県が東日本大震災の離職者対策として行う計1万人の緊急雇用創出事業で、求人数に対して求職者が少ない状況になっている。求人の4分の1が決まらない背景には、臨時的な就職を敬遠する傾向や地元での就業希望に加え、失業手当の受給による安定収入の確保がある。求人数と求職数の「逆転現象」は、被災地にとって安定雇用を生む職場の再建・創出が急務であることを示す。
 県は震災後に発生した沿岸部の離職・休職者約1万3千人を念頭に、緊急雇用創出事業(総事業費118億9400万円。雇用目標1万人)を実施。同事業は▽県が直接、臨時職員を雇用▽県が民間団体などに委託▽市町村が直接または委託して雇用―の3類型。9月16日現在、市町村分を中心に4469人が職を得た。
 ただ、対応する求人数は計5906人で充足率75・6%。類型別は県直接89・3%、市町村75・8%、県委託54・6%。県委託は求人数353人に対し雇用数が半分強、市町村分は未充足1228人のうち沿岸部の求人が1031人を占める。求人はさらに約4千人分が追加の予定だ。
 釜石市商工労政課の担当者は「がれき関係も事務も応募が少ない。正社員だった人が目指すのは正社員。給料が安い緊急雇用より、失業手当を受けて仕事を探す方がいいと考えるのでは」とみる。

本記事では,岩手県における緊急雇用創出事業への求人数を紹介.同事業の「取組状況等」は「毎月15日を目途に公表を予定」*1.本記事で紹介されている9月分に関しては,現在のところ,同県HP上では公表されていない模様.公表後要確認.
本記事では,緊急雇用創出事業による就業状況に対して失業手当による収入の確保により,「求人数と求職数の「逆転現象」が生じている,と報道.現在,「個別延長給付(特例延長給付)として」「原則「60日」に加えて」「さらに「60日」分延長」*2により,「七カ月の給付が得られ」たものの「こうした方々への給付が切れる」「10月頃」以降は「一時的なしごとを必要とする方々」が「むしろ年末から来年にかけて急増する」*3ことも想定されていた.そのため,2010年10月1日以降では,「岩手,宮城,福島の3県の沿岸地域などの45市町村」*4雇用保険失業給付の延長が必要な地域」*5では,「原則として,90日分延長」されている.
本記事で報道されている「逆転現象」は,上記の再々延長期間以降では徐々に逆転することが想定されなくもない.そのためにも,どのように「労働市場を一時的に代替する」ための「つなぎ」*6に加えて,「通常の労働市場では評価されない労働に対して」「雇用を創出して」*7「地域社会にある程度恒久的な雇用」を「継続させるような」,「みたす」*8場を持続的に確保するかもまた,課題.