鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <30>

 

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <30>
2011年4月24日「復活祭」
 


昨日、書ききれなかったので、追加しておく。サン・ジョルディのお祭りということで、グラシア通りに出かけ、その賑わい振りを見てきたのであるが、地下鉄サグラダ・ファミリア駅を降りて地上に出ると、教会の「聖誕の門」側には大勢の人が見物していた。教会の見学ではなく、イベントの見学である。この日、12時から東北関東大震災追悼式が行われたのである。先日も日本領事館主催で大震災発生一ヶ月追悼式が行われて列席したが、今回はどのような主旨であるのか分からない。カタローニャ警察が警備するほどなので、要人が何人か列席したようである。日本でも報道されたサグラダ・ファミリア放火事件があったばかりなので、警備もものものしく行われている。追悼式には日本の関係者も列席しているようである。この追悼式を見ようと大勢の人が集まっていたのである。我々もこのイベントを見るつもりでいたが、サン・ジョルディのお祭りに比重を置き、もし間にあったら見物しようということにしたのである。しかし、我々が来た時には終わっており、後片付けをしているところだったのであった。
 さて、今日はイースター。日本の私たちが関わった教会の皆さんに、「イースターおめでとうございます」とご挨拶を申し上げる。バルセロナは日本の7時間遅れだから、既にイースター礼拝・祝会は終わっている。大塚平安教会は新しく菊池丈博牧師を迎えて、初めてのイースターであり、今年もポトラックの祝会をしたのかな。横浜本牧教会は婦人会が作る楽しいお弁当を、新しく迎えた森田裕明牧師と共にいただいたのかな。横須賀上町教会はどのようにイースターをお祝いしたのかな。いろいろな思いを持ちながらこの日を迎えた。昨年は横浜本牧教会の代務者になって、最初の礼拝がイースター礼拝であり、礼拝が終わるとイースターのお祝いであり、合わせて代務者就任歓迎会であり、なんとなく落ち着かない復活祭であったと思う。さらに祝会・歓迎会が終わると墓前礼拝に出かけたのであった。大塚平安教会のイースター礼拝は、早いもので、もはや一昨年になるのである。イースターを迎えたそれぞれの教会に主の祝福があるようにお祈りをする。
イースターはお祝いの卵が楽しみであった。子どもの教会の担当者の皆さんが製作してくれるのであるが、イースター礼拝では聖壇に飾り、礼拝が終わると皆さんにプレゼントするのである。祝会後に牧師夫婦が、礼拝に出席できない皆さんを訪問し、お祝いの卵を配ることも勤めであった。しかし、最近はお訪ねする人が少なくなってしまった。召天された方が多くなったからである。バルセロナでは卵を贈り合うという習慣は無い。むしろチョコレートで卵や動物の形を作り、イースター礼拝まで飾っておき、終わると食べるということである。



店に飾られているチョコレートの鶏とイースターエッグ


パリにあるノートルダム教会に飾られている復活の彫像
日本語でも説明している



 バルセロナの教会も、もちろんイースターである。羊子が出席し、奏楽奉仕をしているカトリック教会に出席する予定を持っていた。しかし、スミさんウィルス性の風邪になり、体調がまだよくならず、行かないことにした。どのように復活祭のミサを行うかの見学したかったのである。羊子が教会から帰って報告するところによると、特別な行事を行うのではなく、ミサとしてささげることだけであるという。お祝いの会もなく、羊子は礼拝が終わるとすぐに帰ってきた。受難週は次々に聖書に順ずるミサを行うが、復活祭はそれに比べるとあまり無い。
 


羊子の部屋で、イースター家族礼拝


今日は我が家だけでイースター礼拝をささげた。バルセロナ日本語で聖書を読む会は月に一度であり、先週この家で開催したばかりである。スミさん、羊子、星子、私、そして同居のRMさんと5人で、六浦谷間の集会で行う礼拝順序のようにして礼拝をささげたのであった。礼拝にあたり、いろいろと準備したりしているうちに遅くなり、始めたのは午後8時を過ぎていた。その時間はまだ明るいのである。奏楽は羊子、説教は私、聖書朗読は星子とRMさん、感謝祈祷はスミさんがそれぞれ担当し、終わる頃は外は暗くなっていた。その頃は、窓の外はサグラダ・ファミリアがライトアップされて見え、こちら側は受難の門なので、イースターの意義を力強く示された思いである。
 今まで経験したことの無いイースター礼拝であり、恵みが深まったと思っている。



ライトアップのサグラダ・ファミリア
遠くに見える青い水道局の建物