神戸市議会は24日、デイサービス施設でのパチンコやマージャンなどの常態的な提供を禁止する関連条例の一部改正案を可決、改正条例が成立した。市によると、過剰な遊技サービスに対する規制は、全国の都道府県や政令市などで初めて。近く施行する。
 改正条例では、射幸心をあおる恐れのある遊技を常時行わせる▽疑似通貨を使い、依存性を著しく強める恐れのある遊技を提供する▽賭博や風俗営業を連想させる広告を掲示する−の3点を禁止。違反が確認されれば、市はデイサービス施設として指定しないことができる。
 市によると、パチンコやマージャン、ポーカーなどを機能訓練の一環として提供する“カジノ型”や“アミューズメント型”と呼ばれる施設が全国的に増加。利用時間の大半を遊技に充てるなど、介護保険の趣旨に反するサービスも見受けられるようになっているという。
 兵庫県も、同様の改正条例案を今月28日に開会する定例会に提出する方針。(小川 晶)

本記事では,神戸市における介護サービス事業等の運営基準等に関する条例改正の取組を紹介.
同市では,「機能訓練室内にパチンコ,麻雀,カードゲーム等に特化した設備を備え遊技場の様な雰囲気の中で,遊技を機能訓練の常時主体とする通所介護」については,「介護保険法に基づく本来の趣旨にそった適正なサービスとは考えら」ないとして,「アミューズメント型デイサービスの適切な運営を図る必要がある」との認識から,同市が制定する二つの条例である「神戸市指定居宅サービス事業者の指定の基準並びに指定居宅サービスの事業の人員,設備及び運営に関する基準を定める条例」と「神戸市指定介護予防サービス事業者の指定の基準,指定介護予防サービスの事業の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例」の「改正」*1する,条例案*2を提案.具体的には,両条例において「利用者に,射幸心をそそるおそれのある遊技を常時又は主として行わせることその他通常の日常生活を著しく逸脱すると認められる形態で遊技を行わせること」と「遊技において疑似通貨(通貨に類する作用をなすものをいう.)を使用させることにより,利用者の射幸心を著しくそそり, 又は依存性が著しく強くなるおそれのあるようにすること」*3の提供禁止を規定する.本記事では,同条例案が「可決」*4されたことを紹介.
両条例の制定により,デイサービスでは「簡単に手に入る」*5ことが規制される同市.現在,同訓練を提供している事業所における,同条例の適用状況は,要観察.

*1:神戸市HP(総合メニュー市政情報記者発表資料2015年8月)「介護サービス事業等の運営基準等を定める条例の改正について

*2:神戸市HP(神戸市会議案・資料・結果平成27年神戸市会 会議結果 平成27年 第3回定例市会)「第66号議案

*3:前掲注2・神戸市(第66号議案)

*4:神戸市HP(神戸市会議案・資料・結果平成27年)「神戸市会 会議結果 平成27年 第3回定例市会

*5:デイミアン・トンプソン『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』(ダイヤモンド社,2014年)306頁

依存症ビジネス――「廃人」製造社会の真実

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