朝日新聞の欺瞞

 5月6日付の朝日新聞社説は「原発と温暖化」。−安全に、うまく使いたい−との副題がある社説の中で「二酸化炭素をほとんど出さない原発を少なくとも当面の間は安全性に配慮しつつ、今ある原発を活用せざるを得ない」としている。「活用せざるを得ない」との表現は朝日新聞原発を根っから危険視しているから出た言葉だがその根拠はチェルノブイリ事故か。

 社説の最後に「原発に依存してばかりいては日本の温暖化対策は進まない。−略−長い目で見れば、自然エネルギーの拡大やエコカーの普及など、原発に頼らない低炭素化の充実が不可欠だ」と書いている。あらたなサイトは困難とのことだが、国や電力はまだ11基の建設とそのあと2030年頃からの建て替えを計画している。

 今ある原発稼働率を欧米並みにするだけで温暖化対策の柱にするのは無理だ。朝日新聞の言う「当面の間」とは何年くらいのことを指しているのか。今の原発はあと20年くらいで寿命が来るのだから「20年くらい」と考えているのだろうか。

 これからエコカーの主役は電気自動車だが、その電力は原発の増設を必要としないのだろうか。読者に現実を知らせず、言葉巧みに自然エネルギーの夢を見続けさせる朝日新聞の社説は欺瞞に満ちている。