フジロックとスポンサーの圧力 制服向上委員会

フジロックフェスに制服向上委員会が出演すると、制服向上委員会がライヴの観客に告げたのが13日、
フジロックの出演者発表が14日。なのに、そこに制服向上委員会の名前はなかった。


ここから、ネットやツイッターでは、フジロックへの出演依頼があったのはうそだろうみたいな書き込みがたくさんあるが、
事実は逆だろう。13日に言ったというのは、翌14日に正式発表があることをひかえてのつもりだったはずだ。


それがなかった。どうして?


私は、制服向上委員会を名指しで、あるスポンサー会社がクレームつけてきて、主催者がこまり、弱気になって発表するリストから
制服向上委員会を除外したのだと思う。

フジロックフェスは、スポンサーとの関係をうまく、ある意味でごまかしてやってきていたのだが、制服向上委員会に対しては
それができなかったということではないか。そして、その結果ひよった。

原発派のミュージシャンは多いが、彼ら、彼女らは大物であるし、原発に反対を歌う歌があるにしても、それはたくさんの歌の中の一つである。
題名に「反原発」とか「脱原発」とかはっきりと明記された曲をシングルでリリースするということもないと思う。
また、脱原発とか、反原発とかいわず、クリーンエネルギーとかエネルギーシフトとかいう、言葉で、いいのがれできるようにしてる。


音楽に興味があるのではなく、ビジネスや広告に主な興味のあるスポンサーは、出演ミュージシャンの詳しいことなどわからないからおまかせにするしかない。


だが、制服向上委員会は違う。その名前でググると、「ダッ!ダッ!脱原発の歌」がまっさきに出てくる。ロックや音楽に無知なスポンサーも
脱原発を歌うグループだということはすぐわかってしまう。主張もはっきり書いてある。
その上、扱いに注意しなければ、ならない大物ミュージシャンでもない。AKBとかももクロとかだったら、有名プロダクションだし、
遠慮したかもしれない。だが、制服向上委員会は、インディーズだ。小物だ、出演させないでも問題おきるまい、マスコミもとりあげまい、とたかをくくったのだと思う。
こんなところ出なくなっても、誰もとりあげるまい。


日本のお上の規制方針は、昔から、全部きっちり禁止というのではなく、一人だけ見せしめ的に禁止したりつかまえたりして、度をこすとこうなるからね
という脅しをかけるパターンなのだ。主催者に、たがを一応はめるのにはちょうどいい、ということだ。


そして、フジロックの主催者は、それに抵抗しきれず、まず、出演者リストからはずした。


そんな圧力は認められない、スポンサーからおりるというならおりてもいい。ただし、そのことはきちんと発表させてもらいます。
今の状況でそんなことしたら、会社、評判悪くなりますよ、
ぐらいの強気で、きちんとやれば、男を上げただろうに。


これが加藤さんとかの著名ミュージシャンへの拒否だったら、もしかしたら、フジロックもがんばったのかもしれない。
弱小アイドルグループとあなどって、差別心が出たのではないか。


お金を援助してもらうやり方にずっぷり漬かって、抵抗能力を失っていたのだ。原発や基地のある町にも似たような日本にありがちな形だ。


フジロックは気持ち反原発支持だったかもしれないが、実際には、それを貫けなかったのだ。
結局、なんとかカフェとかも微温的なものにならざるを得ないだろう。


弱小アイドルと侮るな、ということだ。


フジロックフェスは事情をはっきりさせるさせるべきだ



追記 22日になって
 制服向上委員会からの正式謝罪というのがあって、制服側へのインタビュー記事もあった。
 ちゃんと読んでみればわかるが、「飛び入り参加」という表現になっているとはいえ、「参加が決定しながら中止になったのは事実である」という主張そのものは変えていない。「決まってなかった」とは言われておらず、「実現にいたらなかった」とある。フジロック側と謝罪内容について調整した上で発表と言っているので、手打ち、ということだろう。フジロック側での説明はないし、圧力の真相は語られないことになりそうだ。残念だが、湯川さんのいうように、「わからない」ことになる。

http://exdroid.jp/d/17812/
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