アカイロ/ロマンス 5 枯れて舞え、小夜の椿

凄く面白かった。
正直このシリーズは物足りないものを感じていたのですが、そんなものが今巻で一気に吹き飛びました。
ああもう、たまらない。


ロマンスという言葉がタイトルにある意味が良くわかる巻でした。
ここまで愛に溢れた物語であるとは思っていませんでしたよ。
今まで謎だった部分が愛を絡めて明らかになることで納得し、また怖くなりました。
景介と枯葉の最近の恋愛模様は普通な感じで、この著者にしては珍しいなどと思ったりもしたのですよね。
それが一気に突き落とされたようで、なんというか楽しい。


景介が幼い頃に会ったのは木春なのだろうなという予想はあったのですが、枯葉との単なるすれ違いに繋がる程度の認識でした。
ここまで衝撃的かつ歪んだ展開になるとは。
これまでの行動に納得が出来てしまうがだけに、逆に恐ろしいものがあります。
依紗子がとった行動も愛ゆえのものなのですよね。
依紗子の景介に対する執着には大きな理由があるのかなと勘ぐっていたので、明らかになった理由には肩透かしをくらった気分にも。
ただ、納得できてしまうのですよね。
それにしても、景介はどんどん重たいものを背負っていくなと。
普通に耐えられないよな。


次の最終巻がとても待ち遠しいです。
景介と枯葉がどのような結末を迎えるのか非常に楽しみ。
早く読みたいです。