ROLAND KIRK 『DOMINO』 2006/11/30

カークの作品で最も有名なのがこの『DOMINO』でしょう。人間の持つ喜怒哀楽の全てが詰まったそのプレイには心を動かされずにいられません。衒いも誤魔化しもない、何者にも屈せず自らの表現を追及するその姿は、まさにミュージシャンの鏡。ときにユーモラスに、ときにメロディアスに、ときにハードに、感情の赴くまま、しかし驚くほど緻密なソロの連続。全てのフレーズが自然、全てのフレーズが必然。例えどんな状態にあっても、いつでも、このアルバムだけは私の心に深く染み入ります。10曲目までがオリジナル盤に収録されていたもので、6曲目までがアンドリュー・ヒル等、それ以降がウイントン・ケリー、ロイ・ヘインズ等との共演。あまり取り上げられませんが「A STRITCH IN TIME」でのヒルのソロなどにもぜひ注目してみてください。