東日本大震災の被災自治体に派遣して復興を支援するため、都が実施した任期付き技術系職員の募集で、四十一人の採用枠に対し、ほぼ五倍の二百三人から応募があった。都が三十一日に発表した。
 土木で三十三人の募集に対し四・五倍の百四十八人、建築で八人に対し六・九倍の五十五人の応募があった。応募は首都圏を中心に全国からで、六割は六十歳以上、七十代後半もいた。三割は元公務員だった。「被災地の役に立ちたい」「持てる力を生かしたい」との動機が多いという。被災地では道路や港湾の復旧に必要な技術系職員が不足し、福島、宮城、岩手の三県の十市町村が職員派遣を希望した。都は自治体や民間企業のOBを任期付き職員として採用し、被災地に一年以上派遣する全国初の仕組みを打ち出し、四月下旬から募集していた。今後、書類と面接で採用者を選考する。採用者は九月一日以降に研修を受け、九月中旬に派遣される。

本記事では,東京都における任期付職員制度による被災地への職員派遣の取組を紹介.2012年4月7日付の本備忘録にて記録した同都の同取組.募集状況を紹介.詳細は,同都HPを参照*1
本記事でも紹介されているものの,応募状況を職種別にみると,まずは「土木」職は「33人程度」の募集に対して「148人」の応募があり,倍率「4.5倍」,次いで「建築」職は「8人程度」に対して「55人」の応募と「6.9倍」,これら2つの職をあわせた「合計」は「41人程度」の応募に対して「203人」の応募と,「5.0倍」であったことが分かる.本記事では同都での報道資料内での情報に加えて,「応募は首都圏を中心に全国から」あったこと,その募集者の「6割は60歳以上」であり「3割は元公務員」,と応募者の属性も報道されている.「本復旧中心の時期」での「長期派遣」*2を可能とする方となると,60歳以上で,自治体職員OBが中心となるのだろうか.選考結果も要観察.

*1:東京都HP(これまでの報道発表2012年5月)「被災地支援に係る東京都一般任期付職員採用選考の申込状況について

*2:若井憲彰「自治体派遣職員の類型と時期によるニーズの変化」稲継裕昭編著『大規模災害に強い自治体間連携』(早稲田大学出版部,2012年)36頁

大規模災害に強い自治体間連携 ― 現場からの報告と提言 (早稲田大学ブックレット<「震災後」に考える>)

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