伝声管無念
バイクの走行動画に、「しゃべり」を入れたいなぁと思ったんですが。
俺のエクシリムEX-FR10には、外部マイク端子がありません。
USB経由のマイクも、ざっと調べた感じなさそう。
つって、大声でしゃべっても風切音でかき消されます。
「なんかいい方法はないかなぁ」と考えてたら。
降りてきましたよ、ご存じ「天啓」が。
高確率でトラブルを引き起こし、最終的にはただただネタになる、例のあれが。
タイトルでおおよその見当はおつきでしょう。
聴診器のようにパイプを使って、アナログでつないでやるんです。
つわけでまずは、手持ちの水槽ポンプ用パイプを用意します。
適当にカットして、マイク部分(赤枠)へつながるよう一部を切って。
ビニールテープで仮止めして、口元の方も切れ目を入れて開いたら。
レッツテストライド!
近所を走って試してみますと……やはり風切音がすごくてダメ。
「パイプが細すぎるのかなぁ。それとも集音が弱いのかなぁ」
それならば、太いパイプを使い、しっかり集音してやればいい。
骨折時の軋轢(あつれき)音を聞くために用意してある、聴診器を引っ張り出し。
これを切り飛ばして、マイク代わりに使ってやります。
ああ、大丈夫。仕事用にはちゃんと、新しいのを買いました。
つわけで、買ってから使ってなかった聴診器。
同じように、マイクへ接続する部分をカットして。
プロテクターへビニールテープで仮止め。
ダイアフラム集音部分を、ヘルメットの中へシリコンバンドで固定したら。
さあ、今度こそうまくいってくれよ?
意気揚々と、昼の町内を走りだすマイトガイ。
まあ、ご想像の通り、まるっきしダメでした。
「まてよ、せっかく聴診器なんだし、ダイアフラムを直で当てれば?」
自分の天才っぷりに、めまいを覚える46歳。
仕事が終わった瞬間から、いそいそと準備をします。
こんな感じでのどにダイアフラムを直接あてれば、ノイズなく声が拾えるはず。
「咽頭マイク」と似たようなシステムですな。
多少は「こもる」でしょうが、これならきっと、声がしっかり拾えるでしょう。
「いっや、やっぱ俺アタマいいなぁ」
自画自賛しながら、夜の裏道を走り出した、かみさん。
家に帰りつくなり、ニコニコしながら動画をチェックし。
愕然として言葉を失ったあと、黙ってカメラから聴診器をはずし。
編集するはずだった動画のすべてを消して。
これからのんびり、本を読むことにします。
そんな感じで。