始まりはいつも酒

一昨日の夜、王さんが飲みながら「キャンプ行くぞ〜」と発案、昨日の朝決定した1泊2日のキャンプ旅行。
昨日の昼に場所探し、夜道具を購入(テントはあったのでそれ以外を)してあった。
自分が歯医者の予約を入れてしまっていたのでその間に娘と王さんはシャワーを浴びたり準備をして、自分が戻り次第車に荷物をバンバン積み込んで、近所のスーパーで酒と食材を買い込んで出発。
ちなみに王さんはキャンプというのはうちの実家で毎年やっているキャンプに3回くらい参加した以外は全く経験が無く、子供の頃からそのキャンプに参加している自分も「主催」というのをやったことは無かった。そんなメンバーで初めて自分達だけでキャンプをすることになるのだが、その割に二人とも「どうにかなるだろ」という気持ちのとても強い人間なので(携帯とか水没すると迷わずドライヤーかけるタイプ)(何しろ二人で大阪行ったときもガイドブックに目すら通さず行った)、準備もかなりの油断っぷりで進めていた。これが後々、様々な問題を引き起こすことになる。

三陸道を北へ

王さんが食料を買い出している間、自分は王さんのセットしていたナビをチェックして地図と見比べ、今から行くルートの確認をしていた。うちの車のナビは腐っているので、最短ルートが出てこない確率が5割くらいもあり、今回もそうだったので、食料を買って車に戻った王さんに超得意げに「ここからここまで高速に乗った方が早いよ!!」と言うと、「知ってる。ナビは適当に入れてみただけで、その場所は通ったことあるから」と言われる。
王さんの運転で北へ。王さんは仕事で以前何度も走ったことのある道なのだそうで、カーナビも自分の助手席ナビも全く必要とせずに目的地に到着。

設営は早い方です

テントを張る場所を決定したら、即テントの設営をする。早く張ってしまわないと海に行く時間がなくなってしまうからだ。自分達だけならどうでもいいが、夕方近くなると娘にとっては風も冷たいだろう。実家でのキャンプのときに1回張っているので、かなりのスピードでフライシートまで行けた。前回は強風が吹いていたので大人5人がかりでも大変だったのだが。元々、自分は割りとテントなどの組み立てや解体が好きな方だし、早い方だ。これならホームレスになった時もすぐに立ち退いたり移動したりできるので得な性分だと思う。

思い出した。この波

早速水着に着替え、小高い丘になっているテント場から浜の方へ降りる。三陸特有の入り組んだ地形にある浜で、すぐ目の前に隣の半島が見えている。それなのに全く弱まっていないように思える波の強さ。忘れていた。最近むつ湾しか行っていないから完全に忘れていた。太平洋のこの波の強さ。静岡で初めてこの波に出会った時は感動したなあ。勝浦も凄かったなあ。日本海日本海でまた違う凄みがあるんだけど、太平洋の何と言うか、有無を言わせない水の質量みたいなのには、いつもいつも圧倒される。
娘はリアス式海岸といえど初太平洋にすっかり引いてしまっていて、全然海に入ってこようとしないので無理やり抱いて海にぶち込んでみたら泣いて暴れて拒否される。しょうがないので王さんに娘を見てもらって少し泳ぐ。王さんはメガネとシュノーケルという文明の利器に頼らない限り常時カナヅチで、今回それを忘れたので腰の高さまでしか海に入らなかった。

肉の色が見えない

戻ったら早速バーベキュー開始。王さんはとにかく炭をケチらず火をガンガンに起こすタイプなので、途中いくらか肉が炭化したりはしたが、なかなか美味く焼けて酒も進み、全ては順調に運んでいるかに思えた。
しかし、19時近くなってくるとまだ夏なのにつるべ落としのように日が暮れ、突然に辺りのものが見えづらくなってきた。もちろん我々もキャンパーとして、明かりぐらい準備してあったのだが(自分は忘れていたが王さんが覚えていて前日に購入)、これが乾電池式のLEDランタンで非常に光量が弱く、肉の色がほとんど判別できない。しかも明かりはこれ一つで懐中電灯すら持ってきておらず、災害用に車に備えていた手回しラジオライトというのはもっと光量が少ない。仕方が無いので肉の焼け加減は「網の上に置いただいたいの時間」によって判断し、まだ箸先が見える内に焼き切った。

火の好きな血筋

自分の父親は孫を抱いて火の上を飛ぶような駄目な人なのだが、自分もドラゴンなどは手持ち花火であると長らく認識してきたし、打ち上げなどでも物理的に手で持って問題の無いものは全て手で持ってきたような相当に駄目な人間だ(読んでないと思うけど小さい子は決して真似しないで下さい)。でもロケットはあれ駄目だわ。不器用だから手を離すタイミングが分からなくてヒヤッとしたこと何回もあるわ。もう何年も前の話だけど。
で、うちの娘。これが完全に火が好きなんだよなあ。娘にとって今日は人生3回目くらいの花火なんだけど、1本終わるとまた次を要求するし、キリがない。大体、何一つビビッちゃいない。花火への着火用に地面に置いたオギ(炭の白く燃えているやつ。他の地域で何と言うんですか)にも平気で近づいていくので相当冷や冷やした。

みんな早寝

21時頃、あまりに暗いし肉も焼き終わったので、テントに入ってスナック類をつまみながら飲むことに。外よりもテントの中の方がテントの内壁の反射で光量が確保できるはず、と王さんが言うので従ってみたらほんとにそうだった。
しかし、自分は間の悪いことに持病の偏頭痛を発症(酒で頭が痛くなったとは意地でも思いたくないっていうか思わない)し、それでも気合だけで缶チューハイの残りを飲み干してから、娘を寝かしつけつつ就寝。横で自分の醜態をなじっていた王さんは自分よりも早く寝てしまっていた。