県の今年度の組織再編で「男女(共同)参画」が課名から消えたことに県内の女性団体などが「取り組みの後退を招く」と反発している。4月には女性100人以上の連名で「男女共同参画課」の設置を求める要請書を提出。県は庁内の案内板に「男女共同参画担当」の文字を書き加える異例の対応を取った。
 男女共同参画課は02年度〜06年度に置かれ、07年度からは「男女参画青少年課」と名称を変更。今年度の再編で男女共同参画担当が人権課に吸収され「人権推進課」として再編された。県は「人権という大きな視点から対策をしっかり進めるため」と説明する。これに反発した超党派の県議を含む女性104人と36団体が4月中旬、要請書を県に提出。県は一時的な措置として県庁入り口や各階の「人権推進課」の案内板に、当初なかった「男女共同参画担当」の文字をかっこ書きなどで加えた。要請を取りまとめた高開千代子さん(58)は「名は体を表す。県の姿勢や意志として、軽んじていると取られかねない」と指摘。来年度の組織再編へ向けて要請を続ける方針という。【大原一城】

本記事では,徳島県における組織再編の取組を紹介.
同県では,2012年4月より,「男女がお互いの人権を尊重する「男女共同参画」に関する施策」を「人権施策の重要な柱である」と位置づけ,従来の「県民環境部から保健福祉部に移管」し,「人権問題として一体的に取り組み,人権施策のさらなる推進を図る」ことを目的に「人権推進課」*1を設置.「徳島県行政組織規則」の別表2を拝見させて頂くと,確かに「人権推進課」の分掌事務では,「男女共同参画社会の推進に係る企画及び調整に関すること」*2と規定.同課が男女共同参画に関する事務を担当されていることが分かる.
組織の分割により「いったん組織的に分けることで,分かれた者たちの言葉遣い・行動様式・意識・考え方が変わってしまう可能性」*3との認識があるものの,名称変更による包括化もまた,同様の懸念が示されたのだろうか,本記事を拝読させて頂くと「「男女共同参画課」の設置を求める要請」が示され,これらを受けて同「県は庁内の案内板に「男女共同参画担当」の文字を書き加え」られた模様.「担当」は所掌事務としての意味合いかなのだろうか,要確認.

*1:徳島県HP「平成24年4月1日 徳島県人事異動」5頁

*2:徳島県HP(徳島県 例規集)「徳島県行政組織規則」(昭和四十二年三月二十八日,徳島県規則第十五号)

*3:沼上幹『組織デザイン』(日本経済新聞社)83頁

組織デザイン (日経文庫)

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