配偶者らからの暴力(DV)や子どもに対する虐待の増加を受けて、常総市は5月から3カ月間、こうした問題に関する専門的な知識をもった人材を育てようと「相談員養成講座」を開く。市の担当者は「幅広い集中的な講座は県内の自治体では珍しく、被害者支援のネットワークを構築できれば」と期待を寄せる。
 講座は毎月2日間開かれ計6日間で12講座を学ぶ。講師はNPO法人ウィメンズネット「らいず」の三富和代代表らが務める。内容は「DV被害者支援概論」や「DV被害者の心理」「DV相談の基礎」など。県警の担当者による「DV防止法とストーカー規制法」、安江祐・県弁護士会長による「被害者支援に関する法制度」もある。

本記事では,常総市におけるドメスティック・バイオレンス相談員養成講座開設の取組を紹介.同取組の詳細は,同市HPを参照*1
「市内在住」で「「DVと子どもの虐待」被害者支援に理解があり.全講座に参加できる方」「30人程度」を対象に,5月から7月にそれぞれ月2回開催.「専門分野の講師」により「1日2時限」,「全12時限」*2の講座が提供.本記事を拝読させて頂くと,「専門分野の講師」とは,DV被害者支援に係るNPO,警察,弁護士の方から講座が提供される模様.
市民社会と専門家ネットワーク」により「発見と政策案の提示」*3が図られたとも解されるドメスティック・バイオレンス.いわば,ネットワークに支えられ「政策ジェンダー化され」「既存の政策領域の構造に変容」へと至ったともされる.改めて考えてみると,支援の実施段階こそが,そのネットワークは不可欠.そのため,同講座の開催が「ネットワーク」の「有機的拡大」に結びつき,「行政のセクショナリズムと組織の壁を超え」*4た,ネットワーク形成の場にもなると,興味深そう.

*1:常総市HP「DVと子どもの虐待 相談員養成講座を開催します

*2:前傾注1・常総市H(DVと子どもの虐待 相談員養成講座を開催します)

*3:辻由紀『家族主義福祉レジームの再編とジェンダー政治』(ミネルヴァ書房,2012年)187頁

家族主義福祉レジームの再編とジェンダー政治 (シリーズ・現代の福祉国家)

家族主義福祉レジームの再編とジェンダー政治 (シリーズ・現代の福祉国家)

*4:横山文野『戦後日本の女性政策』(勁草書房,2002年)401〜402頁

戦後日本の女性政策

戦後日本の女性政策