松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

再臨界は起こっている?

ヨウ素の濃度が減らずに増えているのはおそらく事実、そうであれば、すでに起こっている可能性が高い。
大爆発の可能性も否定はできない。
小出裕章先生(京都大学原子炉実験所)、再臨界の可能性示唆
4/5の毎日放送ラジオ、たね蒔きジャーナル より。http://www.mbs1179.com/tane/c-guest/ 
これ(小出先生のラジオ放送)の録音。
http://www.youtube.com/watch?v=JT2YkREVTNA
http://www.youtube.com/watch?v=hiK0dXsENkY

 で、小出先生のお話、びっくりするような数字が並んでいるが、ピット内の汚染水のヨウ素は1.3「億」倍である、この「億」とか、高い数値は、事故は続いており、3月11日に原子炉損傷、その後収束にまったく向かっていない、「自分の考えが甘かった」、原子炉は一度止まったと(ウランの核分裂が止まる)思っていたが、それがもう一度核分裂再臨界)がひょっとして起きているかも知れないと思った、ヨウ素の濃度が減らずに増えている、半減期が8日であり、もう1/10になっていいのに減っていない、タービン建てや内は塩素38(変わった放射性核種)が出ており、これは再臨界としか思われない、しかし測定の誤りかも知れないが、分析が間違っていないと、再臨界と思われる(塩素38が出ているなら)と言うことです。


東電は再臨界の恐れを得ているのか、ヨウ素134は再臨界の証拠であり、しかしそれは間違いであり安心したのですが、今回は間違いではない、ヨウ素が減らないと、再臨界かも知れない、原子炉内の水はタービン建屋にあるが、ここに行くには被曝しないといけないので大変ということ、再臨界は爆発ではなく、ウランの核分裂で、ウランの融けて固まっている場所の形状が変わり、それが変わると臨界が収まるが、また再発して、そういう臨界〜止まる、を繰り返しているのでは、という指摘でした。


これだと、発熱が止まらないので、小さい原子炉が止められない、動いている=核物質が出る=放射能が出る→ヨウ素が1億倍出ている、そして今までなかった放射性物質が出ている、濃い放射能が出る、環境を汚染する、と言うことです。燃料棒にはジルコニウムはもうない、棒の形をしておらず、中のウランが山になりどこから堆積している(炉心)、圧力容器の底に落ちるのではなく、想像で、しかし、炉心の下部に留まると最悪の事態になる、圧力容器は水を入れて冷やそうとしているが、炉心は裸であり、蒸気で冷やしているが、圧力容器の底に水があり、ウランは放射熱+再臨界熱があり、ウランペレットが融けて、圧力容器の水の上に落ちたら水蒸気爆発(一番恐れていた)になる。


水は必ず入れないといけないが、ホウ素の注入量が少なすぎると指摘がありました(最初に大量に入れたが、どれだけ残っているか分からない)。だから、大量のホウ素を福島に集めないといけないと言うことです。これは小出先生の想像ですが、福島の現地では分かっているはずと言うことです。再臨界の危険は一番大きいのは1号機であるが、2,3号機でも炉心が融けたら同じである、全部、ホウ素を入れて冷やさないといけないということです。
パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭)

http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/008691.html

塩素38の存在は再臨界の証

「タービン建屋内は塩素38(変わった放射性核種)が出ており、これは再臨界としか思われない」、と上記で小出先生が言っているが、これは下記の論文を根拠にしている。


福島第一原発1号機(タービン建屋)で見つかった高濃度放射性塩素-38の原因は何か?」フェレンス・ダルノキ−ベレス
その英語日本語対訳(寺尾光身氏による):
http://www.japanfocus.org/data/3509WhatCausedTheHighCL38JapaneseEnglish.pdf


アージュン・マキジャーニ氏による解説はこちら
http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/04/is-unintended-recricality-ocurring.html


3月25日に東京電力が発表したデータに「CL-38 1.6×10^6 」という数値があった。
塩素の同位体である塩素38は天然の塩素に4分の1ほど含まれる塩素37が中性子を吸収するときに作られものだが、半減期が37分と短い。ということは3/11に核分裂が停止して即発生が停止していたら、その後数日で皆無になっていたはずのもの。


停止している燃料棒に使用中にできたプルトニウームなどの自然崩壊でできた中性子によってできた可能性もある。そこでこの論文ではその可能性を数値的に評価して、上に書いたような多様の塩素38を形成できる可能性はないと結論する。それは別の方法つまり再臨界核分裂によるものだろうということになる。*1
(4/10記)

論文の訳者、寺尾光身さんによる論文の概略。

http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/008860.html

*1:ちなみに、中性子線は、3/12〜14日に計13回検出されていた、とのこと。

藤田祐幸氏も可能性はあると

http://www.youtube.com/watch?v=umYDamvdYzQ
慚愧の思いで語り直す福島原発事故 2011 3 28 藤田祐幸氏の解説。 をいま見ている。 分からないことが多い。質問されても答えを与えることはできないことを、誠実に語っている。


燃料棒がいまどうなっているのか? ぼろぼろになって圧力容器の下にたまっているのか。それでは再臨界の可能性は否定できない。1号機から4号機、各使用済燃料プール、どれか一つが抑え込めない可能性は高い。大きな破局なので、素人の私が言えることではないが。


藤田祐幸氏は専門家でも破局の予想を語るのは躊躇をしてしまうものだ、ということを正直に語ってくれた。

4/2に書いた私のtwitterから。
不十分ですが。

基準の750万倍の放射性ヨウ素131

2011年4月5日

 福島第1原発の第2号機付近の海水から通常の基準の750万倍となる高濃度の放射性ヨウ素131が検出された。東京電力が明らかにした。


 2号機からの汚染物質の流出は未だに食い止められていない。こうした一方で第1原発では低濃度の汚染水1万1500トンが海へと排水され続けている。 


 事故を起こした3基の原子炉と機械室には6万トンを超える高濃度の汚水が溜まっており、低濃度汚水を排水することでしか汚水保管のスペースを空けることができない。このため、事故原子炉からの放射性物質の漏れを防ぎ、冷却する作業が滞りがちになっている。
http://japanese.ruvr.ru/2011/04/05/48473940.html

福島原発事故についての緊急建言

福島原子力発電所の事故を受け、松浦祥次郎・元原子力安全委員長、田中俊一・元原子力委員会委員長代理(元日本原子力学会会長)、石野栞(しおり)・東京大学名誉教授ら16人のシニアたちが4/1に緊急提言。現状の憂うべき点、そして今後の早急な対処をもとめ、日本の原子力をになってきた者として国民に謝罪しました。

全文は下記。
http://blog.livedoor.jp/pfj_blog/archives/50613110.html

3/14 3号機爆発は核爆発か?

小出先生の「たね蒔きジャーナル」5月4日分のお話より。

それで小出先生のお話で、多くのリスナーから質問が来ており、福島第1の3号機の爆発、動画サイトで話題を呼んでおり、3/14に爆発、水素爆発と言われているが、核爆発ではないかと海外から指摘されています(アメリカの原子力の専門家)、1号機の水素爆発ではなく、黒い煙があるのですが、これについて、核爆発(核暴走)が使用済み燃料プールで起こるとは思っていなかった、爆発したが、水素爆発と思っているし、水素爆発は核爆発だが、核暴走のことはたぶんないと思われるのです。

が、いろいろなデータを見て、包括的核実験禁止条約の国際的な監視機関の測定器(日本は高崎)が微量の放射能を監視しているのですが、ここのデータより、3/15〜16にかけて、空気中の放射能が、ヨウ素135が大量にあった、これは半減期6.7時間の比較的短いもので、3日で1/1000になるのですが、原子炉が3/11に停止したならば、ヨウ素135はこの時にないのに、4日たって(何千分の一になっているのに)、高崎で出ていると膨大な量があり、この測定値が正しければ、3/15〜16に出ている、つまり、3号機の爆発でできたと考慮しないといけない、水素爆発だけならヨウ素135はこんなに出ない、再びウランの核分裂が進んだと仮想されます。
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-May/009251.html