鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<329>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<329>
2015年4月22日「楽しく乗って」


聖書の言葉
主はミディアンでモーセに語った。「さあ、エジプトに帰るが良い、あなたの命をねらっていた者は皆、死んでしまった」。モーセは、妻子をろばに乗せ、手には神の杖を携えて、エジプトの国を指して帰って行った。
出エジプト記4章19-20節)


 2020年には東京オリンピックが開催される。もし、それまで生き延びているなら、東京オリンピックを二回も経験することになる。前回は1964年に開催された。その年は神学校に入学して二年目を迎えている。24歳の頃である。オリンピックはその年の10月10日から24日までの開催であった。要するに1964年10月は神学生として二年生であったということである。神学校は、夏休み後は9月に始まり、前記試験が終わり、後期の授業が始まった頃である。一生懸命学んでいる頃であり、オリンピック観戦なんてできなかったのである。オリンピックを二回も経験すると言いながら、一度も観戦しない経験なのである。もっとも世界中の注目を浴びているオリンピックであり、テレビや新聞でも当然報道されていたので、それらによって日本人の金メダルの取得状況を知るのであった。2020年まで、もし生きながらえていたら、一つくらいの競技は観戦しようかと思っている。80歳にもなっているのであるが…。
 オリンピック開催に向けて、施設整備、インフラ整備が急ピッチで進められているが、少し興味を示されたのは、自転車道の整備であった。東京は交通渋滞が激しいので、自転車で東京を楽しんでもらうことが計画されている。そのために自転車専用道路を確保すると報道していた。大きな都市では貸自転車が置かれている。登録しておけば、自由に乗ることができ、何処でも場所が異なっても所定の場所に返しておけば良いのである。この制度が利用されれば、東京をのんびりと観光することができるのである。しかし、この制度は、日本ではあまり成功しているとは言えないようだ。自転車を返さなかったり、所定の場所ではないところに放置したり、何よりも自転車道があまり整備されていないのである。都心の道路では自転車道を設置しているが、多くの場合、自転車は歩行者道と同じなのである。だから歩行者は注意してないと、自転車事故にまきこまれる場合もある。自転車を乗る人は、前に人が歩いていても、あまりチンチンを鳴らさない。すり抜けるようにして前に進むので、危なくぶつけられそうになったこともある。これも自転車道と歩行者道が一緒だからである。今、自転車の加害事故で大変な賠償金を請求されている事例もある。自転車道の未整備も原因していると考えなければならないのである。地方都市では自転車道などは贅沢な話になるが、少なくとも都心には、どこの道路も自転車専用道を設置すべきだと思っている。
 スペイン・バルセロナには、もう三回も滞在している。昨年も10月21日から今年の1月8日まで二ヶ月半滞在している。娘の羊子がピアノの演奏活動をしているからである。そのバルセロナサグラダ・ファミリアを始めとする観光名所の街である。それらの観光名所をタクシーで周っても良いのであるが、自転車で巡るのが一番良い。しかし、バルセロナは山側から海側に向けての傾斜になっているので、場所によって自転車は周りにくい面もある。グエル公園サン・パウ病院の観光地である。自転車で観光地を回れるので、バルセロナ市街地は自転車道が整備されている。自転車道が車道に設置されている場合と、歩行者道に設置されている場合がある。自転車道の色も茶色にしているところもあるので、自転車道であることは分かるのである。しかし、同じ歩行者道に設置されている場合、ついうっかりして自転車道を歩いている。後ろから喚き声が迫って来る。自転車に乗っている人が警告していのである。この場合は歩行者の落ち度である。しかし、交差点で信号待ちをしていると、自転車が突っ込んでくる場合がある。バルセロナの人とは断定しないが、歩行者でも自転車に乗る人でも、信号無視が当たり前なのである。信号が赤でも車が来なければ渡る人が多い。信号が青になったので渡ろうとすると、自転車が突っ込んでくる場合がある。車は信号を厳守しているが。
 2011年にもバルセロナに滞在したが、その時は連れ合いのスミさんと二番目の娘・星子も一緒であった。その星子と共に公認ガイドの山田さんに案内されて旧市街に行く。しかし、星子がウィルス性の風邪になり、急遽、羊子に迎えに来てもらったのである。その時は、羊子はまだ車を所有してなかったので、貸自転車でサグラダ・ファミリアの前にあるマンションの自宅から旧市街に駆け付けたのである。タクシーであると時間がかかると言い、自転車で駆け付けたことが、今でも印象に残っている。そして、自転車は所定の場所に返し、羊子と星子はタクシーで帰っていったのである。バルセロナ自転車道が整備されているということを報告しているのである。日本でも自転車事故対策が深刻であるが、自転車道の整備こそ考えなければならないと言いたいのである。
 歩行者道の幅が2メートルあれば半分を自転車道にすべきである。歩行者道の幅が1メートルくらいしかない場合は、自転車の走行は禁止し、自転車を押して歩く。人が歩いていなければ走行しても良い。その様な決まりを作ることを提案しておく。



横須賀市追浜の運動公園近くの歩道。
半分は歩道、半分は自転車道にしている。



それにしても、日本の自転車利用は多い。



バルセロナの道路では、自転車道が設置されている。



バルセロナの貸自転車の置場。ここで借りて、他の所定の場所に返却することができる。