短文・小論文の書き方 有斐閣新書C26
短文・小論文の書き方―大学生の文章鍛練法 (有斐閣新書 C 26)
- 作者: 宇野義方
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 1978/08
- メディア: 新書
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感想
文章の書き方が、自分の中でテーマだったころに、古本屋で見つけて、安かったので買っておいた。今回、基本に立ち返って、文章の書き方を、再び学ぼうと思い読んでみた。
出される課題と書く主題は違うものだということを知らされた。ほかの物事でもそうなんだけど、書いて提出すればおしまいなのではなく、その文章が読まれ、読者の心象まで考えるべきだということも知った。
各著者とも、用語とくに専門用語の定義をきちんと理解したうえで使うべきと言っている。誤って使ってしまうとか、自分で言葉を作ってしまうのは、勉強不足だとまで指摘している。ふと、コンピュータ操作で、誤用や自分語で話す人を思い出してしまった。
また、各著者とも、下書きを勧めている。いまではワープロソフトで編集できる時代になったので、ワープロソフト利用を勧めるべきだと、私は信じている。
第2部は、専門度順に、社会学→経済学→法律学の順で読んだ。法律学の立場からの担当の著者の文が、いささか読みにくく思ったけど、法律学の文章の場合、独特の雰囲気があるようだ。
発刊が1978年(昭和53年)で、最近の若者論として、最近では電話が普及して、手紙などを書くことが少なくなったことが批判されている。
メモ
- 53:読売新聞夕刊 昭和53年3月17日付 コラム「話の港」
- 「受験参考書の大手出版社が、…漢字テストを試みたところ…職業別では、金融・保険業二十九人が平均八十一点でトップ。最低は公務員の二十二人の同六十四点…」
- #能力の高い人が公務員を選択していない時代で、当時30歳が今年60歳か
- 117:「法律学的思考は、コンピューターのようであることが望ましい」
- #コンピュータプログラムは、論理的といえば論理的だよな
目次
■第1部 文章の基礎
第1章 文章をどう構成するか―基本ルール[1]〔宇野義方〕
- 1 主題は何か ――課題を的確にとらえ出題者の立場で考えることが大切
- 2 段階法 ――文章をどう効果的に構成するか、その手法
- 3 材料配列の方法 ――読む人にどう印象づけるかは材料の並べ方で決まる
- 4 文章の構成図 ――メモをして計画や構想を考えるくせをつける
第2章 言葉づかい―基本ルール[2]〔宇野義方〕
- 1 語句の選択 ――「デッドロックに乗り上げる」という表現は正しくない
- 2 文意を明瞭に ――婉曲的表現に注意しよう
- 3 照応の確認 ――「今の私には何か一つの道に選ぶことは出来ない」という表現の誤りは?
- 4 文体の統一 ――「です調」と「だ調」の混在はやめよう
第3章 執筆にあたって―基本ルール[3]〔宇野義方〕
- 1 文字の種類・正書法 ――漢字、カナ、ローマ字をどう使い分けるか
- 2 漢字の用法 ――誤字・まぜ書きに注意しよう
- 3 かなの用法 ――「明い、明るい、明かるい」はどれが正しいか
- 4 文の表記・文章の表記 ――句読点は打ち方で意味が変わる
■第2部 文章の応用
第1章 小論文の書き方―経済学の立場から〔日高 普〕
- 1 構想のたて方 ――まず書きたい内容をいくつかのかたまりに分けてみよう
- 2 下書きのしかた ――細部にこだわらずに終りまで書き通してしまうことが大切
- 3 手入れのしかた ――徹底的に意地悪にあら探しをする
- 4 仕上げのしかた ――誤字・送りがななどに注意してよく読みかえす
第2章 小論文の書き方―法律学の立場から〔西原春夫〕
- 1 法律家と文章 ――法律学には文章上、ルールと制約がある
- 2 小論文の構成 ――説得技術としての「転」の思想のすすめ
- 3 悪い文章とよい文章 ――息の長い文章、とぎれのある文章は悪文
- 4 よい文章を書くためのトレーニング ――葉書、手紙、日記を書くことは有効なトレーニング法
第3章 小論文の書き方―社会学の立場から〔蓮見音彦〕