「分かりやすい文章」の技術 ブルーバックス
2010-08-21 図書館 (840円) 2010-08-21/28 ★4
購入 2011-10-29 105円
感想
文章法。目的を達成する文章の書き方。
文章法の解説本の読書感想を読み返そうと、[output]カテゴリーを読んだ。藤沢晃治氏の著書『「分かりやすい表現」の技術』と『「分かりやすい説明」の技術』を読んだことを思い出し、さらに続編とも言える本書を読んでないことに気づいた。ここ1か月くらい文章法を調べていることもあり、ちょうどいいタイミングだと思い読むことにした。
いままで読んできた文章法で、文章の基本的な「型」を学んだ。本書は、その「型」に別の見方や解釈を与えくれて、いかに「型」が合理的にできているかを知った。また、具体的な方法も解り非常に参考になった。とくに、推敲とは何かと疑問に思っていて、第7章を読み、具体的な方法が身についた。
「斜め読み耐性」という概念については、ウェブ上の文章でも有効であり、ウェブサイト作成に活かしていきたいと思っている。
メモ
- 第8章の「「分かりやすい文章」のためのチェック・リスト」はテキスト化した
目次
第1章 「分かりにくい文章」がいっぱい!
- 真意が隠された文章/読んでもらいたくない(!?)文章/「分かりやすさ」を無視した文章/短くても分かりにくい文章
第2章 「分かりやすい文章」とはどんな文章か
- 脳内関所/脳内辞書/脳内辞書に登録された瞬間が「分かった!」/脳内関所の作業/「点の理解」と「線の理解」/脳内関所の作業が軽いと「分かりやすい」/概要が先に示されると「分かりやすい」/「分ける」が「分かりやすい」の原点/文章は曖昧/「斜め読み耐性」を持たせる/同意を「求める」文章か「求めない」文章/「分かりやすい文章」を書くための五つの技術
第3章 趣旨を素早く伝える「構成の技術」
- 素早く要旨を伝える三つのポイント
- テクニック1 まず重要ポイントを書き並べる:「考えてから書く」か「書きながら考える」か/ポイントから書いていく
- テクニック2 要点を先に、詳細は後に書く:文章術の最重要テクニック/早く脳内辞書を選ばせる/どの「かたまり」にも適用するテクニック/「趣旨」を冒頭に置く/一つの段落の中でも当てはまる/パズル・ボードを早く渡す/長い文章では「まとめ」を書く
- テクニック3 不必要な情報を書かない:「雑音」のない文章/よい文章かどうかの見分け方
第4章 読む気にさせる「レイアウトの技術」
- レイアウトすることが求められる
- テクニック4 改行したり空白行を入れる:文字面を見やすくする
- テクニック5 親子関係・並列関係を明示する:情報構造を示す
- テクニック6 「かたまり」を明示する:「かたまり」が見えると「分かりやすい」
- テクニック7 見出しをつける:見出しの効果/メールの題(Subject)は具体的に
第5章 読み手を同意させる「説得の技術」
- 「同意を求める文章」は「説得する文章」
- テクニック8 正確な論理で書く:因果関係には二つの弱点がある/「二つの弱点」を補強する/さらなる補強をする/納得させる「裏づけ」を書く/予想される疑問に先回りして答えておく
- テクニック9 読み手の視点で書く:読み手の知識レベルに合わせる/「なぜ? なぜ?」トレーニング/正反対の世界観/読み手の感情に配慮する/読者層を想定する/想定読者と語らいながら書く
- テクニック10 自分の感情は押さえて書く:実務文は感情のまま書かない/感情が高ぶった一言が信頼を失わせる/定型文を活用する
- 比喩を使う:比喩の効果
第6章 趣旨をスムーズに伝える「センテンスの技術」
- 分かりやすいセンテンスにする四つのポイント
- テクニック12 センテンスを短くする:平均四〇字以下をめざす/意味なく引っ張らない/「が」を捨てる/長い修飾語を使わない
- テクニック13 事前分解しておく:読点で意味を確定させる/原則1長い修飾語の境界に打つ/原則2逆順のときに打つ/原則3誤解防止のために打つ/区切り記号を活用する/並列表記する
- テクニック14 曖昧さをなくす:修飾語は近くに置く/センテンスを分割する/代名詞の指す先をはっきりさせる/否定文に気をつける/文脈を省略すると曖昧になる/具体的に書く/具体性と抽象性のバランスを取る
- テクニック15 キーワードを作る:文章に「取っ手」をつける
第7章 文章をなめらかにする「推敲の技術」
- 文章の「身なり」を整える/文章の最終目標を意識する/仕上げのための三つのチェック
- テクニック16 無駄を削る:無駄の四候補/重複語/過剰な修飾語/不要な接続詞/無意味な語尾
- テクニック17 自然な語感にする:読んで自然な語順にする/同音を繰り返さない
- テクニック18 丁寧に表現する:敬語を使う/敬語の基本原則/「バカ丁寧」にしない
第8章 「分かりやすい文章」のためのチェック・リスト
- 素早く伝わる構成になっているか?
- 読む気にさせるレイアウトになっているか?
- 説得できる文章か?
- 趣旨がスムーズに伝わるセンテンスになっているか?
- なめらかな文章になっているか?