M-1の選考は公平か?

もう去年の話になってしまったけど、まだ少し騒がれていたので今回はこのネタで。

敗者復活のサンドウィッチマンが優勝したことで、決勝進出者の選考(準決勝)は公平だったのかと疑問視されている。

そもそも、「公平」っていう定義が難しいけど、ここでは「ネタの面白さ以外の判定要素が含まれていない」ということだとする。

その定義に従って考えると、公平ではないと思う。というより、公平にはなりえないと思う。

それは、M-1の決勝がテレビのゴールデン時間帯で放映される以上、大会の運営側にはある程度の視聴率を確保しなければいけないというプレッシャーが確実に存在するから。もちろんネタの面白さが選考の第一基準であるとは思うが、選考をする中では「このメンバーで視聴率が取れるのか」ということを常に意識している筈。
さらに言えば当日は生放送で、運営側としても失敗が許されないので、ある程度の経験と実績を考慮してしまうのは仕方がない話だと思う。

では、テレビと切り離したイベントとして開催すればいいのかって話にもなるけど、そうなってしまうとまずスポンサーが付かなくなるので、賞金の1000万円が出ない。さらに若手芸人にとっては、ゴールデンタイムの番組に出れるというのもM-1出場の動機になっている筈なので、テレビと切り離してしまうと参加者のレベルがかなり低くなってしまう。

そういったジレンマの中で大会が行われている以上、公平ではありえない。

ただ別に僕はM-1を批判しているのではなく、今回はここ数年の中でも一番面白かった。それに、本当に実力があれば敗者復活からでも勝ち残って優勝できるという点は示したわけで、決勝戦の判定は公平に行われたと思う。(世の中の評価とは必ずしも一致しないのかもしれないけど)

あまりに世の中が完全な公平を求めすぎて、M-1という大会がなくなったりしてしまわなければいいなと、ちょっと心配してしまう今日この頃。