せらら

本日はお昼休みにファイザーさんを呼びつけてセララのお勉強会。
セララはARB*1以来の新機序降圧剤SAB*2
従来はRAS系の下流に位置するとされてきたアルドステロンに、ACEやAT2の増強作用や、脳・心臓・血管などに存在するAR*3を介した直接的昇圧作用、心肥大作用や血管障害作用などが発見されており、そのアルドステロンを選択的にブロックすることで降圧、臓器保護を行う薬である。
SABはNaを排泄する働きがあるため食塩摂取量の多い日本人では特に有効であると考えられており、実際に食塩摂取量の多い低レニン性高血圧患者に対するセララの有効性も確かめられている。
単剤での降圧作用はACEI/ARBよりも強いようであり、また、CCBやβブロッカー、利尿剤、RA系薬との併用による上乗せ効果もある。
ただし、その降圧効果は2wでは有意差が出現せず、最低でも4〜8wはp.o.した後に評価判定を行う必要がある。
これは裏を返せば、血管系への急激な変化を起こさないため負担が少なく、副作用も出にくいことを示しており、治験段階でも他カテゴリーの薬剤よりも安全に使用できる印象を治験医が抱いたとのこと。
腎保護作用、蛋白尿減少作用もありCKD患者には特に有用と考えられるが、CCr低下患者では高K血症を誘発しやすい可能性が考えられるため慎重投与、中等度以上のCKD患者には禁忌とされるなど、現段階ではイマイチ使いにくい状況もある。
ただしこれについては、心不全に対するβブロッカーの有用性と同様に、将来的にひっくり返る可能性もあるとのこと。
また、CYP3A4による代謝も受けるため、これにも注意が必要である。

*1:Angotensin type2 Receptor Blocker

*2:Selective Aldosteron Blocker

*3:Aldosteron Receptor