ちいおりの茅刈り&葺き替え

nobriny2008-12-10


訪れる8割が海外からというちいおり、ここは日本人にとっても他ではできない貴重な体験ができます。

風邪が治ったので、今回ようやく茅の葺き替えの手伝いにいきました。ゴールデンウィークに味わった体験とは違って、いろいろな意味で刺激的でした。

●茅刈りをしながら関係者から話を聞き、運良く取材に居合わせたこともあり、祖谷という地域の移り変わり、茅刈りに関わる状況や関わる人たちの思いがようやくわかりました。

茅刈りを中心になって進めている地元の方々には、自分が過疎化の加害者であると気づき、Uターンしてきた方や、1780年に作られた茅葺き&トタンの家にお住まいの集落の会長さんなどが、ちいおりに集まる若い人たちと一緒に活動しています。

『茅を買うこともできるけど、なるべく自分達の手で刈りたい(例え中国からの安い茅があったとしても)』、『昔の風景や人との関係性を自分達が残したい』という思いがあり、地元の茅の刈り手や茅葺き職人の減少、茅場の減少、予算などの課題の中少しずつ進めています。

●生活インフラのありがたさをしみじみ。

12月にちいおりで泊まる寒さはそれなりに覚悟していたけど…初めての体験でした。ダウンジャケットを二枚重ね着して布団に入ってもブルッとする寒さ?日常の排除し、時を感じさせる美しさを出すちいおりの空間は冬の生活には厳しい。

水道管が凍ってチョロチョロしか水が出なかったけど、お湯が水道管から出ない時代は大変だっただろうな。

生きるために必要なものが整っている環境にいられることに感謝。

●ものづくりに熱い人たち

今回ちいおりでは、堺市で鍛冶屋(blacksmith)をしているアメリカ人や木工づくり屋たちと、地味ながら、ものを作りだす熱い話が。

ちなみに茅刈りについて書いておくと、10-12月頃と4月頃の2回に分けて枯れ具合の違う茅を刈り込みます。秋冬の茅刈りはそろそろ終わりだと思うので、もし興味ある人がいたら、春にどうぞ(冬はなかなか厳しい)。

ススキ=茅は、背丈ほど長さがあって茎が硬いので、茅刈りは稲刈りハードな気がします、男性向けかな。
刈った茅は束ねて、コエグロというピラミッドのようなものをつくり、乾燥させます。今度の葺き替えのときに、自分が刈った茅が一部入っていると思うと嬉しい。茅は屋根の他、肥料にも使うとのこと、捨てるものはなかったんですね。