コナミレーベルの変遷をアニラジから辿る、というか梅雨どきの戯言

 梅雨真っ盛り、皆様いかがお過ごしですか?というような季節感満載の枕から入ろうにも、まだまだ梅雨っぽくありません。梅雨入りからは結構経つんですけどねえ。今週末くらいは湿度が高そうな陽気らしいので、皆様お楽しみに。
 なんでこんな入りをしたかったかというと、講談社ファウスト』Vol.7が出る前に一仕事(?)しようと画策していたので。というか、本当に出るのか半信半疑になっています。どこかで2008年6月20日発売ってなってたのに、先程調べなおしたら7月31日表記のサイトもあるし……。一体、どうなってるんでしょうかねー。3月4月とコンスタントに来ていたメールマガジンも5月以降は音沙汰なし。まあ、もう待つことには馴れましたけどね。ふっ。
 西尾維新戯言シリーズが続々と文庫化されている現在、一通り目を通しているものの、『クビシメロマンチスト』くらいしかその面白さを理解できなかった西尾維新作品*1を読み直そうかとも思ったのですが、部屋を探しても『ザレゴトディクショナル』しか持っていませんでした。設定大好き、メイキング大好き人間の自分ではありますが、なぜこれだけしか購入しなかったのかは謎です。本編のないメイキングなんて、餡子の入っていないタイヤキ*2、牛の入っていない牛丼*3みたいなものだ!きっと袋綴じの魅力に負けて購入してしまったのだと思います。ものを購入するときは中身を検めてから購入したいのは消費者としての性ですが、1000円程度の書籍の場合だと、失敗してもあまり痛手ではないので、袋綴じは有効な販促になるのではないかな、などと感じています。あ、そういえばメフィスト賞作家を好きになったことで身に着いた一番の能力は、いわゆる地雷本を恐れなくなったことです。むしろ才能は過激さの中に転がっている、くらいのことを考えるようになりました。いやはや。
 でその一仕事なのですが、國府田マリ子について考え直したいと思っています。梅雨といえば『雨のちスペシャル』*4。さらに最近、某ラジオ番組のコーナーで毎週のように國府田マリ子に言及しているのを聞いて、今一度見直してみようと思ったのです。
 國府田マリ子を見つめなおすと言っても、その人となり云々を語ってもどうかと思うので、彼女の曲およびタレント活動(声優、歌手、ラジオパーソナリティetc)を主軸に考えていきたいと思いました。その場合、自分としてはコナミレーベル(特にアニソン関連)を考えるというのとイコールになっていることに気づきました。つまり、例えば田村ゆかりを考えるのと國府田マリ子を考えることは、ほとんど同じになっていたのです。
 というわけで、このエントリではイントロダクションとして、コナミレーベルの変遷を、コナミが2008年3月まで10年以上にわたってスポンサードしていたラジオ枠である「文化放送土曜24時枠」を中心に振り返ってみようと思います。
 ちなみに、一応説明しておきますと、コナミレーベルとはゲーム会社であるコナミが音楽ソフトを扱うためのレーベルで、ディストリビューター*5としてキングレコードから販売されていました。1989年のレーベル発足後、コナミミュージックエンタテインメント、コナミメディアエンタテインメント、コナミデジタルエンタテインメントと組織形態を変えながら、その精神は受け継がれていっています。元来はゲームミュージックのレーベルでしたが、『ツインビーPARADISE』『ときめきメモリアル』の成功やその後のコナミのメディア展開(アニメなど)を受けて、現在では数多くのいわゆるアニソンがあります。声優個人名義のCDは1994年の國府田マリ子からだと思います。
 さて、文化放送土曜24時枠の番組リストでございます。

期間 番組名 パーソナリティ
1995/4〜1996/3 もっと!ときめきメモリアル 丹下桜
1996/4〜1997/3 ツインビーPARADISE3 國府田マリ子
1997/6〜2002/7 CLUB db 桑島法子
2002/8〜2003/3 もっと!モット!ときめきメモリアル 神田朱未
2003/4〜2007/3*6 田村ゆかりのいたずら黒うさぎ 田村ゆかり

 ちょっと拍子抜けですが、13年間もスポンサーを務めていたのに5番組しかないのです。ちなみに1995年以前は旺文社「Jランド枠」で、さらにその前は同じ旺文社の「大学受験ラジオ講座」だったそうです。
 これだけではさびしいので、枠が違えども同じコナミ提供番組を追加します。

期間 番組名 パーソナリティ
1993/10〜1994/3 ツインビーPARADISE 國府田マリ子
1994/10〜1995/3 ツインビーPARADISE2 國府田マリ子
1997/4〜1998/3 CLUBときめきメモリアル 丹下桜
1997/10〜1998/7 ソフィアの純愛 ソフィア(小西寛子
2007/4〜2008/3 福井裕佳梨川本成カニフラワー 福井裕佳梨川本成
2008/4〜 12人の優しい殺し屋 side R 杉田智和

 端的に言えば、これがコナミの力の入れ方の表れだと考えられます。前期(〜1997年)は作品主体、後期(1998年〜)は人物主体になっているように思われます。だけど、サンプル数が少なくて傾向云々の話ではないですね(笑)。人物で言うならば、丹下桜國府田マリ子桑島法子神田朱未田村ゆかり福井裕佳梨。当たり前ですが、すべてコナミレーベル所属者です*7。やはりこの中で比較するならば、音楽活動への力の入れ方から、國府田マリ子v.s.田村ゆかりを比較考察すると、面白くなりそうです*8。今後、やっていこうと思います。今回はここまで。
 あといざ表にして気が付いたのですが、1993年10月以来、1994年4月〜9月の半年を除いて、コナミは何らかの番組を持っているのです。2008年4月からは持っていません。ということは、今年の10月からコナミ持ちの番組がなくなった場合、コナミはラジオから撤退すると見てもよいかもしれません。[2008-07-02追記]持っていました。『12人の優しい殺し屋 side R』です。まあ2007年3月に田村ゆかりを手放したことで、実質音楽分野から手を引いたようなものですので、今後はアニメ関連に絞っていこうという会社の方針かもしれませんね。
[追記:2008-08-30]
 ぐはっ!急に思い出したのですが、そういえばPS用ゲームソフト『みつめてナイト』のラジオ『ソフィアの純愛』てのがありました。パーソナリティはソフィア(CV小西寛子)←これちょっと重要。ちなみに仕掛人は確かおたっきぃ佐々木こと佐々木伸だったと記憶しています。放送期間は1997年10月12日〜1998年7月3日です。表の方に追加しておきました。このエントリを書いた頃には沈黙状態(?)だったコナミアニラジだったのですが、2008年8月最終週から新ネットラジオサイト「KONAMI STATION」http://573st.i-revo.jp/がオープンしました。「db-FM」閉鎖から1年。なかなか特異な部分も少なくないので、そのうち書くと思います。

*1:以前から少し触れているのですが、佐藤友哉西尾維新あたりのラインに感じる違和感とは、そのように同列に語られてしまうところにあります。また佐藤友哉に惹かれた読者が、西尾維新にも当然のように惹かれている現実に対し、自分がそうではなく佐藤OK西尾微妙である理由を探っていました。そのあたりについても今後書いていきたいですが、作者に対する捉え方の違いなのではないかと感じています。

*2:月宮あゆも吃驚!「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」なぁんて。それは月宮違いというか、違わないというか。

*3:ちなみに注文可能らしいです。吉野家先生で君も注文してみよう!……自分はやりませんが。あと吉野家先生≠吉野屋先生です。「先生は牛じゃないんですよ!プンプン!」(CV松来未祐)なんてね。

*4:この曲自体もとても重要な曲であると自分は認識していて、NHKみんなのうたタイアップというのもその理由のひとつですが、國府田マリ子ヒストリー的には初期から続いてきていた松原みき(作曲)時代の最終にして最高潮であり、また西脇辰弥亀田誠治(編曲)におけるターニングポイント的な作品であるからです。そのうち書きます。

*5:というと怪しいねずみ講のようですが、ここでは販売会社という意味で使用しています。誤用でしたら教えてください。

*6:番組自体は続いているが、田村ゆかり移籍に伴い、スポンサーはキングレコードVC制作部に。

*7:川本成さんは違います。一応、声優に詳しくない人のために記しておきますと、川本成さんはあさりどの川本さん本人です。いいとも青年隊でお馴染みでした。

*8:冒頭から薄々と匂わせていますが、個人的な考えとして國府田マリ子田村ゆかりの音楽活動はとてもよく似ていると思います。現在においては、ふたりの乖離が見え始めているようないないような、微妙な感じだと思います。そのあたりを今後書きたいと思っています。