一挙観開始

nostalji2017-05-11

ダビングして持ってきた時代劇『子連れ狼・子を貸し腕貸しつまつる』(1972年・東宝/監督:三隅研次)を観る。ワカトミの“子連れ狼”シリーズ第1作です。
公儀介錯人の役職を狙う柳生烈堂(伊藤雄之助)に反逆の汚名を着せられた拝一刀(若山富三郎)は、捕縛にきた柳生備前渡辺文雄)と柳生蔵人(露口茂)を斬り、息子・大五郎(富川晶宏)と柳生一族への復讐のため冥府魔道の道を歩むことになります。刺客となった一刀は、小山田藩江戸家老内藤武敏)から、世嗣を殺して御家乗っ取りを画策する国家老(内田朝雄)と暗殺部隊を壊滅すること。暗殺部隊が集結する湯治場に向かった一刀は……
このシリーズの魅力はチャンバラ。奇想の殺陣が随所にあり実に面白いのです。本作では、前半は烈堂(原作が劇画ということを意識してか、伊藤雄之助はメチャ臭い演技で浮いています)の息子たちとの1対1の対決。備前相手には、川に誘き寄せての立ち合いで、一刀は刀を水中に沈めて間合いを見せぬようにし、斬ってくる備前を水鷗流波切りの太刀で水中から斬り上げて倒します。蔵人相手には、西陽を背にした蔵人に対し、一刀は大五郎の額につけた鏡の反射で目をくらませ、陽に立ち向かった不利な条件を逆転。
後半は宿場町での殺し屋集団相手の大立ち回り。血が噴き出るだけでなく、首は飛ぶし、頭はまっぷたつと、残酷性でなくスプラッター殺陣の美学を感じま〜す。