オズの魔法使いのサントラはどこへやっただろうかと思ってCD−Rを漁っていたところ、蔵盤の一部が、大干ばつ!って感じで地割れまくっているのを発見した。というのは一部誇張で、実際には表面がうねうねになっているだけで亀裂まではいたっていなかったのだけれども、このまま表面の塗装がひび割れてきたらその下の記録層まで至るのは確実。間一髪のところでコピーをとって事なきを得た。
 CDつうのは傷のつきやすい読み取り面ばっかり大事にする人が多いけれども、実はデータはレーベル側から塗られた塗料に記録されているので、もっとレーベル側を大事にすべきなのだ。読み取り面は多少傷ついても磨けばどうにでもなる。


 被害があったのはマクセルの MQ っていう色つきのCD−Rだけで、他のメーカーのものや、マクセルのほかの製品は大丈夫だった様子。しかし遅かれ早かれどのディスクも耐用年数というのはあるはずで、今回みたいに物理的には破損しないにしても、そもそもCD−Rの記録というのは長年経つと消えていく性質のものであるらしいのだ。世の中には、レア盤以外は手元に盤がなくてもすぐ手に入るからいいよ、なんていうタイプの人もいるのだけれども、俺はお気に入りの音楽を手元においておきたいタイプの、どうにもそういうタイプの人間なのだ。かつてお気に入りだった音楽を久しぶりに手に取ったとき、触れると同時にディスクが青く輝く砂になってサラサラと手のひらから零れ落ちていく。そんな日がいつか来るのかと考えただけで、胸の奥で、メタルギア2のボスにダメージ与えたときみたいなキュゥーンという音がする。唐突に20年前のMSXのゲームの話持ち出して悪いけど。いまじゃ3Dだもんなー。いまじゃっていうかメタルギアソリッドでさえも10年前だけど。ソリッドのほうはやったことないけどな。メタルギア2は、敵に見つかったときのウィーンっていうサイレンに驚いて、何度椅子から飛び上がったことか。その様子を親父が見てて「いますごい跳んだな」って言われたことがあるのを思い出した。