MIYA 『MUSIC FOR SEVEN DAYS』 2008/2/29

水谷浩章(b)の「Phonolite」などで活躍し、山下洋輔(p)ら錚々たる先輩ミュージシャン達から絶賛を集めるフルート奏者MIYA、待望のセカンド・アルバムです。前作に続きプロデューサーを務める水谷氏に加え、外山明(ds)、今堀恒雄(gt)というティポグラフィカな面々、更には山下洋輔と、脇を固めるのは超・超・豪華メンバー! 今作はグッと硬派かつ内省的な作風となっていて、厳かな(しかし柔らかく暖かい)雰囲気の中、いちインプロヴァイザーとしての自分を曝け出し、音楽に真っ向から対峙するかような真摯な姿勢を感じさせます。(生音でも十二分に素晴らしい)音色の艶やかさや力強さを決して過剰に強調したりはしない、録音やミキシングの面にも強いこだわりを感じさせます。「物語」を意識させる優美な楽曲群、こけおどし的要素とは無縁の深く濃密なインタープレイ。中でも主役のMIYAによるフルートの音は、「聴き惚れる」という表現がこれほど似合ってしまうものも珍しいのでは、と思うほど。一聴して決して派手ではありませんが、どうか真剣に聴いてみていただきたい。裸の力量が厳しく問われてしまう空間の中、こんなものを創り上げてしまうこの人たちは、すごい。