第52話 巡る節季の中で(最終回) 感想


かつて、アニぽに第一話で言ったことを再び言おう。


なんだこの月詠は!!!!


前回はあらゆる側面でまんまだったが、
今回は最終回の手法についてである。
これで途中のもろもろが無ければ
筆者の見た中ではBMJに並ぶかなりの傑作であっただろう。
というか、様々な陰陽的対比を読み取っていた筆者だが、
「過去の真の家族」と「現在の仮初の家族」との対比があったなどという
初歩的な読みをすっかり忘れていた!
これは一本とられたと言うか、完全に筆者の評価能力が
欠けていたのである。
おじいちゃんが作中で可哀想な役割だったのを伏線に使うとは。
後、9月1日の感想でも話した
「この話ホントにこの脚本家か? どう考えてもあの人だろ」
の謎がちょっと解けた気がしたのでOKである。(何がOKだ
しかし、見た直後に今までの疑問点や不満点が
フォローされてないにもかかわらず吹っ飛んでしまったのは
まさに演出のなせる業である。
突然出てきて「なぜか天の助が閉めた――!!」*1な超まとめ能力は
監督業として充分なスキルを持っていると錯覚してしまう。


あと、作品総括をするとか言ってたけど多忙につき出来そうに無いです。
期待してる人はいないと思うけど自戒の意味で、ごめんなさい……
とりあえず、レビュースレには乗せたので転載。

陰陽大戦記 6点 

長文が嫌で手っ取り早く評価を知りたい人は、自分は>>411なので、この一文で判断してもらいたい。 
> 評判の回だけをつまみ食いすることをお勧めする。 

以下長文。 
レジェンズに次ぐバンダイ・wizの「世界観を改めたデジモン」二作目。 
デジタルという身近な世界観から思いっきしぶっとんだファンタジー系統になってしまった為、 
それから多分既に「旬」は過ぎ去っていた為にタリスポッドとソウルドールは売れなかった。 
というわけで、同じファンタジーでも「和」、つまり日本的世界観を形成することによって 
新規参入ユーザを狙ったが、旬は更に遠くへ行ったようで惨敗。……てな事があったかどうかは定かではない。 

さて、長い前置きは置いといて、この作品のアニメ版を製作したのは 
「ガンダム」シリーズでお馴染みのサンライズである。 
ということで……かどうかは知らないが、デジモンレジェンズと比べるととにかく 
線が多く、等身が高めな人間キャラクター、過剰且つ動く時はとんでもない動きを見せ、 
そして上手く決まると一種の様式美さえ感じられるような作画・演出が作品の魅力だと言える。 
12話を筆頭とする、「ネットで評判の良い回」の戦闘シーンは必見で、 
筆者はこの「トンデモ必殺技を味方も敵も惜しげもなく披露し、ぶつかりあう」様は 
トンデモ必殺技が味方からしか出てこないアクエリオンすら超越した領域に到達しているように思う。 

さて、このような「画」で魅せてくれる陰陽大戦記だが、文芸面ではどのような感じなのかと言うと、 
この作品のタイトルらしく二元の対比構造を一つのテーマとしているように思える。 
陰と陽、天と地、男と女、人と人ならざるもの、日常と非日常、本当の家族と仮初の家族…… 
そしてこの作品の文芸における最大の問題点であり、しかし筆者が面白いと感じるのは、 
作品世界に限らずアニメ作品の次元として「良作と駄作」の対比構造を生み出していることである。 
キャラクターの行動や性格がまちまちだとか、3クール目から急激につまらなくなったとか 
言われている原因はネットの評判からでも色々な推測が可能だが、これに限っては見て判断するべきだと思う。 
ある素材をどう使えば面白くなり、どうすればつまらなくなるのか。 
この作品は、アニメ作家を目指す人に対し、ある程度のヒントを与えてくれるかもしれない。 
教師として、そして反面教師としても。

*1:ボーボボ読んで無いと分からないです、ごめんなさい