の政府関係機関の動きとしては、以下の動向が報告されています。

7時58分、法務省が災害情報連絡室を設置する(刑事施設・少年院・少年鑑別所・入国管理センターなどで若干の被害と被収容者2名の負傷を確認)。
8時00分、首相官邸に対策室が設置され、緊急参集チームが招集される。
同時刻、警察庁が災害警備本部を設置する(航空隊ヘリの情報収集)。
同時刻、海上保安庁が対策本部を設置する。
同時刻、厚生労働省が情報連絡室を設置する。
8時01分、総務省が災害対策本部を設置する。
8時03分、内閣府が災害対策室を設置する。
同時刻、安倍首相が「早急に被害状況を把握すること」「地方自治体とも緊密に連携し、政府一体となって、被災者の救命・救助等の災害応急対策に全力で取り組むこと」「国民に対し、避難や被害等に関する情報提供を適時的確に行うこと」との指示を出す。
8時05分、農林水産省が災害情報連絡室を設置する。
8時11分、環境省が災害情報連絡室を設置する。
8時15分、農林水産省が震度4以上の地区のダムや溜め池の点検を指示する(国営ダム8ヶ所と県営ダム20ヶ所は異常無し、溜め池点検対象施設454ヶ所のうち136ヶ所は異常無し・5ヶ所で被災有り・残り313ヶ所は調査中)。
8時21分、文部科学省が災害情報連絡室を設置する。
8時30分、国土交通省近畿地方整備局が国管理河川一時点検を開始する。
8時32分、官房長官が本日1回目の会見を行う。
8時57分、首相官邸安倍首相が会見を行う。
9時00分、金融庁が災害対策室を設置する。
9時10分、海上保安庁関西空港航空基地から情報収集のための飛行機が離陸。
9時30分、国土交通省が災害対策本部会議を開催する。
10時00分、気象庁が記者会見を行う。
10時45分、気象庁が対策本部会議を開催する。
同時刻、海上保安庁の美保航空基地から機動救難士2名が同乗したヘリコプターが離陸。
11時15分、官房長官が本日2回目の会見を行う。
16時07分、官房長官が本日3回目の会見を行う。
17時00分、関係省庁対策会議が開催される。

気象庁の記者会見

関係機関による上記の動向や、各メディアの報道などから察すると、新潟県中越地震、阪神淡路大震災、東日本大震災、長野県北部地震栄村大震災)、熊本地震昨年の九州豪雨など近年起こった数々の大規模災害での、様々な成功・失敗の事例や経験、教訓が適切に活かされ、関係機関による救命・救助・支援・情報収集・調査などの各活動は、今のところ大きな遅滞はなく順調に行われているようです。

平成17年1月17日の午前5時46分に阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)が発生した時は、政府や国の機関が直接被災地域の情報を収集する手段はまだ整備されておらず、また、災害対策の所管官庁とされていた国土庁にも独自の情報収集手段は無かった事もあって、政府や関係機関の初動は大変遅く、それが後日「救える命も救えなかった!」「人災だ!」などと指摘されて大きな問題となりました。
当時の村山首相は午前6時から放送されたテレビのニュース番組を見て初めて関西で大地震が発生した事を知り、国土庁から首相への初報はそれから更に1時間半も経った7時30分頃で、その初報を受けた後も村山首相は、開会が迫っていた通常国会への対応や予定通りの公務をこなし、地震発生から4時間14分も経った午前10時に、政府として初めて非常災害対策本部を設置する事を決め、自衛隊も、地震発生数分後に、崩落した阪急伊丹駅自衛隊法第八十三条三項に基づいて「近傍派遣」(災害派遣)を行った陸自の第36普通科連隊を除き、被害が甚大だった神戸市中心部への災害派遣は直ちには行われませんでした。

これらの致命的な失敗への反省から、後に制度が大きく改められ、それに加え、政府や各関係機関も阪神淡路大震災後に発生したいくつもの大規模災害で着々と経験を積んできた事から、今回の地震では、阪神淡路大震災に比べると初動の早さには雲泥の差があり、前述のように総務省消防庁や法務省は地震発生と同時刻に直ちに対策部署を設置し、首相官邸や自衛隊も地震発生の僅か2分後には対策部署を設置し、その他のほとんどの政府機関も、地震発生から30分以内には対策本部等を開設し、必要な行動を迅速に開始しています。
自衛隊も、前述のように地震が発生してから20分以内には、ヘリコプターや戦闘機などを情報収集のため現地に出動させています。航空機事情に詳しい人はよく分かると思いますが、戦闘機などの航空機が、これ程の短時間に全ての準備を整えて離陸出来るのは、かなり凄い事です。

勿論、阪神淡路大震災に比べて被害が少なかった要因は、こういった関係機関の初動の早さによるものだけではなく、同震災の後に建てられた全ての建物に於いて耐震構造が大幅に強化された事や、各家庭や個人でも予め家具を固定するなどの有効な地震対策を行っていた事、鉄道など公共交通機関でも地震発生を想定したシミュレーションや訓練を事前に行っていた事(今回の地震でも、駅に多くの人が滞留したり、車内に長時間閉じ込められるなどの混乱が発生したのは事実ですが、それでも、過去の震災や災害ではもっと大きな混乱が生じていたので、混乱は可能な限り最小限に抑えられたと思います)なども挙げられ、やはり、阪神淡路大震災での数々の失敗や失態は、国・地域・家庭・個人・会社をはじめとする社会全体で、貴重な教訓として今に活かされている事を実感します。

阪急電車からの避難


なお、この地震に於ける、被災した各自治体の動向については、以下の各アカウントから発信(ツイート)されている情報を御参照下さい。これらを見ると、政府関係機関以外の各公的機関(自治体やその首長など)も、地震発生後の行動はかなり迅速だった事が分かります。
ところで、熊本地震の発生直後、「熊本市動物園からライオンが脱走した」というデマツイートが拡散されて大きな騒ぎになりましたが(このデマの投稿者は後日、熊本市動植物園への業務妨害で逮捕されました)、今回の地震でも、地震発生直後から早速、「京阪電車が脱線」「京セラドームに亀裂」「シマウマが脱走」などといった事実無根のデマツイートが拡散されました。ネットなどで見聞きしたそういった根拠の示されていない情報や、人伝に聞いた情報などは、そのまま鵜呑みしたり安易に拡散したりせず、それが事実であるかどうか、その情報をしっかりと精査するようにしましょう。その点、以下の各公式アカウントからツイートされている情報は信用出来、参考になります。

▼ 松井一郎(大阪府知事)
https://twitter.com/gogoichiro

▼ おおさか防災ネット(大阪府)
https://twitter.com/osaka_bousai

▼ もずやん@大阪府広報担当副知事
https://twitter.com/osakaprefPR

▼ 吉村洋文(大阪市長)
https://twitter.com/hiroyoshimura

▼ 大阪市危機管理室
https://twitter.com/kikikan_osaka

▼ 倉田哲郎(箕面市長)
https://twitter.com/KurataTetsuro

▼ 京都市防災危機管理情報館
https://twitter.com/bousai_kyoto_jp


特に、大阪市の吉村市長の積極的で有意義なツイートは、ネットニュースなどでも話題になっています。以下に紹介する2本は、それらの記事です。

▼ 「大阪市長、有能すぎる」…吉村洋文大阪市長の市民に寄り添った迅速なツイートに反響
https://snjpn.net/archives/55678

▼ 大阪市長の迅速な仕事ぶりが話題 地震発生6分後からツイートで状況報告、9時過ぎには学校に休校指示
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&id=5161308


また、この地震では、近畿各地で神社仏閣の被害も相次ぎ、震度5強の揺れが観測された京都府八幡市に鎮座する石清水八幡宮西野神社に奉職する前の2年間、私が神務実習させて頂いたお宮です)では、御社殿などに大きな被害は無かったものの、現在までに「石燈籠全壊9基、石燈籠半壊2基、石燈籠擬宝珠落下32基」の被害が確認されています。

大阪府北部地震に於ける石清水八幡宮の被災状況

大阪府北部地震に於ける石清水八幡宮の被災状況

石清水八幡宮以外の神社仏閣でも少なからず被害が発生しており、京都市下京区の西本願寺(浄土真宗本願寺派本山)では、土塀の瓦が複数枚落下するなどの被害があったと報道されています。
ちなみに、平成28年5月9日付の記事でも紹介させて頂いた、かつて「摂津国一宮」とされ現在は境内に大阪府神社庁が置かれている、大阪市中央区に鎮座する坐摩神社は、Facebookでの公式アカウントから先程発信された投稿によると「幸い当社には被害がなく無事でした」との事です。


近畿各地ではこれからも暫くの間、余震は続くと見られ、しかも、最初の揺れよりも強い揺れに見舞われた熊本地震の例もあるので(発生時ほとんどの人達が本震と思っていたマグニチュード6.5の地震は実は前震で、その前震の28時間後に発生したマグニチュード7.3の地震のほうが本震でした)、被災地の方々は、今後の揺れには引き続き十分御注意下さい。
具体的には、揺れで損傷を受けている建物や、しっかり固定されていない家具の傍などから離れると共に、避難する際にも周りに倒れそうなブロック塀がないかなど、周囲の状況をよく確認するようにして下さい。

また、これは東日本大震災や熊本地震の際にも消防機関から重ねてアナウンスされていた事ですが、停電している自宅を離れる時は、必ずブレーカーを落として下さい。そして、給電が再開されたら、電気機器やコードが損傷していないか、燃えやすいものが近くにないか、十分に確認してからブレーカーを戻して下さい。停電の後は、タイマーにより、電気が戻った直後ではなく暫くしてから電気機器が作動する場合があり、普段設定しているのとは違う時刻に作動し始める事もあります。
正確な予知がほぼ不可能な「地震」とは違い、「地震後の火災」は、予めブレーカーを落とすなどの措置をする事により“防ぐ事が可能な災害”です。


(田頭)

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