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2013-03-30

[]グロッグナック・ザ・オーク(23) -The Elder Scrolls III-

「戻ったぞ、カイウス」

冬の朝日を背に浴びながらグロッグナックは勢いよく言った。もはや姿を隠すためのローブは羽織っておらず、着古した鎧から延びた長い手足は艶やかな濃緑色に輝いていた。その声はジェラード山脈の彼方で轟く遠雷の如き深きバリトンだった。カイウスは応えて言った。

「帰ったな、グロッグナック

二人の挨拶は簡潔なものだったが、そのあとに短い沈黙を挟んだ。


「おまえに伝えるべきことが2つある」

カイウスは切り出した。

「メラ・ミロと連絡がとれない」

アシュランダーたちが失った予言についての詳細は、神殿図書館にある。そのためにも神殿図書館司書であるメラ・ミロの協力が必要だった。

神殿は一枚岩ではない。疑正統教義派と呼ばれる一派がある。彼らはトライビューナルの生き神たちの不自然な成立とその寿命の長さに疑問を抱き、教会異端として迫害してきた教義について知識の蓄積と思索を深めてきた。メラ・ミロはその一員だ。そして神殿騎士団であるオーディネーターたちが彼らを追っている」

メラ・ミロの正体について、グロッグナックはあらかた予想していたが、まさかカイウスの口から聞けるとは思っていなかった。

「だからこそ、こんな日が来ることを、我々は予め想定していた。どこか、おそらく彼女の執務室か居室に、『アマヤ』というキーワードに紐付くメッセージが残っているはずだ。そういう手筈になっている」

メッセージを残す暇があったと信じたいが・・・わかった、なんにせよヴィヴェックへ向かおう。あともうひとつはなんだ、カイウス?」


「私はシロディールに戻る」

グロッグナックは、数瞬の間、カイウスの発した言葉意味理解することが出来なかった。理解が進むにつれて、更なる疑問と、そして不安が沸き起こってきた。だが口をついた言葉は別の物だった。

「いつ?」

「おまえにメラ・ミロとの連絡手段を伝え次第、すぐ。つまり、この会話がおわれば、私はこの小屋を、ヴァーデンフェルを出ていく」

「・・・ヴァーデンフェルブレイズたちはどうなる?」

「おまえがオペレーティブに昇格し、おまえが率いることになる。好きに使え。あるいは、使わなくてもいい。今まで通りだ」

グロッグナック質問に、カイウスは淀みなく答えた。カイウスは常に考えていた。今まで通り。

「・・・実際のところ、私が把握していないブレイズも数多くヴァーデンフェルに潜入している。彼らのことは気にしなくていい。私のメンバー達は例外なく、自分がなにをなすべきかを自分で考えることが出来、自分決断し、自分で行動することができる者達だ。おまえの手を煩わせることはない・・・だが、おまえがほんとうに聞きたいのは、こういうことではあるまい?」


「・・・あんたはどうなるんだ、カイウス。なぜ、何のために、シロディールに戻るんだ?」

グロッグナック質問に対するカイウスの返答は遅れた。カイウスが想定していた「ほんとうに聞きたいこと」とグロッグナックの口をついて出た質問の間には、大きな差があった。

「・・・そうだな。すこし、その話もしておくか」

カイウスの、無意識の緊張がふっと緩む。

召喚状には、私が帝国中心部ロディールにもどることになる理由についてはなにも記されていない。だが想像は付く。陛下の身に何かがあったか、あるいはこれからあるのだ」

ブレイズ皇帝直属の諜報機関だ。その目的帝国安全保障であると同時に、皇帝そのものを守ることも含まれている。そしてカイウスは、皇帝護衛の任を、その主たるキャリアパスとしてきた。

「余程のことだ。帝国が、いや、タムリエルが揺れるのかもしれない」

カイウスは遠くを見つめる。

「・・・セプティム朝タムリエル帝国が成立して400余年・・・時代が変わるんだ、グロッグナック。いまのヴァーデンフェルの混乱をを見ていてそう思う。おまえは、その先駆けなのかもしれない」

カイウスはグロッグナックを見つめる。

グロッグナック、おまえの道を行け。おまえが考え抜き、おまえが見いだし、おまえが選んだ、その道を行け」


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