2011-01-26

前橋市が内部告発の職員に報奨　不祥事多発受け（共同通信2011年1月24日）

前橋市は２５日、市職員らが不祥事を内部告発した際に、報奨を出す制度を始めたと発表した。報奨として図書券や現金を想定。既に職員に周知し、７日以降の通報を対象にしている。
　公益通報者保護法を所管する消費者庁は、内部告発者への報奨は「過去に聞いたことがない」としている。市によると、報奨は通報が市政に貢献したと認められた場合に出すが、匿名での通報や、本人が希望しないケースは対象とせず、報奨を受けた職員名も公表しない。市では、２０１０年度に１人が懲戒免職になったほか、１０人が懲戒処分を受けるなど不祥事が続発しており、再発防止策を検討していた。

本記事では，前橋市において，同市職員の「不祥事」に対する内部告発制度において報奨を設ける方針であることを紹介．同取組については，同市が2011年1月に策定された「前橋市コンプライアンス（法令遵守等）行動指針」*1内では記載されてはいないようではあるものの，当該指針の「概要版」には記載．
同概要版を拝読させて頂くと，「前橋市コンプライアンス（法令遵守等）行動指針法令違反行為等に関し，上司や同僚等への相談による職場内での解決が難しい場合」，「通報窓口に通報・相談をすること」で「当該法令違反行為等の是正を図るための仕組み」としての公益通報制度を整備される模様．ただ，2011年1月25日付の読売新聞*2において報道されているように，従来も「通報窓口」としては「内部窓口」が設けられており，今回っはｍ新たに「外部窓口」として「弁護士」の経路をも設けられる模様．「通報方法」に際しては，「匿名でも通報可能」とされている．そして，本記事でも紹介されている通報があった場合には，「報奨」として，「公正な職務の遂行に多大な貢献が認められる通報があった場合には，通報者に対して，報奨を与えることができる」*3ともある．
「不祥事を予防しきることは困難であるし，あるいは，予防水準を上げようと思えば，さまざまな費用が発生」*4するとの観察結果からも，情報調達に至る誘因としての費用．量的な情報拡大の一方で，まさに，「監視と統制」の「コスト」の「二次的ジレンマ」*5も想定される一方で，質的な情報精査という，情報の「歪曲是正」*6のコストも発生する蓋然性への対処の必要性も高まるのだろうか．要経過観察．