春一番@服部緑地公園で強烈な陽射しにまいる
よく考えたら、今年はじめてライブに来たような・・・。
昨年は2日ほど通った『春一番』ですが、今年は小川美潮、小谷美紗子、ふちがみとふなと、坂田明、長見順(マダム・ギター)などが出るこの日に限定しました。開場から並ぶのがちょっと嫌だったもので、12時前に開場入り。
ステージ上に組み上げられた巨大な通天閣に仰天する。
まだまだ座席は空いていたので楽々座れまして、買い込んだ昼ごはん、お酒類を楽しみだす。雨に祟られた昨年がウソのような真夏のような陽射しに炙られながら、缶ビール一本ですでに非日常な頭になってきた。なんでも昨日(3日)は凄い人入りで、気分悪くなってしまった人もいたのだとか。4日は中日ってこともあってか、のんびりしておりました。
席についたとき、演奏していたのは「ぐぶつ」。昨年も観たけど、結構好きなゆるゆるロックです。嗚呼あちいな〜たまらんなあ〜と思っていたら、友人が合流。ふたりでまた焼酎とお茶割りを呑み出す。まわりが自分より年上が多いので、昨年の『レインボーヒル』のように浮きまくることもない。なんという心地良さなのか!
一番目はもしかしたら小川美潮だったのかなあ・・・観たかったなあ、と思っていら、美潮さん出てきました。ライブ観るのは初めてです。『4to3』とかはよく聴いたなあ。あんまり変わらない歌声で、安心しました。客席後方でライブ後の小川美潮さんと目が合う。「どうもー」みたいに変な挨拶をしてしまう。
以下、記憶に残っているまま。順番もあんまり厳密には思いだせない。
・良元優作 この人ははじめて知りました&観ました。最近アルバムを出されたそうで、フォークとしか形容する言葉もみつからないのだけれど、そこにおさまらない魅力のあるシンガーだった。
・ジョニー吉長(d)西山毅(g)鮫島秀樹(b) はじめて観ました。ジョニー吉長の「デス声」の「オーイェイ」が渋すぎる。
・月夜のカルテット 大塚まさじ(g) with 長田 TACO 和承 (g) 島田和夫 (d)船戸博史(b) 船戸さんのコントラバスと、横置きにしたギター。これだけでサウンドが全然ふくよかで、雰囲気が出る。大塚氏ご自身もMCで仰ってましたが、全然月夜じゃなくて炎天下のカルテットだったけど、秀逸。
・Vagina Fuck 中川五郎 (g)ほか メンバーに8歳の女の子がいるため、バンド名をなんか無難なものに変えておられました。そりゃそうだな。
・NIMA(dance) 昨年、沖至氏とダンスと即興演奏のコラボをしておられて、惚れ惚れと見とれていたNIMAさん。今年は坂田明氏とのコラボでした。NIMAさんの踊りに坂田氏はソプラノサックス?で応答。音には回収不可能な、「祭り」な雰囲気が大好きです。踊ることに向けられ集中してきた身体の動きというのは、凄いもんだなあ、と思うわけです。
・坂田明 with 鶴谷智生(d)バカボン鈴木(b)黒田京子(pf)
本日のハイライトだったと思います。ひょうきんで凶暴で、優しくて、諧謔的で、血が騒ぐジャズ。よく考えたら坂田氏の生演奏ははじめて接したのでした。
・渋谷毅オーケストラ 重厚なジャズオーケストラ。昨年も聴いたとおりの印象。盛り上がってました。
・ふちがみとふなと 今年初めて観る「ふちふな」。『春一番』にも確実に「ふちふな」ファンはいて、昨年若い観客が多かった「レインボーヒル」との反応の違いがはっきりしていたかと。渕上さんが最初の曲で演奏していた鍵盤ハーモニカが、なにやらはじめてみる色のもので、新調されたのだろか。山之口貘の詩を曲にした『博学と無学』を始めて聴いた。
あれを読んだか これを読んだかと
さんざん無学にされてしまった揚句
ぼくはその人にいった
しかしヴァレリーさんでも
ぼくのなんぞ
読んでいない筈だ
――山之口貘『博学と無学』
これだけの歌詞ですが、渕上さんが繰り返し歌っていき、感情がうねり出すと、堪らなく切ない気持ちが、誇らしげになってくるのでした。「ヴァレリーさん」というのは、『テスト氏』asin:4828831436のアレですね。
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・パンチの効いたブルース 長見順(g)グレース(d)かわいしのぶ(b) 確か、「マダム・ギター」リリース時のバンドでベースを弾いていた人が、この日の渋谷毅オーケストラでベースを弾いておられたように思いましたが、これは3ピースのロックトリオでの演奏。轟音でバチバチ決まりまくる演奏で、順ねえさんのギターも、パンチドランカーの重量なまずのように(??)気持ち良くのたくっておりました。坂田明・鬼怒無月を加えた『舟歌〜アイ・ラブ・ロックロール』でステージ前で踊り狂ってしまいました。あ〜気持ち良かった。
しかし・・・まさか、小谷美紗子がこの日一番目に出ていたとは。そこだけ運が悪かったです。