東京都調布市は1日、2018年度中をメドに独自の受動喫煙防止条例を制定する考えを明らかにした。都の同条例制定の動きや、市内にラグビーワールドカップ(W杯)や東京五輪パラリンピックの競技会場の味の素スタジアムがあることなどを踏まえた。今後市民や有識者の意見なども聞きながら条例案の内容をまとめる。
 同日に「受動喫煙防止等対策に関する取組方針」を発表した。市内の主要な駅での路上喫煙禁止区域の設定、市の施設で子供や妊婦が参加するイベントを行う場合の受動喫煙防止策の強化などを柱としている。
 条例ではこの方針に基づき、屋外や駅周辺での路上喫煙をどの区域で禁止するかなどを明確にしていく。7月に「受動喫煙防止対策推進検討会」を設置。医師やスポーツ、教育関係者と公募に応じた市民計14〜15人から受動喫煙防止のための具体策について意見を聞き、19年3月の市議会に条例案を提出する。都の条例案の内容をさらに厳しくするような対策は盛り込まない方向だ。
 同市は、今年1月から敷地や店内を禁煙にしている市内の飲食店を「調布市受動喫煙ゼロの店」として登録してもらう受動喫煙対策に取り組んでいる。

本記事では、調布市における受動喫煙防止規制に関する取組を紹介。
同市では、2018年6月1日に「調布市受動喫煙防止等対策に関する取組方針」*1を公表。同方針では、同市は「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会」「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の競技会場となる」ため、「大会前や大会期間中はもとより」「大会後においても引き続き」同市「を訪れる方々の受動喫煙による健康被害を防ぐこと」を目的に、「市が管理する公共施設の受動喫煙防止等対策の推進」、「屋外における受動喫煙防止等対策」、「子ども・妊婦を守る受動喫煙防止等対策」、「受動喫煙防止対策が講じられている民間施設の登録・周知」、「市民・関係団体との連携」*2を図る方針が示されている。
本記事によると、同年同月同日に「2018年度中をメドに独自の受動喫煙防止条例を制定する考え」も示され、「19年3月の市議会に条例案を提出」し「都の条例案の内容をさらに厳しくするような対策は盛り込まない方向」で検討される模様。健康増進法改正案という「国家法と条例」間、東京都による条例案との条例間での「相互補完」*3の具体的な内容は、要観察。

*1:調布市HP(市政情報広報プレスリリース定例・臨時記者会見)「調布市の受動喫煙防止等対策に関する取組方針について」(平成30年6月1日)

*2:前掲注1・調布市調布市受動喫煙防止等対策に関する取組方針について)

*3:板垣勝彦「自治立法権 機能と実践」幸田雅治編『地方自治論 変化と未来』(法律文化社、2018年)125頁

地方自治論: 変化と未来

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