野柳地質公園(2015初夏台湾 其ノ二十三)


基隆に近い野柳地区には細長い岬の地形の地質公園があり、カッパドキアを思わせる奇岩群の風景が見られる。カッパドキアアナトリア高原の火山でできた大地であるのに対し、こちらは一千万年におよぶ地殻運動、海蝕、風蝕の影響を受けた海岸景観で、自然が彫った石の芸術!と呼ぶにふさわしい。
多いのはキノコ状の岩で、岩層の割れ目が海水の浸蝕を受けて、長い時間をかけて流れ出していき、砂岩の中の硬い部分だけが次第に露出していったもので、さらに日射、雨、波浪、強い季節風などの影響でさまざまな形のキノコ岩となった。
全長千七百メートルの岬を散策しながら、海を眺め、大自然の石彫芸術をたのしめるのだからまさに絶好の観光スポットだ。ことしになってポルトガルのロカ岬、房総の犬吠埼、そしてこの岬と、思いもよらなかった岬めぐりをたのしんでいる。