続きで

新作テレビ西部劇『法執行官:バス・リーブス(全8話)』の5~8話を観る。

連邦保安官バス・リーブス(デビッド・オイェロウォ)は休む間もなく、パーカー判事(ドナルド・サザーランド)からテキサスで白人を殺した黒人の移送を命じられます。家族よりも仕事を重視する夫に妻のジェニー(ローレン・E・バンクス)は不満。バスが黒人を引き渡したテキサスレンジャーは、第1話で恩人の息子を殺した元南軍兵士のピアス(バリー・ペッパー)。バスはピアスを逮捕したくてもできません。その頃、黒人を拉致するサンダウンの噂が流れます。ピアスに引き渡した黒人が行方不明になっていることを知ったバスは、サンダウンはピアスと確信。彼が保安官になるきっかけとなった連邦副保安官シェリル・リン(デニス・クエイド)と助手のビリー・クロウ(フォレスト・グッドウッド)を連れてテキサスへ。ピアスの農場では黒人が奴隷のように働かされており……

バスの連保保安官としての活動を描くとともに、バスの家族を通して南北戦争後の黒人の社会への係わり方も描いています。爽快感はないものの、銃撃戦もたっぷりあり、西部劇として満足できる作品で~す。

 

新作テレビ西部劇

『法執行官:バス・リーブス(全8話)』の1~4話を観る。

第1話は、リーブス家の奴隷バス(デビッド・オイェロウォ)が主人(シェイ・ウィガム)と南北戦争に従軍。しかし、主人が上官と諍いしテキサスの屋敷に帰郷。妻ジェニー(ローレン・E・バンクス)と再会しますが、主人のやり方に怒り、主人を殴り飛ばして逃亡。セミノール族のサラ(マーゴット・ビンガム)に助けられます。サラの家で暮らすうちに戦争は終結し、ジェニーのもとへ帰ります。

第2話は、バスの農場は飢饉で生活が苦しく、バスは連邦副保安官シェリル・リン(デニス・クエイド)の助手となって無法者を追跡。バスは、犯人逮捕に手段を選ばないシェリルに反発し、シェリルを殴り飛ばします。シェリルの報告を聞いたパーカー判事(ドナルド・サザーランド)はバスを連邦副保安官に任命。

第3話は、バスの最初の任務。駅馬車強盗アンダーウッド・ギャングの手先・ビリー・クロウ(フォレスト・グッドウッド)を逮捕します。そして、ビリー・クロウを殺しに襲撃してきたアンダーウッド・ギャングを返り討ち。

第4話は、ビリー・クロウを助手にして、バスは次々に無法者を逮捕。連邦副保安官としての名前をあげていきます。

主人公は、奴隷から連邦保安官になり、オクラホマで3千人の犯罪者を逮捕したという実在の人物。黒人が主人公ですが、人種差別とか偏見といったものは前面に出さず、正義をつらぬく行動を描いています。デニス・クエイドドナルド・サザーランドは老けすぎの感がありますが、西部劇の似合う役者が少なくなったということなんでしょうな。

 

今月最初の西部劇

DVDで『大西部への道』(1967年/監督:アンドリュー・V・マクラグレン)を再見。史上に名高いオレゴン・トレイルの踏破を描いた西部劇。

1943年、ミズーリ州インペデンスの町からオレゴンに向けて幌馬車隊が出発。隊長は上院議員だったタドロック(カーク・ダグラス)で、オレゴンの地に新しい町作りを夢見ています。同じように新天地にロマンをはせているエバンス(リチャード・ウィドマーク)も妻(ローラ・オルブライト)と息子ブラウニー(マイケル・マクグリーヴィ)を連れて参加。道案内人サマーズ(ロバート・ミッチャム)が先導する幌馬車隊は、途中でいろいろな事件に遭遇。ブラウニーはマクビー(ハリー・ケリー・ジュニア)の娘マーシーサリー・フィールド)を好きになりますが、マーシーはセックス拒否症の妻アマンダ(キャサリンジャスティス)を持つジョニー(マイケル・ウィットニー)と関係ができます。幌馬車隊はインディアンと遭遇し、ジョニーが狼と間違ってインディアンの少年を射殺。少年は酋長の息子で、酋長は犯人の処刑を要求。タドロックはジョニーの首に縄をかけるという非情の決断をします。目的達成のためには“嘘も方便”とばかりに決断してきた傲慢なタドロックと、幌馬車隊の仲間から信頼されているエバンスが対立しますが、タドロックは目的地を目の前にして、恨みを持つアマンダに殺され……

大自然の中を行く幌馬車隊の映像は西部劇の原点。マクラグレンはシネスコ画面いっぱいにフォード譲りの素晴らしい映像を見せてくれます。以前、テレビで再見した時はテレビ用にトリミングした画像でガッカリしたものですが、やっぱりシネスコでないとね。ダグラス、ウィドマーク、ミッチャムがキャラにあった演技をしており、作品に深みを与えています。125分という時間枠の中に、いろいろな人間関係を詰め込み過ぎたきらいがありますが、見応えのある作品であることは間違いありません。ブロニスロー・ケイパーの音楽もグッド。

 

帰ってから

旅行中に読みきるつもりだった今東光の『蒼き蝦夷の血(全4巻)』(徳間文庫)を読了。旅行前に2巻まで読み、3巻と4巻の途中まで旅行中に読み、帰ってからやっと全巻終了ね。

『蒼き蝦夷の血』は、晩年の今東光が奥州藤原四代を描こうとした未完の大作。1巻(1993年2月15日初版)は、初代・清衡の誕生から死まで。父・経清は義兄・安部貞任に味方して前九年の役で敗死。母は敵方の清原氏に再嫁。父の仇が養父となるんですな。養父が死んで、清原家に内紛が起こります。後三年の役で清原家は滅び、源義家に味方した清衡は藤原氏に復帰し、父と養父の遺領を支配下に置き、奥州藤原王朝を創建。

2巻(1993年2月15日初版)は、二代・基衡の誕生から死まで。清衡が死に、嫡子である基衡と妾腹の兄・惟経との相続争いが前半。後半は父の偉業を継ぎ、政体を整え、軍備を拡充、蝦夷に胚胎する内乱を間髪おかず潰し、仏国土建設に邁進。

3巻(1993年3月15日初版)は、三代・秀衡の誕生から義経を平泉に迎えるまで。基衡の治世を継いだ秀衡は、朝廷より鎮守府将軍を拝命し、北方の王者として奥州に君臨。都は公家・武家が争う権謀術数の坩堝。平清盛が台頭し、平氏政権の黄金期を確立。秀衡は平氏との対決を考え、商人・吉次を使い、鞍馬にいる源義朝の遺児・牛若丸に触手を伸ばします。

4巻(1993年3月15日初版)は、秀衡の物語でなく、義経が頼朝のもとへ馳せ参じ、壇ノ浦で平氏を滅ぼすまでの物語。面白いのは1~2巻までで、3巻以降は知られている話ばかりなので興味が薄れていきました。

 

オランダ・ベルギー旅行9日目(4月11日)

8時15分に下船し、ブリュッセル11時20分発のルフトハンザ1009便でフランクフルトへ。

フランクフルト発14時05分のルフトハンザ716便に乗り継いで帰国。12日10時35分羽田に到着。

長い飛行の暇つぶしに映画を観るのですが、今回は読書で過ごす。旅行中に観たのはクルーズ船で上映した『真珠の耳飾りの少女』(2003年/監督:ピーター・ウェーバー)。フェルメールの代表作である「真珠の耳飾りの少女」の製作秘話といった作品。

1665年のオランダ、デルフトの街。少女グリート(スカーレット・ヨハンソン)は画家フェルメール家の下女として住み込みます。フェルメール夫人(エッシー・デイヴィス)にアトリエの掃除を命じられたグリートは、フェルメールコリン・ファース)の指示にソツなく対応。絵の素養を見出したフェルメールは、グリートに遠近法や絵の具の調合を教え、助手として手伝わせます。ある日、絵の構図が悪いと考えたグリートは椅子を動かし、これを見たフェルメールは描いていた椅子を消し、光と影を付け加えて陰影を強調。フェルメールはグリートをモデルとした製作を決意。アトリエに二人きりでこもることが多くなり、夫人はフェルメールがグリートに恋情を抱いていると誤解。あらぬ噂も流れ、夫人は逆上して立ち入らないはずのアトリエに乱入。そこで夫人は自分の耳飾りをつけたグリートの肖像画を目にするのです。

芸術を理解しない夫人との対比として主人公が描かれており、主人公の目を通してフェルメール作品の色彩や構図を映像で再現。絵のモデルは一般的にはフェルメールの娘と云われていますが、この作品では主人公に意地悪する性悪娘になっています。「牛乳を注ぐ女」のモデルのような下女も出てきますよ。ドラマとしての厚みはありませんが、謎の多いフェルメールを垣間見る楽しみがありました。

 

オランダ・ベルギー旅行8日目(4月10日)

午前中は、グロート・ベイハールデン城で1ヶ月間だけ開催されている花の祭典フロラリアを見学。キューケンホフ公園と比べると小規模ですが、人混みがないのでゆったり見物できます。

帰船して、カレーorハヤシライスの昼食の後、小型車にてブリュッセル市内観光。ベルギー名物・小便小僧を見た後、グランプラスへ。小便小僧は意外と小さく、世界中から贈られてくる洋服を着た姿は何じゃコリャでした。グランプラスは四方を歴史的建造物に囲まれた広場。チョコレート・ショップも多く出店しており、カミさんが日本未上陸のブランド・チョコレートを探している間、私はベルギービール醸造博物館を見学。見学の最後には生ビール1杯が無料で飲めるのです。

夜はお別れ夕食会のフルコースディナー

クルーズ船の旅行は楽でいいのですが、食事は飽きてきます。ホテルで毎朝・毎晩食べるのと同じわけで、本当に美味いものは、専門のレストランでないと味わえませんからねェ。焼き鳥とか焼肉が食べたくなりましたよ。

 

オランダ・ベルギー旅行7日目(4月9日)

午前中は、ミニトレインを利用したアントワープ観光。アントワープにはゴシック期の教会やバロック期の建築群が数多く残されています。

大聖堂でルーベンスの「キリストの降架」を鑑賞。『フランダースの犬』では、ネロとパトラッシュがこの絵の前で死んでいくんですな。ベルギー人が冷たい国民のような印象を与えるので、ベルギーでは『フランダースの犬』は人気がないようです。中国資本が寄贈した石像があるのですが、観光客はこの上に座って休んでいます。

帰船して、和弁当の昼食。海外でも日本食を何度も食べていますが、日本人シェフの料理ばかりだったので満足できたのですが、外国人シェフの和食の味は残念ながら美味いとは言えず✕。

午後はブリュッセルへ向けてクルーズ。ブリュッセルに22時入港。