日本語作文作法―系統的トレーニング (IT21叢書―情報リテラシー編)

2005年? BKFS 1000円 2012-11-11/25 ★5

感想

文章作成法。

面白味がなく途中で投げ出していたが、濃い内容なのを理解して読み終えられた。2度ほど途中まで読んだが、大学の教科書や仕様書に近い印象があり、面白味がなく長らく積読していた。しかし、いろいろな文章作成法の本を読んできて、濃厚にまとめられているのを理解したこともあり、3度めにして、ようやく最後まで読み終えた。問題も解いた。演習は行ってないが、これから文章をかかないといけないので実践するつもりだ。

パラグラフ指向の書き方を学べた。ほかに、粗筋には重みを付けるというノウハウや、段落と文段の誤解を知り、字下げの疑問が解決できた。

パラグラフが詳しく説明されていた。小論文のガイドブックは、本書の9-11章あたりの文章のミクロ部分を説明しているだけで、著名な文書作成法の本は、本書の1-5章あたりのマクロな部分を説明しているだけだった。

パラグラフ指向を詳しく説明している本を読んだことがなく、本書6-8章で理解することができた。なお、「パラグラフ」を「文段」、「トピックセンテンス」を「話題文」、「サポートセンテンス」を「補足文」として表現していた。

粗筋の設計はできるんだけど、どうしても文が書けずに悩んでいたが、パラグラフ指向で文章を書く方法を理解できたと思う。これで書けそうだ。

ネットで調べたところ、慶応大学のSFCの教科書として使われていたようだ。良い大学では、良質の勉強をしていてうらやましい。

メモ
  • 24:粗筋に重みを付ける
  • 55:「文段が空白行などで孤立している時は、先頭を字下げする必要はない」やはり、ワシの思ってたとおりだ
  • 61:「文段自身を段落と呼ぶことが多いが、それま間違いである」
  • 106:「単純な文なのに読点が必要なのは、構造がまずいことの警告だと言える」
  • 122:たしかに、結論先行だと、「すなわち」や「つまり」が出てきたら変だな
目次
  • 1. 概要:1.1 文章 / 1.2 素材 / 1.3 作文
  • 2. 分析:2.1 調査 / 2.2 文書標準 / 2.3 複製権 / 2.4 話題の分析
  • 3. 設計:3.1 粗筋の原案 / 3.2 重み付け / 3.3 粗筋の完成 / 3.4 粗筋の標準 / 3.5 目次
  • 4. 表題部:4.1 表題 / 4.2 著者と所属 / 4.3 抄録 / 4.4 目的と目標 / 4.5 範囲定義 / 4.6 キーワード
  • 5. 序章と終章:5.1 本文の構成 / 5.2 序章 / 5.3 終章 / 5.4 見出し / 5.5 配置とメタ情報
  • 6. 文段:6.1 文段の構造 / 6.2 媒体 / 6.3 話題文と補足文の種類
  • 7. 話題文:7.1 限定の程度 / 7.2 提示・定義の話題文 / 7.3 結果・原因の話題文 / 7.4 類似・差異の話題文 / 7.5 場所・時の話題文 / 7.6 局面・数量の話題文
  • 8. 補足文:8.1 定義の補足文 / 8.2 結果・原因の補足文 / 8.3 類似・差異の補足文 / 8.4 例・詳細・挿話・事実の補足文 / 8.5 列挙の補足文 / 8.6 文段の終え方
  • 9. 文:9.1 主語 / 9.2 目的語 / 9.3 述語 / 9.4 形容詞 / 9.5 副詞 / 9.6 文の合成 / 9.7 主役と相手
  • 10. 言葉:10.1 辞書 / 10.2 助詞と接続詞 / 10.3 言葉と量の識別 / 10.4 漢字の言葉 / 10.5 仮名遣い / 10.6 文脈による仮名使用 / 10.7 同音の類似語 / 10.8 外来語 / 10.9 言語の選択
  • 11. 文字:11.1 読点 / 11.2 句点・ピリオド / 11.3 中点 / 11.4 各種の特殊記号 / 11.5 字体
  • 12. 付録作成と評価:12.1 参考文献一覧 / 12.2 見直しと校正 / 12.3 見直しの方法 / 12.4 禁則処理 / 12.5 目次の見直し / 12.6 用語一覧 / 12.7 用語集 / 12.8 索引