東日本大震災の影響で電力需給が逼迫(ひっぱく)する夏場の節電に協力するため、海老名市は17日までに、7月から市役所本庁舎(同市勝瀬)を水曜午後に閉庁する方針を決めた。窓口業
務も行わない。市民サービスの低下を最小限に抑えるため、電力需要が比較的少ない土曜午前に開庁する。
 同市政策経営課によると、夏場の平日の1日の電力使用量は8千〜9千キロワット時で、平日午後閉庁した場合、約2700キロワット時を削減できるという。市は「市が率先して取り組む姿勢を示し、節電を広く呼び掛けたい」としている。閉庁は本庁舎のみで、学校や公民館、出先機関では実施しない。市民サービスの低下を最小限に抑えるため、節電のための閉庁時間を来庁者が比較的少ない水曜午後にしたという。一方で、従来は第1、第3土曜の午前に窓口業務を行っていたが、同じく7月から毎週土曜午前に本庁舎のすべての業務を実施する。
 同市では、4月8日から夏場の節電対策会議を開催。市内の公共施設の節電目標を20%に設定し、これまで屋内照明の原則50%の消灯や空調機の設定温度の引き上げなどに取り組む方針を固めてきた。平日ピーク時の電力抑制策を検討する中で、水曜午後の閉庁も決定。窓口業務だけは開けておくべきとの意見もあったが、空調機を稼働する必要があり、大きな節電につながらないと判断して実施しないことにしたという。市は16日、職員組合に対して、今回の節電対策の方針案を提出。組合でも協力する意向を示しているという。実施期間は7月1日から9月30日まで。6月1日付の広報などに水曜午後の閉庁の記事を掲載するなどして、市民に周知を図っていくとしている。

本記事では,海老名市における節電に伴う開庁時間変更の取組を紹介.詳細は,現在のところ,同市HPでは公表されてはいない模様,残念.公表後,要確認.
現在「月曜日〜金曜日」では「8:30〜17:15」*1の間での同庁舎の開庁時間を,本記事を拝読すると,「水曜午後」に関しては「閉庁」される方針として,あわせて,「第1・第3土曜日」で「8:30〜12:00」*2で開庁されてきたものの,「毎週土曜午前に本庁舎のすべての業務を実施」される方針へと変更されるとのこと.一読した際には,窓口のみでの取組かと思い拝読するものの,全庁的に「閉庁」される模様.なるほど,2008年12月7日付の本備忘録にて項目立てを試みた本備忘録の妄想的・断続的観察課題のひとつ「庁舎管理の行政学」のうち,「第4章:執務と憩いの空間としての庁舎」としても,大変興味深い取組方針.
ただ,同市では,「海老名市一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する条例」第2条第1項では,「職員の勤務時間は,休憩時間を除き,4週間を超えない期間につき1週間当たり38時間45分とする」とあるとともに,同条例第3条第1項で「日曜日及び土曜日は,週休日とする」*3とも規定.確かに,「海老名市の休日を定める条例」第1条第2項により,「市の休日に市の機関がその所掌事務を遂行することを妨げるものではない」*4ことが規定されてはいるものの,「毎週土曜午前に本庁舎のすべての業務を実施」となると,いわゆる「半ドン」日となり,これら「勤務時間」に関する条例,「市の休日」に関する条例の双方の規定も見直すことが必要となるのだろうか.
下名個人的には,2010年7月25日付及び同年8月5日付の本備忘録にて妄想してみた,勤務時間管理に関する職員自身の「行動様式」としての「勤務時間形成(office hours-shaping)」仮説からすれば,「職場組織の形成原理」としての「大部屋主義」*5をもとにされた職場での,個々人の勤務時間との間を「整え」*6ることで,一律の計画停電ならぬ,平時の消費電力量に応じた計画節電により平日での開庁も考えられなくはなさそうかとも思わなくもないものの,同方針に至る検討結果及び今後の運営方式は,要確認.

*1:海老名市HP「窓口案内

*2:前掲注1・海老名市(窓口案内)

*3:海老名市HP(海老名市例規集)「海老名市一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する条例」(平成7年3月30日,条例第12号)

*4:海老名市HP(海老名市例規集)「海老名市の休日を定める条例」(平成元年3月29日,条例第14号 )

*5:大森彌『官のシステム』(東京大学出版会,2006年)60頁

官のシステム (行政学叢書)

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*6:真渕勝『官僚』(東京大学出版会,2010年)91頁

官僚 (社会科学の理論とモデル)

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