時代は変わる?!

noho_hon2005-08-25

う〜ん、この騒動の問題点は、給湯室や居酒屋で、こそこそっとボヤく分には「ありそうなことで…」。
でも、バイトとはいえ、オシゴトしてお金もらってるプロの方が、職場と素性を明らかにした上で、お客さんをしてのぶっちゃけ話(それも揶揄系)はマズかったですね。
思えば、これまで、そういうのって「立場的に強い人が、無自覚に弱い者いじめ。昨今のバラエティ番組よろしく、毒々トークして、本人はあくまで“ユーモアのつもりぃ”」だったのが、思いがけず、つきあげられてキョトン&オタオタ…ってケースが大半。
こういうのは、ずっと、政治家さんの専売特許だった感なのに… いろいろな意味で、時代の変遷を感じますね。

 『珈琲時光』

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古くは、『ブラックレイン』の、リドリー・スコット監督。最近では、『ロスト・イン・トランスレーション』の、ソフィア・コッポラ監督じゃないけれど、異国の監督さんが、自分達にとっては日常風景である場所を切りとって表現すると、じつに不思議な感慨があって興味深いこと。
たとえば、『ブラックレイン』で表現された大阪が、どことな〜く、香港か『ブレードランナー』っぽく映ったように
(気のせいか、『ブレードランナー』の冒頭シーンって、かぎりなく秋葉原の匂いがしません?)
侯孝賢監督の描く東京は、彼独特の空気感があり、異国の風が吹き抜けるようで、「なるほどなぁ…」と感心してしまったのでした。
ただ、たしかに佳作ではあったけれど、「小津安二郎生誕100周年を記念」と、わざわざ銘打ってしまったのは、ちょっと損した感だったかな? いや、特にラストなぞ、彼なりの小津映画に対する、深いオマージュ、ってのは、よく理解できた、ですが。
改めて、ポジションを心得て、作品を活かす。相手の魅力をひきだし、自らも光る、浅野忠信って、ますますタダモノじゃないなぁ、と感じました。
青春デンデケデケデケ』 の時点で、(素朴な高校生役でありながら)既に周囲と“一線を画してた”感でしたが、改めて、その役者力、改めて、おそるべしっ! 一青窈も、さらなるチャンスに恵まれますよう…

 『CASSHERN』

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なにやら、前評判の高さの割には、あまりにも、その後の評価がいまひとつ(特にネット評は、お気の毒なほど)。よって、逆の意味で興味おぼえたのですが… たしかに、これもまた、映画版『FINAL FANTASY』に近い、「……」なものがあったです。
(双方、原作とか、諸々の思い入れのあまり、映像技術に気合が入りすぎて、本編が押され気味?)既知感の集大成になってしまったのが、なんとも残念無念。
たしかに「ああ、一生懸命、作ったんだなぁ…」って情熱は、ひしひしと感じるんですがね。難しいものなんだなぁ、と、しみじみ。
だけど、思いがけず収穫だったのは「こういう(CG時代にフィットする)役者さんって、いるんだなぁ」と再確認させられたことかな?
たとえば、唐沢寿明なぞ、『美味しんぼ』をドラマ化した時、あまりにも山岡士郎役に「ぴったんこ!」で感動覚えたのですが、やはり、こういう映像世界に、実によくフィットしますね。(逆に損をしてたのが、生身感の強い、寺尾聡… いい役者さんなのにねぇ)
ミッチーこと及川光博なんか、ほとんど独壇場! ぜひ、こういう方面で金字塔作品を残して欲しいものです。
個人的には、主人公役は、伊勢谷友介でなく、むしろ要潤(よかったっ!)、オダギリジョー、ライン。もしくはジャニーズの誰かにやって欲しかったような… (その伊勢谷友介が、ハチクロの映画版への出演が決まっただなんて… ビックリ。誰をやるんだろ)
エンディング・テーマを歌った、宇多田ヒカルが、それだけで「完璧に、世界を作り上げて」て、改めて、その天才ぶりが浮きぼりに。これも、ちょっと皮肉といえば皮肉でした。
だけど、紀里谷和明。随所に光る部分があっただけに、試行錯誤しつつ、大きな花を咲かせて欲しいものです。頑張れ、新時代の旗手達っ!
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『整腸亭日乗』[映画] 珈琲時光
『伊万里な日々』「CASSHERN」