笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

テレビに出続けているバラドルは対立構造を作れる

日本テレビのお昼に放送している「ヒルナンデス!」。司会はウッチャンナンチャンの南原清隆。最近この番組で、曜日問わずに大活躍している女性芸能人がいます。

それは井森美幸さんです。

食レポから買い物バトルまで、どんなロケでも彼女がいれば必ず面白くなる。そう言いいたくなるほどの存在感を放っています。金曜日の「ヒルナンデス!」に3色ショッピングというロケ企画があります。このコーナーを仕切る南海キャンディーズの山里亮太がさんが、最強のバラドル4人が揃ったときの様子を自身のラジオで熱く語っていました。

山里亮太が「ヒルナンデス!」の3色ショッピングで感じたバラドルの凄さ

2012年8月8日放送「山里亮太の不毛な議論」(TBSラジオ)

パーソナリティは南海キャンディーズ山里亮太。

ももいろクローバーZの西武ドーム公演にギリギリ駆けつけた話をきっかけにして、周りにはスターやすごい人がいっぱいいるという話になります。

山里「僕の周りのスゴイ人、そして、やっぱテレビに出てる人、世の中の人みんなが知ってる人たちって、その、みんなが知っている期間が長い人たちってやっぱスゲ~んだなって思うことがいっぱいあって、例えば、つい最近ね、3色ショッピングやっててね、俺の大人気コーナーですよ、『ヒルナンデス!』大人気コーナー、『ナニ色のナニ!』でおなじみのね」
(作家笑)

アンタッチャブル山崎さんに会う度このフレーズをイジられるそうです。

山里「『ヒルナンデス!』3色ショッピング、そのロケでね、あの~、俺はツイッターでもちょっとつぶやいちゃったんだけど、『バラドル』って昔から言うじゃない、バラエティアイドルっていう人たちのスゴさ、底力をまざまざと見せ付けられたっていうか、そりゃテレビ出続けるわ、こんなスゴいんだもん……って思ったのよ」

山里さんにそう思わせたバラドルとは一体誰でしょうか。

山里「それは誰とロケしたかって言うと、変な動きで踊る井森美幸さんね、群馬の産んだ女豹・井森美幸さんと、バッチリチリ脚・坂下千里子さん、そして、ワイプクィーン・矢口真里さん、そして元AKB48の大島麻衣、この4人とロケしたんだけど……言ってもバラエティの、どバラエティを、アイドルとバラエティの半々ぐらいで立ち回れる猛者たちじゃない、この4人でやるロケ、まあ~楽チンよ! 全てを分かってるから」

ちなみに先ほど触れたツイッターでのつぶやきがこちら。

テレビに出続けているバラドルには共通点がある

山里「あの……こういうの言っていいかどうか分かんないんだけど、2本撮りなのね、ふふっ、3色ショッピングって、1日2本撮るのよ、うん、で、1回のお買い物で結構待ったり着替えたりするから大体3時間ぐらいやるわけですよ、まあもちろん、それはカメラが止まってるときもありながらよ、6時間ですよ、2本撮ってね、大変ですよ結構、それでもですよ、私気付いたんです、このバラエティアイドルの方々が、こうずっと名を残している人たちの共通点っていうのを」

その共通点を明かす山里さん。

山里「シンプルに言うよ、それ当たり前じゃんって思うかもしれないけど、スゲ~頑張ってくれるっていうのがあんだよね、だからこれは! 『そんなの当たり前だろ、頑張るぐらい驚くもんじゃないよ』って、いや、頑張り方のレベルが違う、今言った4人はもうね……まっ、あとここにね、森口博子さんなんかもそう」

より具体的な話へ。

山里「もうカメラ回っていようが回っていまいが全部、その日の企画、コーナーに関係することを、本当に心から楽しそうだったり悔しそうだったりするリアクションを、(感情込めて)ず~っと1日中取り続けるの、2本撮りで、2本目の移動が都内から次の郊外のほうにね、行くときのバスの中で、さっきの反省とかをすごく楽しそうにしたりするわけよ、そんなのってさ……嬉しいじゃない」

そして、大島麻衣さんについて言及していきます。

山里「自分が今ここでこう……この人に対してケンカを売ったら絶対イイっていうようなときがあるわけよ、対立構造だったりは絶対テレビで大事だから、ああいうものって、そういうときにケンカをちゃんと振れる人ってスゴい才能がある人なの、やっぱ結構難しいのよ、ケンカ売るのって、でもそれに関して言うと大島麻衣ちゃんが次世代のバラエティクィーンになりそうな気がするぐらい上手いのよ、ケンカを売るのが、で、振ったら120パーセント応えてくれるのがこの4人そうなんだけど」

大島麻衣さんがちょっと離れているときに、「あの子はデキるね」みたいな会話を残りの3人でしていたそうです。

ところで、ここでもう1人、絶対に忘れてはならない「バラエティクィーン」がいます。ベッキーです。

風とメロディー

風とメロディー

山里亮太が「宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!」で感じたベッキーの凄さ

2012年7月4日放送「山里亮太の不毛な議論」(TBSラジオ)

パーソナリティは南海キャンディーズ山里亮太。

冒頭のフリートークで、ナレーター(司会)を務めている「宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!」で起きた出来事について話す山里さん。この収録に集まった主なゲストは叶姉妹、ももいろクローバーZ、はんにゃ、都はるみ。

山里「山里のこの『不毛な議論』を聞いてくださっている方々はね、ももいろクローバーZ、山里、金田(はんにゃ)という3組が出てるということは、つまりはまあ僕と金田は大ファンだから、ももいろクローバーZちゃんの、で、そういうときにね、どうなるかって言うと、これは恥ずかしい話……金田とね、スタジオの廊下でしゃべっているわけですよ」

収録前、スタジオの廊下でコソコソ話をする男たち。(金田の発言は山里が再現)

山里「金田、今日どうするよ?」
金田「そうっすね……どうやったらももクロちゃん、一番いいパフォーマンス出来ますかね?」
山里「そうだよな……でも今日の主人公は絶対叶姉妹とかだから、叶姉妹とももクロちゃんの橋を作れたり、もしくは、ももクロちゃんと今回のビックゲスト(都はるみ)の間に何か生み出せるモノがあったりとか、そういうのができたら……そこはオンエア残るよな」
金田「そうっすね」
山里「金田、『お前ももクロファンだから』っていうのを俺が行くわ、ファラ男(山里が演じるキャラ)から、行くけど、いつもの感じで結構長めに熱く語るっていうのは、多分オンエアの尺的にそんなに使ってもらえない、だから俺らがする仕事は、多分みんなが1回聞きたいからお前には1回行くけど、短めにまとめろ」
金田「僕もそう思ってます」

ももいろクローバーZの出番をどうやったら増やせるか真剣に会議する2人。すると、その脇をベッキーさんが通りかかります。(ベッキーの発言も山里が再現)

ベッキー「ちょっと怖いんですけど~!」
山里「いやいやベッキーさん、これはちょっとあの……これは金田とね、ちょっと……」
(慌てる山里と金田)
ベッキー「番組は一生懸命やるっていうのが、それだけでいいと思うんですけど~、なんですかその、誰がよく映ってとか! 信じらんない!」

そう言い残して去っていくベッキーさん。

ももいろクローバーZに喧嘩を売るベッキー

そして収録が始まります。

山里「そしてですよ、まあいろいろ……金田は正直、空回っちゃった、一番ダメなパターン入ったね、うん、ももクロちゃんを良くしようとするってのを通り越して、ももクロちゃんに自分を良く見せようとする悪いほうに行って」
(作家笑)
山里「で、金田がスベり倒し、ももクロちゃんの出番をちょっとずつ削って、俺が収録の合間に金田を呼んで、『いいか金田、邪魔はするな……』」
(作家笑)
山里「つって、金田が鬼のように萎縮するっていう、俺の悪い部分が出ちゃって」

打ち合わせ通りに行かない。こんなはずではなかったと落ち込む2人。ところがです。このあとベッキーさんがある行動に出て、大逆転を起こします。

山里「でね、このあとなんですよ、スゴいのが……ベッキーとももクロちゃんが同じステージで戦うところが来た、で、別チームなわけ、ベッキーとももクロちゃんは、そこでですよ、そこで! この山里がベッキーに惚れちゃったポイントがあるんですよ、ベッキーが急にキレる、そのステージで」
ベッキー「ちょっと私、信じらんないんですけど」
山里「『何よ? ベッキー』つって、俺もビックリして、なんだなんだ」
ベッキー「あのぉ! 金田さんって、昔私のことめっちゃ好きって言ってたでしょ!?
山里「ベッキー大好き芸人ですよ、それを急に言って」
ベッキー「それが、なんか、あそこの小娘に取られたんですけど!
山里「つって、ももクロを指すのよ、で! ももクロちゃんに」
ベッキー「絶対に金田さんは渡さない!」
山里「つって対立構造を1個作るのよ! そしたらももクロちゃんも『私だって!』つって対決に乗る、あのももクロちゃんもトス上げたら打てる子だから、そのベッキーが上げた綺麗なトスを、スパイクをパシッと決めて、そこの対立で結果、オンエアの尺そこめっちゃ伸びたんだよね、ベッキーと戦ってるとこで……スゴいでしょ? 俺と金田、鬼空回りだから」
(作家さん笑)

この光景を見てベッキーさんに惚れてしまった山里さんは、「イイ女だね~」としみじみ語っていました。

「空気が読める」ってこういうことなのかもしれません。何もせずに波風立てずにやり過ごすのではなく、あえて前に出て行ってケンカを売って対立構造を生み出す。もしかしたら収録前の山里さんと金田さんの会議の内容を全部聞いていて、それで……そう考えると恐るべし、ベッキー。