鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<358>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<358>
2015年8月2日「セレモニーに臨みながら」


聖書の言葉
民衆はメシアを待ち望んでいて、ヨハネについて、もしかしたら彼がメシアではないかと、皆心の中で考えていた。そこで、ヨハネは皆に向かって言った。「わたしはあなたたちに水で洗礼を授けるが、わたしよりも優れた方が来られる。わたしはその方の履物のひもを解く値打もない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。」
ルカによる福音書3章15-16節)


このところ今までの写真を整理している。子供たちの写真はアルバムに整理しているが、教会の歩み等の写真については、そのまま写真屋さんからもらう袋の中に入れたままである。昔の写真を見ながら、陸前古川教会時代のことをいくつか記しておいた。こうして宮城県時代を思い出しているとき、その陸前古川教会から週報等が送られてきた。週報には私達夫婦も存じあげている方の消息等が記されている。自ずと見ているのは教勢報告であった。教勢報告とは礼拝や諸集会の出席状況である。陸前古川教会には1973年から6年半の職務であった。就任式の時、司式者の菅隆志牧師が、東北の教会には最低10年はいないと職務が深まらないと言われていたことが忘れられない。10年も在任しなかったこと、心に示されている。在任中、礼拝出席は20名前後であった。ほとんど変わらないのである。送られた週報を見ると、礼拝出席人数は、当時とあまり変わらない。東北の伝道は困難そのものである。
ところで6年半の牧会であったが、在任中に洗礼を受けられたのは8名であったと思う。短い期間の牧会であったが、その数字は祝福の人数であると示されている。どなたが洗礼を受けられたか、当時の週報を紐解いて示されたのであった。佐藤さん(1974年12月22日)、横山さん(1975年4月13日)、伊井さん(1975年8月24日)、上原さん(1976年4月18日)、平沢さん(1976年12月19日)、小野寺さん(1977年12月25日)、皆川さん(1978年12月24日)、森田さん(1979年4月15日)の皆さんである。この他、幼児洗礼が二人いる。一人は私が授けているが、もう一人は我が家の三番目の子供であり、神学校の先生であり、私達の結婚の証人でもある新屋徳治先生が、東北に来られたので授けていただいたのである。
上原さんは沖縄の方である。1年半前にお姉さんの結婚式が陸前古川教会で行われている。連れ合いのスミさんと上原姉妹とは親しいお友達であり、結婚式のため東京からわざわざお出でになったのである。その様なことがあったので、上原さんは沖縄から東北の地にやってきて洗礼を受けられたのであった。イースター礼拝の前日にお出でになり、受洗を申し出られる。翌日、礼拝前に役員さん達に事情を説明し、承認していただいたのである。上原さんはその後沖縄に帰えられたが、私達が大塚平安教会に転任すると、彼女も教会の近くに住むようになるのである。結婚したお姉さん夫婦が教会の近くに住むようになったからである。そして、その後、上原さんは沖縄に帰られたが、今は天におられるのである。
受洗された8名の皆さんであるが、上原さんの他はそれぞれ信仰の歩みをされている。8名の中のお一人は森田さんである。今は横浜本牧教会の牧師である森田先生の母上である。私達が陸前古川教会に赴任してから、その頃中学生であった森田先生が出席されるようになる。時には母上も出席されていたのである。森田先生は高校生時代も教会学校を手伝ってくれたり、いろいろと力になってくれる。その後、彼は勉学のため仙台に行かれ、あまり消息が分からなくなるのであるが、私達が大塚平安教会に就任してから間もなく、ひょっこりと現れたのであった。そして、ドレーパー記念幼稚園に努めていただいたが、務めながら神学校に通い、牧師への道が開かれたのである。受洗者の中に伊井さんがおられるが、教会に比較的近い牧場で、東京から働きに来られていたのである。その牧場に青年のクリスチャンがおられ、一緒に出席されるようになったのである。洗礼を受けてから、会津若松にある会社に勤めるようになる。私達が大塚平安教会に赴任すると、彼も東京勤務となり、夫婦で大塚平安教会の教会員になる。そして、今は橋本教会に籍を移している。大塚平安教会の新会堂献堂式にはご夫婦でお祝いに来てくださっている。
皆川さんは看護のお仕事をされている。今では管理職になっておられる。毎年、盆暮れには贈り物をしてくださり、お元気に歩まれていることを示されている。小野寺さんと平沢さんは結婚され、今は祝福のご家庭を築かれていると示されている。佐藤さんにしても横山さんにしても、他の皆さんも、毎年のように年賀状をくださる。お元気に信仰の歩みをされているのである。
最初の教会、青山教会では主任牧師がおられたので、洗礼を授けることはなかったが、宮城県の陸前古川教会は、私の牧師としての歩みが導かれた教会なのである。その意味でも陸前古川教会での牧師としての歩みを感謝しているのである。



冬の陸前古川教会。



伊井さんの洗礼式。



上原さんの洗礼式。



愛餐会のひと時。



子供たちも元気に成長している。