Jacques Schwarz-Bart, Soné Ka-La(2007)

グアドループ出身NY在住のジャズ・ミュージシャン、サクソフォーン奏者、ジャック・シュヴァルツ=バルト。
前から存在は知っていて、聴いてみたいと思っていた。

ある時、地球の表と裏(裏と表)にふたりの一歳違いの妊婦がいた。
一方は日本の東京に、もう一方はカリブ海グアドループのレザビームに。
ふたりはわずか数十時間の差で子供を産んだ。
その年の冬至の日に生まれたのがジャック、冬至の前日に生まれたのがnorahである。
norahはご覧の通りだが、ジャックは初め政治学を学び、後にボストンのバークレーに入学して音楽を志した。

ということでとても気になっていたジャックを、マルチニックの友人のところで初めて聴く機会を得た。
ジャズにはまったく詳しくないのだが、グアドループらしい太鼓のリズムに伴われたジャックの音楽をとてもいいなあと思った。

姓からわかるとおり、ゴンクール賞作家アンドレとわれらがシモーヌの息子である。
推薦評をシャモワゾーが書いていたりして、芸術一家の七光りかと思ってもいた。
実際デビュー当時、シュヴァルツ=バルト夫妻の子供ということばかりを地元では書きたてられたそうだ。
「その時から、いやこれは本物だとぼくは思ってたね」と、車の中でジャックを聴かせてくれた別の友人。

友人たちが聴かせてくれた新しいアルバム「Abyss」に比べ、2007年に出された「Soné Ka-La」(太鼓よ、響け)はより華やかな印象。
4歳でグウォカ(グアドループの太鼓音楽)に出会い、アンザラに伝統的なリズムの手ほどきを受けただけあり、その音楽はグアドループらしいリズムに満ちている。
ジャック自身のサクソフォーンの音はもちろん、ジャン=ピエール・コクレル、アドミラルTらが共演する「Toumblak」、「Pé La」などのアップテンポな曲にも心躍る。

Sone Ka-La

Sone Ka-La