県職員の相次ぐ不祥事を受け、県人事委員会は平成29年度採用試験から、2次試験の個別面接(口述試験)を1回から2回に増やす。面接と論文を合わせた2次試験の配点は280点で、筆記の1次試験より80点高くする。試験制度の大幅な見直しは集団討論を導入した平成3年以来、26年ぶり。人事委が2日、発表した。
 口述試験が2回となるのは県職員の大卒程度と高卒程度、資格免許職、市町村立学校の栄養職員と事務職員。県職員の民間企業等職務経験者と警察官は対象外となる。
 口述試験の面接官は1回目が県職員の主任主査級、2回目は所属長の課長・次長級と民間企業の管理職で、民間の視点や感覚を人材発掘に生かす。
 学生時代の社会貢献活動などをこれまで以上に重視し、質疑するという。
 28年度に懲戒処分となった職員は知事部局で11件、議会事務局1件、県教育庁24件、県警5件。県人事委採用給与課は「県民全体の奉仕者としての自覚、適格性など人物を重視し採用したい」としている。
 29年度の県職員や警察官などの採用予定者数は計378人で、退職予定者の増加を背景に前年度を65人上回った。過去10年間では、27年度の416人に次いで5番目の規模。
 県職員(大卒程度)は172人で前年度比21人増、警察官は150人程度で前年度比40人増となる。県職員(大卒程度)の1次試験は6月25日で、申し込みは5月2日から同26日まで。警察官A(大卒程度)の1次試験は7月9日で、5月12日から6月9日まで受験申込書を受け付ける。
■3日説明会
 県人事委は5月3日、郡山市のビッグアイ7階の郡山市民交流プラザで採用試験説明会を開く。午前10時半から農業土木・土木、午前11時から市町村立学校事務職員、午後1時から県職員全般、栄養士・市町村立学校栄養職員、午後2時5分から警察官・警察事務、司書の予定。
 職種別の採用予定者数は次の通り。
 ◇大卒程度▽行政事務=85▽警察事務=1▽農業=19▽農業土木=11▽林業=8▽土木=21▽建築=1▽化学=8▽農芸化学=6▽薬学=2▽畜産=1▽水産=3▽機械=2▽心理判定員=4
 ◇資格免許職▽司書=3▽栄養士=3
 ◇高卒程度▽行政事務=13▽警察事務=1▽土木=3
 ◇民間企業等職務経験者▽行政事務=5▽土木=3
 ◇警察官▽A男性・一般=60▽A女性・一般=16▽B男性・一般=60▽B女性・一般=14
 ◇市町村立学校栄養職員=7
 ◇市町村立学校事務職員=18

本記事では,福島県における職員採用の取組を紹介.
同県では,2018年度採用試験より「第2次試験」となる「個別面接の回数を増やし」「2日に分けて実施」するとともに,配点を従来の「筆記試験」「230」点,「口述試験」「180」点から,「筆記試験」は「230」点,「口述試験」「250」点*1と改めることを20172月3日に公表.本記事では,口述試験の面接者の構成を紹介.本記事によると「1回目」の口述試験は「県職員の主任主査級」,「2回目は所属長の課長・次長級と民間企業の管理職」が担当する模様.「資格任用制が現代の要請に従って変化していく過程」*2の一つでもある同取組.選考結果は,要観察.

*1:福島県HP(福島県職員採用情報平成29年度採用試験の変更点についてお知らせします)「平成29年度から福島県職員等採用候補者試験が変わります」(平成29年2月3日,福島県人事委員会事務局)

*2:伊藤正次,出雲明子,手塚洋輔『はじめての行政学』(有斐閣,2016年)143頁

はじめての行政学 (有斐閣ストゥディア)

はじめての行政学 (有斐閣ストゥディア)