2014年新年のご挨拶

新年、あけましておめでとうございます。2014年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2013年は3年間生活した福岡を離れました。北関東の群馬県に生活拠点を移し、また5月に2人目の子供も生まれ、夫婦ともども毎日あわただしく過ぎた1年間でした。事前に想像をしていたとはいえ、4月以降は新しい勤務先であること、子供が生まれたこと、この2点が重なって十分に研究が進みませんでした。ここ数年、毎年の課題としていた学会報告も今年はエントリーできず、やや悔しい思いをしました。子供を育てるということは、両親がお互いに力を合わせて、補い合って、愛情を注ぐことだと思います。この当たり前のことを毎日、辛抱強く続けることが、いかに大変か、身をもって知った1年だったと思います。毎日考えることも子供のことが多く、仕事の時間を削らざるを得ない部分もありました。その分、与えられた時間内でどう最大限、効率性を発揮をするかが求められた日々だったともいえます。

他方、家族関係から見た場合、「専業主婦」や育児休業を取っている女性はもっと大変です。我が家の場合、妻が育児休業を取得中ですが、2歳児と0歳児を同時に面倒を見る必要があるからです。これは、以前どこかにも書いたような気がしますが、現在の保育制度では、出産前後2ヶ月は「保育にかける状態」として認定されるため、上の子を保育園に入れることができます*1。しかし、それをすぎれば、育児休業中の場合、2人の子供を同時に面倒見る必要がある。実は、1人で同時に2人の年少児を面倒見るのは多大なるエネルギーが要ります。1人で子育てをするのは決して当たり前ではありません。

こうして、自分が仮に仕事に専念できるということは、誰かが「家庭的責任」を果たしているからであります。そのことに鈍感な仕事の仕方は持続可能性がない。もっといえば、「モーレツに働け」を時に主張する会社経営者は、家事や育児や介護を担ってきた「妻」の存在を無視している。その点で、画竜点睛を欠く労働論だといえます。とある高校の「出前講義」で「仕事と家庭の両立」をテーマにしました。これは生活者として実感のこもった内容だったのです。そういった意味で、仕事と家庭の両立の意味を考えざるをえない毎日だったと思います。

2014年はそうした感謝をしつつ、徐々に仕事のペースを上げていきます。数年来取り組んできた倉敷繊維産業調査もまとめ、一定のフレークワークに基づく地域経済論の視点を出したい。そう考えています。また、桐生地域、北陸地域と視点を伸ばしてきた繊維産業研究を、より地域に入り込んで研究も進めて生きたいと思います。可能であれば、この地域に住んでいることを生かして、群馬県内の産業集積研究にも目配りしたいと思います。私は様々な方の協力によって成り立っています。2014年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

*1:ただし、これは私が住んでいる町の場合であって、市町村によって運用は違うようです。