日本酒をきっかけに外国人らに観光に来てもらおうと、酒蔵がある福生、青梅、あきる野、東村山の4市が共同でPRを始めた。六つの酒蔵の情報や、それぞれの銘酒の飲み口、つまみに最適な地元グルメを紹介するパンフレットを作り、多摩地域の地酒の魅力を発信していく。 (加藤健太)
 四市の酒蔵は、主に多摩川や秋川のほとりにあり、古くは江戸時代から伏流水を生かした酒造りを続けている。共同PRするのは、「多満(たま)自慢」で知られる石川酒造(福生)、「嘉泉(かせん)」の田村酒造場(同)、「澤乃井」の小澤酒造(青梅)、「喜正(きしょう)」の野崎酒造(あきる野)、「千代鶴」の中村酒造(同)、「金婚正宗」の豊島屋酒造(東村山)。
 和食ブームなどによって、日本酒が海外から注目されるようになり、観光庁も「酒蔵ツーリズム」と銘打って外国人へのPRを本格化させている。四市も連携して売り込んでいこうと、協議会を設立し、初会合を五月二十六日に開いた。
 本年度は、酒蔵ごとの一押しの酒をグルメ評論家らに飲み比べてもらい、味わいの違いを図表に落とし込む。ブランド豚のハムのような多摩産のつまみや、日本酒が味わえる四市の店も選定し、図表とともにパンフレットで紹介する。パンフレットは英語版も作る。
 本年度の幹事役を務める福生市シティセールス推進課の担当者は「酒蔵から酒蔵を巡る広域的な観光の仕組みをつくり、海外のほか、日帰りができる都心向けにもアピールしていきたい」と話した。

本記事では,福生市青梅市あきる野市東村山市におけるPR事業の取組を紹介.
多摩地域における酒蔵を有する」4市では,「多摩地域観光資源広域活用協議会」を設立」し,「多摩の地酒の魅力を広める 事業を展開」*1する方針.具体的には,「6酒蔵の銘酒」への「専門家の分析」と「多摩の地酒に合う」「食」を「発掘」したり,「東京の地酒をわかりやすくチャート化」したうえで「おすすめの多摩地域のグルメ」を「記載」した「日本語・英語」の「パンフレット」を「作成」する「予定」*2とある.いわゆる「“日本酒離れ”からの離脱」*3への対応として,具体的な事業の実施状況は,要観察.

*1:福生市HP(市政情報記者会見(定例・臨時)平成28年6月定例記者会見)「酒造・地酒の活用プロジェクト進行中」(平成 28 年6月1日 定例記者会見資料)

*2:前掲注1・福生市(酒造・地酒の活用プロジェクト進行中)

*3:鈴木芳行『日本酒の近現代史 酒造地の誕生』(吉川弘文館,2015年)220頁