Hatena::ブログ(Diary)

npalの日記

2012-08-08

SIGGRAPH 2012 レポート#4

Technical Paper

  • Shape Transformation

Fast Automatic Skinning Transformations
途中からしか聞けなかった。ユーザが制御点を設定することで対話的に3Dモデルの変形が行える。


An Algebraic Model for Parameterized Shape Editing
建物などの人工物の構造を考慮した変形。まず入力形状を複数のRegular Patternの組み合わせで表現する(建物であれば壁や屋根を板ごとに分ける)。その後、変形の自由度を解析する。ある壁を拡縮・移動するとそれに接続する壁や屋根も対応して変形する。有機物の場合は?という質問には対称性や構造の解析が難しいから人工物がメインとのこと。


Steady Affine Motions and Morphs
アフィン変換によるモーションのSteadiness(定常性、安定性、堅実さ)を調査。よくわからない。

Interactive surface modeling using modal analysis
特徴を並べると、Resolution Independent, Interactive, Physically Valid で その他いろいろなエネルギーを組み込むこともできる。2つ上の研究もそうだが、こうした何らかのエネルギーを考慮した3Dモデルのリアルタイム編集では、Pre-computingが定石のようだ。


  • Maps, Surfaces and Shapes

Robust Modeling of Constant Mean Curvature Surfaces
CMC曲面(平均曲率Hが一定の曲面)を設計する。CVT(Centroidal Voronoi Tessellation、ボロノイ図の母点を各ボロノイ領域の重心に繰り返し移動することで得られる、母点がよく分散したボロノイ分割)に、さらに拘束条件を加えて最適化することでCMCな曲面を得る。要熟読。


Simple Formulas For Quasiconformal Plane Deformations
画像(平面領域)のWarping手法。ConformalかつFold-overのない変形を行う。応用例としては、画像中に任意の4点を設定し、それを制御点として移動させることで局所的なアフィン変換(のような変形)ができる。写像の計算は、まず初期位置の4点で構成される"Circularな平行四辺形"を計算し、平行四辺形へのマッピングを介することで行う。


Guided Exploration of Physically Valid Shapes for Furniture Design
東大、梅谷さんの研究。板状素材を組み合わせた家具の設計。物理シミュレーションを統合したインタフェースで、物理的制約を満たす形状を対話的に編集できる。ある部分を動かすときに、可能な(物理的にOKな)配置の範囲を提示することで、どこまでの操作が可能かを直感的に把握できる。またSuggestiveな機能もあり、Validな形状から大きく離れてしまった場合でも容易に修正ができる。五十嵐先生らの研究の集大成のようにも感じました。

Design of Self-supporting Surfaces
自立する構造を設計する。形状を編集(面の削除など)をすると、それに応じた形状が最適化によって計算される。


  • Collisions

最初の2つだけ聞きました。正直難しいです……。

Efficient Geometrically Exact Continuous Collision Detection
幾何的に正確なCCD(タイムステップに依存しない衝突判定)。パラメータ調整の必要がないのがウリ。Rayを計算するとか言っていたが途中の空間写像がよくわからなかった。興味はあるので後で読むつもり。


VolCCD: Fast continuous collision culling between deforming volume meshes
ボリュームメッシュのための高速な衝突判定。数倍〜数十倍まで速くなるようす。



Talks

  • Effects Omelet
    • Building Character
      • Computer-Assisted Animation of Line and Paint in Disney's "Paperman"

創作秘話みたいなもの。Papermanという作品は初めて知りましたが、ちょっと変わった作風です。

Computer Animation Fesival Production Session

  • Balancing Act: Life as a Visual Effects Supervisor at DreamWorks Animation

特殊効果の監督たちの対談。質疑応答が結構長くやってました。アニメーションの監督をしている(あるいは目指している)人からは「どのように指揮をとっているのか?またそのコツは?」みたいな質問が寄せられていました。

Exhibition

盛況です!3DCGのソフトウェアハードウェア、あるいは書籍、専門学校(大学?)などなどじっくり話を聞こうものなら一日潰れそうです。3Dキャプチャシステムではデモとして踊っている人がいました(大変そう)。Autodeskはデカいとは思っていたのですが、ZBrush(Pixologic)も意外と大きくて驚きました。3Dプリンタ関係も多いです。各ブースでお菓子とかバッグとかボールペンとが缶バッヂとか配ってます。大型スクリーンでエアホッケーのゲームやってるのが面白かったです(画面上の2点をタッチするとその間にボールを跳ね返すバーが出てくる。間隔が狭いほど返すスピードがあがる。どこの企業か忘れた)。SoftEtherもいました。
f:id:npal_shared:20120812134218j:image:w320






鶴田

2012-08-07

SIGGRAPH 2012 レポート#3

Technical Papers

  • Fabrication
  • Fabricating Articulated Characters From Skinned Meshes

3Dプリンタの登場によって3Dモデルの制作は容易になったが、3Dアニメーション(つまり3Dモデルの動き、モーション)を実物体で再現するのは困難である。そのため、可動関節のあるフィギュアによってこれを実現する。入力モデルは幾何情報だけでなく関節の情報(LBS)も持っている。関節は球形の凹凸から成る機構を持っているが、これを3Dモデルの関節位置にそのまま当てはめるとオーバラップが起こったりしてしまう。そのため入力モデルを維持しつつ、関節機構の大きさ、配置を自動的に調整する。まだ可動角度もパラメータの一つである。

  • Stress Relief: Improving Structural Strength of 3D Printable Objects

非常に細い部分を持つ3Dモデルやバランスの悪い形状を3Dプリンタで出力すると、自立できなかったり壊れてしまうことがある。そのようなバランスの悪さや(十分な厚みがないことによる)脆さを自動的に検出し修正する。検出にはPermanent Load(重力による負荷)とImposed Load(人の手による負荷)を計算する。後者は人がフィギュアをつまむような操作を想定しており、3Dモデルの2点から向かい合う力をかける。
修正は3Dモデルを部分的に太くしたり支えとなる構造を追加したりする。この検出と修正を繰り返して最終的な出力を得る。が、検出→修正→別の問題を検出→修正→…となったりして修正が適切でなかったりすることもあるようだ。

  • Beady: Interactive Beadwork Design and Construction

五十嵐悠紀研究員ビーズ作品制作手法。対話的なモデリングまたは入力した3Dモデルを変換して、辺の長さが等しい3Dモデルを設計/生成する。設計したデザインモデルからストリップ化(Stripification)を利用してビーズを編むための経路を算出する。得られた経路はそれ自体の可視化だけでなく、Step-by-stepの編み手順として提示することでユーザの制作を支援する。

  • Plastic Trees: Interactive Self-Adapting Botanical Tree Models

最初に「FabricationのセクションだけどFabricationしてないよ」と言っていた。この研究は木のモデリングを接触力(?、他のオブジェクト間の作用)、重力、太陽に向かう力のパラメータを対話的に操作することで簡単にモデリングができる。また壁や木同士が接触するような表現も、木のオブジェクトドラッグしながらリアルタイムに実現できる。


  • Geometric Reconstruction & Tracking
  • Stochastic Tomography and Its Applications in 3D Imaging of Mixing Fluids

気体や液体の混ぜあわせを複数のカメラで撮影し、幾何を再構築する。難しかった。

  • Animation Cartography - Intrinsic Reconstruction of Shape and Motion

連続した(アニメーションの)点群データにおいて各フレームでの対応付けを行う。Template-freeな対応付け手法の一つ。

  • Temporally Coherent Completion of Dynamic Shapes

複数のカメラを使ってモーションをキャプチャしても、隠れてしまう部分には比較的大きな穴が発生する(例えば人体で言えば脇や股のあたり)。きれいなモーションデータを作るためにこの穴埋めを行う。直前のフレームの点群を現在のフレームの点群に合うように変形して補完のための情報とする。

  • Traking Surfaces With Evolving Topology

トポロジの変化に頑健な点群の対応付け手法。基本的には一つ前のTemporally Coherent Completion of Dynamic Shapesと同じで、直前のフレームを変形させて対応付けの参考にする。複数の物体が結合するようなアニメーションでも各点の対応が取れているため、分離した状態での色や表面の変形(例ではDisplacement Mappingが挙げられていた)を維持することができる。このセッションではこれが一番面白かった。


  • Set of Shapes
  • Exploring Collections of 3D Models Using Fuzzy Correspondence

同じようなのを見たことあるような気もするし、よくわからなかった。

  • A Probabilistic Model for Component-Based Shape Synthesis

"Probabilistic Reasoning for Assembly-Based 3D Modeling"の改良版。いくつかの3Dモデルを元に、セグメンテーションで分割された各部分を合成して新しい3Dモデルを大量に生成する。制約条件を追加することでユーザの意図を反映させることもできる。

  • Synthesizing Open Worlds With Constraints Using Locally Annealed Reversible Jump MCMC

家具配置などに代表される最適化を解く。変数の数が固定の場合をClosed、変数の数が変化する場合をOpen Worldというらしい。つまり、家具はもう買ってあってそれをどう配置するかは"Closed"で、いくつかの家具を買って適切に配置するのが"Open"である。タイトル長いが後半のReversible Jump MCMCは既存手法で、局所的なアニーリングを追加している。印象的な例題はゴルフ場の設計。コースやハザード、打数や難しさの調整はまさにオープンな配置問題であり、ゴルフゲームの動画も流れていた。

  • Fit and Diverse: Set Evolution for Inspiring 3D Shape Galleries

いくつかの3Dモデルをシードとして、GAのように交配を繰り返すことで新しい3Dモデルを生成する、Evolutionary Modeling手法。3Dモデルは複数のパーツで構成されているが、交配の際に同じ部品を選択しないようにする必要がある(例えば2つの椅子を合成するときに片方から脚、もう一方から座部を持ってくる)。



Studio Talks


  • Digifab

Fabricationをやっているベンチャー企業(?)みたいな人たちのトーク。

    • Get Real! Automated Methods for Rapid Prototyping and Industrial Design

板状素材を噛み合わせて立体形状を生成。Gregらの椅子制作と方式は似ている。ノッチ(噛み合わせ部分)を自動生成し、また組立順序のインストラクションも表示できる。他にもぬいぐるみみたいなものや、金属板を折り曲げて作った(折り目の部分に切り取り線のような加工がしてある)正八面体も見せてもらった。

3Dプリンタ(プリンティング)とは何か?といったお話。今後はIndustrialな3DプリンタとDesktopな3Dプリンタみたいになるだろうという展望。パソコンみたい。ウェブ上の3Dモデル投稿・共有についても。3Dモデルはフリーで公開され(※Creative Commonsとかのライセンスはもちろんある。)、ユーザ同士がマッシュアップすることでインスピレーションを得たり新しいモノを作り出していく。

    • DIYLILCNC v2.0

組み立て式CNC、DIYLILCNCのお話。

Dailies

DreamWorks協賛(というか主催?)のイベント。Animation Studioとかがアニメーションの1シーンの解説をしたりTVで使われる解説CGの話をしたりアーティストが話したりする。その後それぞれのプレゼンに対して投票を行う。これも列ができるぐらい人気のイベントのようで、Technical Paperでは埋まらない大きい教室がいっぱいになってました。




鶴田

2012-08-06

SIGGRAPH 2012 レポート#2

Studio Workshop

  • Material is Expensive But Complexity is Free

モデリングソフトウェアの解説(体験)。チラ見しただけだがSketchUp、TopMod、Magicsを使用していた。、

Technical Papers

  • Shape Analysis

SIGGRAPHセッション教室によって入る人数が全然違います。このセッションは朝一のセッションで、少し遅れて行ったら満員で入れなかった。仕方がないので、GeekBarへ移動してサテライトで聴講した。Twitterを見たら「どこどこが満員」とかいう情報も流れたりするのでチェックすると良い。

  • Sketch-Based Shape Retrieval

ユーザの入力した2Dスケッチ画にマッチする3Dモデルを検索する手法。スケッチ入力は言葉で表しにくい形状(例えば人体ポーズ)に有効。比較も2Dで行う。Gabor Filterを使って大量の局所特徴パッチを生成し、類似したパッチをまとめた1本のベクトルにする。これを比較することで対話的な検索を実現する。



GeekBar

ヘッドフォンと無線を貸してくれて、好きなチャンネルを視聴できる。大型スクリーンは4分割されて各セッションの映像が流れており、音声はそれぞれchが設定されている。椅子もあるがこちらも混むことがあって立ち見や地べたに座っている人もいる(自分も座って見たし、バッグを枕に寝っ転がってる人もいます)。あと飲み物もある。自分のイヤフォンを持ってればそれを使うこともできます。つい拍手しそうになるので注意!

Keynote Speaker

Keynoteの前にいくつかの表彰式がありました。そしてゲームデザイナーJane McGonigalさんのトーク。こちら(TED)の女性です。いろいろ書きたいので後で追加します。トーク後サイン会もやってました。印象的な話とかキーワードを書き並べます。

  • Top five regrets of the dying

死ぬ間際に公開することトップ5。内容は次のURLを確認してください。死ぬ間際に「もっとゲームやっておけば……」と後悔するような、させるようなゲームを作るということ。カッコいい!
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2012/feb/01/top-five-regrets-of-the-dying

  • Resilience

意味:(元気を取り戻す精神的な)回復力, リジリエンス, レジリアンス, 復元力, 弾性力, 弾性エネルギー, etc...
Physical、Mental、Emonotional、SocialなResilienceを刺激することが大切。会場では指を50回鳴らしたり隣の人と握手したりしました。でもその刺激は24時間で効果がなくなるらしい。毎日刺激を受けること、与えてくれるものと仕事や生活することが大切のようです。

  • Virtual ←→ Actualized

virtualの反対はrealではない。仮想的なものの逆にあるのは現実化、実現されたものである。

  • Play ←→ Depression

playの反対はworkではない。遊ぶことと働くことは相反するものではなく、遊ぶことと憂鬱になることが反する事柄。

  • Gamers sped 80% of the time failing

言われてみると確かにゲームは失敗を繰り返してクリアをするもの。ゲームクリアに対して失敗時間の方が圧倒的に長いのは納得。ゲームは「挑戦し続ける力」を養うのか? ゲームだけの話なのか?

総じて非常に楽しいトークでした。上でリンクしたTEDとか他にもあれば見てみようと思います。

Technical Papers

  • Cloth
  • Specular Reflection from Woven Cloth

シンプルなパラメータで編み込みのレンダリングを実現。Mitsubaに実装されている。

  • DRAPE : DRessing Any PErson

体型に合わせた服を高速に生成。衣類のAutomationが重要だと主張。ClothにもFabricationの要素が入ってきている。

  • Design Preserving Garment Transfer

衣服のデザインを維持しながら様々な体型に適用する。こちらも実際に作る際の型紙の作成に有効。

  • Stitch Meshes for Modeling Knitted Clothing with Yarn-Level Detail

網み目のパッチで衣類のモデリング行なっておき、その後RelaxationによってリアルなYarn-levelのモデリングを行う。Cable(編んだ束を一つの束としてさらに編んだもの)のデザインも出来る。実験環境に 3.46Ghz, 48GB RAM(!)とか書いてあった。それでもかなり時間がかかるようだ。



Emerging Technology

日本人多い。これだけ日本人がいるのになんでTechPaperは少ないんだろう……。

Technical Papers

  • Appearance

5本のうち最後の2本のみ聞きました。

  • Printing Spatially-Varying Reflectance for Reproducing HDR Images
  • Printing Reflectance Functions

HDR画像を「印刷する」手法。光の当て方を変えると見え方が変化する。前者はGlossy Paper(?よくわからない)を、後者は凹レンズを並べたような特殊な素材を使用しているみたいです。



Reception

デザートバイキング的な。2年前からデザートになったそうです(でも結構「重い」のも多い。一切のサイズがでかかったり…)。他大学の先生方や学生のみなさんとお話できました。
f:id:npal_shared:20120812135459j:image:w360





鶴田