NHKスペシャル巨龍中国１億 大移動流転する農民工（2016年10月30日）

　NHKスペシャルの中国農民工の移動をみた。中国内陸部の農民工が移動してきた都市で、農民工が強制的に地元に戻らされる。仕事をなくし新たなことをしようとするも失敗。中国特有の農村戸籍、都市戸籍の制度設計が新たな格差を拡大させている。内陸部のちょっとした都市部で、農民工が暮らす地域がある。それを中国政府は強制的に破壊させる。警察が屋台の周辺を歩き「明日は営業させないぞ」と脅して回る。こうして、農民工は別の都市に移るか、地元に戻るかの二者択一を迫られる。
　別の農民工は都心部の学校に子どもを通わせたいと思っている。都心部のほうが教育レベルが高く、将来の進学率もいいからだ。しかし、都心部での学校入学は、都市戸籍の人が優先される。農民戸籍の家族は金銭的な上積みが必要となる。しかしそのようなお金はない。農民工は苦悩する。中国では農民は土地を政府から借りているという形態をとる。所有権はない。つまり土地の売買はできない。しかし、中国政府は規制緩和に乗り出し、農民の土地所有を一部認めるようになる。そこで、先の農民工は地元にある田んぼの土地を売る決意をする。日本円で数百万円という値段で入学に備える。
　直感的にみてすごいことが起こっているなという印象。出稼ぎ農民工が中国には1億人いる。この1億人の大移動が起きている。中国の内需停滞と労働力不足への対応だ。日本とは人口も距離も違いすぎる。しかし、世界の情勢を知る上で中国経済の動きは無視できない。

NHKスペシャル | 巨龍中国１億 大移動流転する農民工（http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20161030）