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2014-11-27

[]イギッタかく語りき(15)-The Elder Scrolls IV- 「レヤウィンの推薦状(後編)」

The Elder Scrolls IV: Oblivion Game of the Year PS3 the Best

The Elder Scrolls IV: Oblivion Game of the Year PS3 the Best

イギッタはかつて語った。


レヤウィンメイジギルドマスターであるゲイルは、もって生まれ予言の力を制御するアミュレットを失っていた。彼女正気に戻し、推薦状を貰うためには、アミュレットを取り戻す必要があった。


そしてイギッタは今、語る。


ブルーブラッド砦・・・

イギッタの嘆息に、アガタは読んでいた書物から顔を上げた。

「・・・なぜ気づかなかったのかしら・・・ダゲイル家・・・ブルーブラッド砦・・・青ざめた血・・・それしかないわ!

イギッタも頷く。

ゲイルとの要領を得ない会話は、だがしかし予言をふんだんに含んでいるはずだった。その無関係に見える言葉たちを頼りに、イギッタとアガタはダゲイル一族に関する記録を紐解いていった。そして辿り着いた言葉ブルーブラッド砦だった。

「ニベン湾の東海岸奥地にあるブルーブラッド砦は、ダゲイル家が代々所有していたものと聞くわ。ただし、ダゲイルの父親を埋葬したのち、一族帝都移住しているから、砦は放棄されているはず」

・・・血は青ざめ、竜は空高く舞い上がった。壊れた塔と崩れ落ちた死体の下で、それは見つけられるのを待ちながら横たわっている・・・

ゲイルがイギッタに語った言葉だ。

それ、とは?

行ってみるしかない。


ロディール南部のべとつく湿度は、イギッタの故郷であるヴァーデンフェル南部のそれを思い出させた。この一帯は、水に強いアルゴニアンたちの住むブラックマーシュとの境界線ということもあり、開発や入植はほとんど行われていない。緩やかに起伏を繰り返す原生林がどこまでも続いていた。

時には膝まで水に浸かる道無き道を、ひた進むこと3日。砦はイギッタの目の前に忽然と現れた。

インペリアル風の堅牢な石造りの砦は、しかし半分以上が原生林に飲み込まれ掛けていた。蔦状の木々は砦に絡みつき、絶え間なく加え続ける圧力により、タムリエルの叡智の粋であるインペリアルの建造物を砕き、そして覆い隠さんとしていた。

砦内部への入り口はすぐに見つかった。巨大な鉄製の扉は原生林たちの浸食に耐え、本来役割を全うしていた。そしてその足元に泥にまみれた無数の足跡があった。

先客か。

イギッタは小剣を引き抜いた。


砦の中は盗賊巣窟と化していた。皇帝暗殺以降、シロディールの治安悪化する一方であり、それを助長していたのが、シロディール中に点在する、放置された砦や要塞だった。盗賊たちはそれらの根城拠点にして、悪事を繰り返していた。

時代終焉なのだ

経年劣化した政治と留まる進歩が、見えない死角とそこに潜む者たちを生み出す。彼らは警鐘であり、あるいは先駆けなのかもしれない。

幸いにも砦の内部は広く、盗賊たちは分散していた。イギッタは骸骨戦士を伴い、屋捜しをしつつ駆逐していった。路地出会盗賊たちに比べ、拠点を伴う盗賊集団は高額高品質な装備をしていることを、イギッタは経験上知っていた。盗賊の持ち物であれば売却時に盗品扱いされることもない。これは合法的な略奪行為だ。慈悲はなかった。



砦の最深部は、岩がくり抜かれただけの天然の洞窟になっていた。壁面には6フィートほどの窪みがいくつも穿たれ、同じ長さの木のが置かれていた。

ロディール中で見ることが出来る、古インペリアル風の地下墓地だ。

それはイギッタにはお馴染みの光景だった。

・・・壊れた塔と崩れ落ちた死体の下で、それは見つけられるのを待ちながら横たわっている・・・

棺の一つ一つを丹念に調べ上げてゆく。殆どの棺は古い時代の物だったが、ひとつだけ新しいものがあった。新しいといっても、ほかの棺と比べた場合であって、その棺もまた、時間浸食を受けていた。うっすらと積もっていた埃を払うと、ダゲイルの父親の名前確認することが出来た。

さて、どうしたものか。

イギッタが思案していると、突然背後から声が聞こえた。

「・・・待て、そ、そこで止まれ、いいな?」

イギッタはゆっくりと振り返った。相手の存在に気づかなかったが、狼狽はなかった。相手はまず声をかけてきた。殺意がないか、あるいはただのバカか。そしてその声には聞き覚えがあった。再び声が聞こえる。

「どうして全てを台無しにするんだ?」

振り返ったイギッタの視線の先には、深緑のゆったりとしたローブに身を包んだ男がいた。レヤウィンメイジギルドのメンバーの一人、カルサーだ。レヤウィンメイジギルドにて、イギッタがダゲイルアミュレットについて聞き取りをした対象の一人でもある。

台無し?何のことだ?

「お前が何をしようとしているか、おれが知らないとでも?アミュレットを探していたことも、見つけたことも知ってるぞ。そして、それを阻止する必要があることもな。さっさとアミュレットを渡せ」

よくしゃべる。イギッタは思った。

アミュレット?ダゲイルアミュレットのことか?

いつまでも隠しておくつもりはなかった。目的が達成されたら、返すつもりだった。間違っていないだろ?」

目的

「私が昇進し、ダゲイルが降格すれば、それでアミュレットは彼女の手に戻ってくるのだ。なぜ邪魔をする?」

邪魔してるつもりはなかったが、イギッタは思った。

そもそも、なぜそこまでダゲイルを目の敵にするんだ?

イギッタの言葉に、カルサーは表情を大きく変えた。

「どうして魔法アミュレットで正気を保ってるような婆さんの下で働かなくてはならないんだ?これ以上、あの女のために犠牲になれっていうのか?」

カルサーは激高していた。

彼女はこれ以上ここにいるべきじゃない!彼女の父親が世渡り上手だったのは、単に目立たないようにしていたからだ。ヤツの末路を知ってるか?帝国に何年も仕えておいて、墓石さえないんだぞ!ふん。生前はいい思いをしたようだがな」

政治。沼。それは、人知れず、人を飲み込むのか。立ちはだかる権力構造。居座る権力に、順番を待ちわびる権力。全てが沼の中の出来事だ。

だがカルサー。イギッタは言った。

欲しい物があるならば、自力で穫りに来い。


「・・・分かった。話し合いは決裂だな、そうだろ?そんなに長いこと、顔をつき合わせてもいてられないんでな!」

言い終えるや否や、イギッタが呼び出した骸骨戦士と、カルサーが呼び出したモートが激しく衝突し、洞窟の暗闇に火花を散らした。

続いてのメイジ同士の戦闘は、まずイギッタが仕掛けた。カルサーとの距離を跳躍で一気に縮め、小剣を振りかざした。

予想外に堅い手応え。イギッタの小剣はカルサーのローブを切り裂き、その身を僅かに傷つけるに留まった。物理防護の呪付が施されているのだ。

盗賊たちの死体を見なかったと思うのか?!」

カルサーは、ブルーブラッド砦でイギッタが倒してきた盗賊死体を見て、イギッタが近接戦闘を得意としていることを知り、予め物理防護の呪付の施していたらしい。

カルサーの反撃はイギッタの身を焼いた。破壊魔法使い同士の戦闘は、その能力が同じであれば破壊魔法威力も同じであり、魔法の撃ち合いになれば先手を取った方が勝つ。しかしイギッタは得意の雷撃を放った。

イギッタの雷撃がカルサーを打った瞬間、金色きらめき燃え広がる。カルサーの表情が驚愕に歪む。

「これは!耐性減少か?!」

イギッタの小剣もまた、呪付が施されていた。斬りつけた相手の属性耐性を減少させる効果だった。それはイギッタの雷撃の威力相対的に増加させ、後手のディスアドバンテージを補ってあまりある物だった。

そしてこの位置では、外しようもない。

イギッタは二度目の雷撃を放った。


ブルーブラッドから持ち帰ったアミュレットをダゲイルの手に持たせ、ゆっくりと手のひらを閉じさせる。すると、ダゲイルの目は焦点を、せわしなく痙攣を続けていた口元にも落ち着きを、それぞれ取り戻していった。

イギッタは、ダゲイルが見つめているのを感じた。

「声が・・・聞こえる。いま、ようやく貴方の声が聞こえます」

ゲイルの穏やか声は、イギッタの心を強く捉えた。

『声が静まった今、お前の求める言葉を口に出来る。お前は授かるだろう・・・私からの推薦を』

推薦。アルケイン大学入学のための推薦状。各地のギルドマスター全員分が、これで揃うことになる。しかし、ダゲイルは続けて言った。

『だが我は汝に警告しなければならない。汝の未来に見えるものがある。そうなるかもしれないもの、そしてそうなるであろうものが』

ゲイルの声には不穏な響きがあった。それでもイギッタは避けることが出来ない物を感じていた。

大勢の者の命運が、お前に委ねられるであろう。生と死は奇妙なもの、簡単に操られる、二つともお前自身の手によって変えられる』

生と死を・・・操るもの・・・?

ゲイルは表情を崩して言った。

「イギッタ。まずは大学に行きなさい。そして学びなさい。未来は移ろいゆくものであり、そして変え難きものです。私たちは備える事しかできません」

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