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2013-04-01

[]グロッグナック・ザ・オーク(25) -The Elder Scrolls III-

グロッグナックが目を覚ましたとき、辺りはすでに薄暗くなりかけていた。沈みつつある太陽最後の輝きが木々や岩場に長い影を投げかけていた。夕暮れの凪が世界を静止させていた。遠く潮騒が聞こえる以外、物音もない。

真実から脱出したグロッグナックはそのままエイボンハートに向かった。エイボンハートヴァーデンフェル南部にある帝国植民都市ひとつで、タムリエル大陸との交易のための巨大な港がある。そこでメラ・ミロの言葉に従い、港で疑正統教義派たちのエージェントと接触し、アズラ湾沖にある小島にやってきた。

グロッグナックは起き上がり、教えられた通りの岩場の前で待っていると、轟音とともに岩が移動し、中から木製の扉が現れた。宵と明の女神アズラに祝福された修道院とのことだが、同じ仕掛けはドウェマーの遺跡でもみたな、と思った。


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岩場の中の修道院は、相当に大規模な施設だった。いくつにも小分けされた部屋の中には無数の本棚と本、巻物が整然と置かれ、何人ものダンマーたちが黙々と作業を続けていた。

メラ・ミロはすぐに見つかった。メラ・ミロは背の高い初老の男と何事かを話していたが、グロッグナックを認めると男とともにグロッグナックのもとにやってきた。

グロッグナック、こちらが私たち指導者バレロ師よ。師よ、グロッグナックです」

グロッグナックだ。ネレヴァリンの予言について知りたい。アシュランダーたちが口伝の中で失った情報、失われた予言についてだ」

バレロは深く頷く。

「メラ・ミロから話は聞いている。我々はすでにこの件について調査しており、該当する写本も見いだしている」

バレロ羊皮紙の束をグロッグナックに手渡しながら続ける。

外来者、七つのビジョン・・・我らが保持してきた失われた予言に含まれる要素の多くが、我らが同胞たちに伝わる予言と重複していることだろう。そしてもうひとつグロッグナック、君が知らなければならないことがある。カグラナックツールについてだ」

バレロの目配せを受けて、メラ・ミロがグロッグナックに語り始める。

「カグラナックとはドウェマー族の魔導技術者であり、彼が残した3つの道具を総称してカグラナックツールと呼んでいます。そしてこのカグラナックツールをめぐる物語こそ、あなたが知るべき事柄なのです」


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遥かな古、ドウェマーの鉱夫がレッドマウンテンの地下において不思議な岩を発見しました。 カグラナックらの調査の結果、この岩が創造神ローハンの心臓であり、神話紀における彼自身の過ち、すなわち現在の不死ならざる世界を作り出したことへの報いとして、レッドマウンテンに打ち捨てられていたものであることが判りました。 この神の心臓たる岩より神秘の力を取り出し、ドウェマーにとっての新しい神を創造しようと試みたカグラナックは、魔法が込められた道具を3つ作り出しました。

ライスガードと呼ばれる篭手は使い手が心臓を打つ際の衝撃から守るために造られました。

サンダーと呼ばれる鎚は心臓を打ち、使用に適した力を制御可能なだけ取り出すために造られました。

そして、キーンと呼ばれる剣は放出される心臓の力を吸い取り、集めるために造られました。


「人造神・・・」

「それほどまでにドウェマーの技術力は優れていました。ですが、彼らの人造神は結局完成しませんでした。カグラナックツールが使われた瞬間、ドウェマーは一人残らず消え失せてしまったのです」

「消え失せた?」

「そうです。完全に。理由は定かではありませんし、消え失せたドウェマーたちがどうなったのかも判りません。結局のところ、この一事をきっかけとしてヴァーデンフェル島を巡るダンマーとドウェマーの戦いに終止符が打たれました」


レッドマウンテンでの戦いののち、ネレヴァーとダゴスはカグラナックツールを見出しますが、彼らもまたその扱いに困惑することになります。そこでネレヴァーはダゴスに一旦ツールを預け、レッドマウンテンを去りますヴィヴェックら、ネレヴァーの側近たちに相談するためです。

側近らと共にレッドマウンテンに戻ってきたネレヴァーが見たものは、カグラナックツールの魔力に取り込まれ精神に異常をきたしたダゴスの姿でした。

ネレヴァーの帰還までツールを護ると誓ったダゴスは、しかしネレヴァーが帰還してなおツールを手放すことをせず、逆にネレヴァーに襲いかかったのです。

ネレヴァーとヴィヴェックらはダゴスと戦い、ついにツールを取り戻しますが、ダゴスは逃走し、ネレヴァーは結果として死に至ることになる重傷を負います

ツールの扱いについて迷っていたネレヴァーたちでしたが、狂気にとりつかれたダゴスをみて、ツールを二度と使用しないことを誓いました。

ですが。


「ですが・・・ネレヴァーの死後、ツールの誘惑に打ち勝つことができなかったヴィヴェックらはカグラナックツールを用いて神となったのです」

「ダゴスはどうなったんだ?」

「神の心臓と共に長時間居たダゴスは、意図することなくそ神秘の力を受け継いでいたと我々は考えています。ダゴスはツールを意図的に用いること無く、神の力を手に入れてしまっていたのです。神の力を手に入れてしまったが故に死ぬことすら適わず、終わりなき狂気の夢と共にレッドマウンテンの奥底で眠りについているのです」

「カグラナックとダゴスは失敗し、なぜトライビューナルたちだけが成功した?」

「我々は純粋に知見の問題と考えています。カグラナックはローハンの心臓の力を知らずに、ダゴスはツールの力を知らずに、それぞれ禄な構えもなく挑みました。ダゴスに至っては目的すら無しに、です。それに引き替え我らの現人神たちは細心の注意を払ってツールを用い、目的に応じた最低限の力を神の心臓から得ました。そして彼らは得た力を正しく使い、多くの善行を成し、ヴァーデンフェル島のダンマーたちを繁栄に導きました」

バレロがメラ・ミロの言葉を引き継ぐ。

「君の言いたいことは判るよグロッグナックトライビューナルが幸せに導いたダンマーとは、トライビューナルの信者、すなわち大評議会に属するダンマーたちだけであり、アシュランダーたちはその限りではない。しかしそれでも、トライビューナルたちの偉業はタイバー・セプティムのそれに匹敵するものであると、我々は考えている。だが・・・彼らの心もまた、ダゴスと同様に蝕まれている。ブライトスリーパーズ、第六氏族・・・ヴァーデンフェルを巡る様々な困難に対して、効果的な対策を打ち出せずにいることがその証左だ。」

「ダゴスが目覚めた」

バレロが深く頷く。

「ダゴスは目覚め、狂気の赴くまま、トライビューナルに、ダンマーに、復讐せんと欲しています。かつてのレッドマウンテンのように。そしてそれを留める手だては、神殿にも大評議会にも帝国にもない」

バレログロッグナックを見つめる。

「だからこそ、先祖の叡智、古代英雄のもとに、ダンマーは再び一つとならなければならないのだ、グロッグナック

しかし、グロッグナックバレロが話し終えるよりも先に言った。

「おまえたちはなにもわかっていない。ダゴス復讐なぞ欲していない」

グロッグナック唐突言葉に、バレロもメラ・ミロも押し黙ってしまった。

ゴスが、いやヴィヴェックやネレヴァーが、方法こそ異なれど永劫の生命を生かされているのは、復讐の為ではなく贖罪のためだ。なぜ、ゴーストフェンスまで築いたおまえたちダンマーがそれに気付かない?

「だが、この写本の写しには感謝している」

グロッグナックはそれだけ言って、修道院を後にした。

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